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納車まであと3カ月…50歳男性を襲った「給与未払い」の悲劇。それでも新車“ヴォクシー”をキャンセルしなかった理由

  • 2026.8.2
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

新車の納車まであと3カ月。そんな矢先に、毎月振り込まれるはずの給料が突然支払われなくなったら…。今回は、予期せぬトラブルに直面しながらも、新しいトヨタ ヴォクシー(VOXY)の購入を決断した50歳男性のAさんから伺ったエピソードをご紹介します。

彼が購入をやめなかった背景には、長年乗り続けた愛車への思いと、地方での生活を守る切実な理由がありました。

「納車まであと3カ月」で、振り込まれなくなった"給料"

車の購入を決めてから納車日を迎えるまでの期間は、多くの方にとって心躍る時間ではないでしょうか。今回お話を伺ったAさんも、ご自身の生活に合わせた新しい車の契約を無事に済ませ、納車まで残り3カ月という時期を迎えていました。カタログを眺めながら、新しい車でどこへ出かけようかと、日々期待に胸を膨らませていたそうです。

しかし、そんな穏やかな日常に予期せぬ出来事が起きます。毎月決まった日に振り込まれるはずの給料が、突然支払われなくなってしまったのです。

新車が来るという大きな喜びの絶頂から一転して、今後の収入がどうなるかわからないという深い不安に突き落とされてしまいました。Aさんは友人やご家族にはなるべく普段通りに接していたそうですが、内心では本当にこのまま車を買っても大丈夫なのだろうかと深く悩んでいたといいます。

最初に給料が遅れたときは焦りを感じたものの、一時的なものでいずれ解消される可能性もあると考え、ひとまずは会社を信じるしかありませんでした。

19年間乗ったヴォクシーとの突然の別れと、急きょ選んだ車

では、なぜAさんは、先行きが不透明な状況でも車の購入を直ちにキャンセルしなかったのでしょうか。その理由を知るためには、少し時計の針を戻し、彼と愛車とのこれまでの歩みを振り返る必要があります。

Aさんは20代後半の頃、人や荷物をたくさん乗せられるミニバンとして、トヨタのヴォクシーを購入しました。アウトドアやドライブ、そして大人数で出かけることが好きだった彼にとって、この車は単なる移動手段以上の存在でした。ご家族やご友人との大切な思い出を共有し、約19年間も生活を支え続けてくれた頼もしいパートナーだったそうです。

しかし2021年、商業施設の駐車場で突然エンジンがかからなくなってしまいます。これが、彼にとって最初の“止まった”出来事でした。修理を重ねて大切に乗ってきた愛車との、あまりにも突然の別れとなってしまったのです。

地方での生活において、車がない状態は毎日の通勤や買い物など、日常生活に大きな支障をきたしかねません。本当は次期型のモデルを待ちたかったという思いを抱えつつも、急いで代わりの車を用意する必要があったAさんは、当時販売されていたヴォクシー ZS 煌IIIという特別仕様車を購入しました。(※IIIはローマ数字の3)

実は、車が必要なタイミングで生活を支えてくれたこの車が、のちに次の車の頭金を生み出し、彼を助ける重要な存在となります。

2023年に仮契約、そして3カ月後に本契約へ

急な買い替えから2年後の2023年、定期点検に訪れた際、Aさんに転機が訪れます。販売店から今後のモデル変更や長納期化を見越し、早めに現行モデルの注文枠を押さえる方法を提案されたそうです。

パートナーの後押しがあったことに加え、Aさん自身も現行型のフォルムを気に入っていたこともあり、まずは予約を行うことにしました。そして約3カ月後、ご家族とも相談を重ねて納得した上で、いよいよ本契約へと進みます。

ここまでは、ごく順調で楽しい車の買い替え計画に思えました。しかし、本契約を終えて納車まであと3カ月というタイミングで、給与未払いという事態が発生してしまったのです。新車を待つワクワクした気持ちが、一転して大きな悩みの種となってしまいました。

新しいヴォクシーを支えた、前型のヴォクシー

収入が見通せない不安の中、なぜAさんは購入を取りやめなかったのでしょうか。その答えは、彼がご家族と冷静に話し合い、支払い計画をしっかりと見直した過程にありました。

まず大きかったのが、2021年に急きょ購入した車の存在です。この車を買取に出すことで得られる資金が、新しい車の購入費用の約半分、つまり頭金として充てられることが判明しました。残りの金額を分割払いにすることで、支払い方法を整理した結果、月々の返済額は現在の支払額から大きく変わらないことがわかったそうです。

さらに、日頃から予期せぬ事態に備えて多少の蓄えを用意していたことも、決断を後押ししました。地方で生活するAさんにとって、車を持たないという選択は現実的ではありません。一時的な満足や短期的な乗り換えではなく、新しい車にも10年、できれば20年と長く乗るつもりだったからこそ、今回の購入は単なるぜいたくではないと判断し、そのまま契約を進める道を選びました。

止まった車と給料。それでも止まらなかったもの

そして2025年、予定通りAさんのもとに新しいヴォクシー ハイブリッドS-Gが納車されました。実際に運転してみると車がご自身の生活にしっくりと馴染み、ドリンクホルダーが多く室内も使いやすいと、非常に満足しているご様子です。ハイブリッド車を選んだことで、以前の車と比べてガソリン代が半分程度に抑えられているように感じるとも語ってくれました。

長期間乗っても飽きにくいデザインと使い勝手の良さから、この車にもまた長く乗り続けたいと考えているそうです。同時に、今回の給与未払いという予期せぬトラブルを経て、車の購入後にも急な収入減や生活上の変化に対応できるある程度の蓄えを残しておくことの大切さを改めて実感したといいます。

約19年間乗った最初の愛車は駐車場で止まり、新しい車を待つ間には給料が止まりました。それでも、前の車の下取り金と長年の所有経験が背中を押し、Aさんの車のある生活が止まることはありませんでした。長く乗ることを前提とした車選びは、予期せぬ事態にも揺るがない確かな価値を生み出してくれるのかもしれません。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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