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「炎天下で55度の車内→5分後に28度」JAFのテストで実証された“最初の2分”

  • 2026.7.31
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

炎天下の駐車場で、ドアを開けた瞬間に押し寄せる息苦しいほどの熱気。少しでも早く車内を涼しくするため、すぐに窓を閉め切ってエアコンを最大にしていませんか。実はその方法、あまり効率がよくないといえるかもしれません。

JAFや自動車メーカーも推奨する、最短で車内を快適にする「窓全開・外気導入・走行」の具体的な手順と、その理屈をわかりやすく解説します。

炎天下の車内はどこまで暑くなる?

買い物やレジャーを終えて駐車場に戻り、車のドアを開けた瞬間にモワッと押し寄せる過酷な熱気。座席に座ることもためらわれるほどの暑さに、誰しも一度は息苦しさを感じた経験があるのではないでしょうか。

JAFのテストでは、気温35度程度の炎天下に駐車した場合、黒色の車両で車内の最高温度が57度に達したというデータがあります。さらに、直射日光を受けるダッシュボードの表面温度は79度にもなり、少し触れただけでもやけどをしてしまう危険性があります。ハンドルやシフトノブも同様に熱を帯びており、すぐには運転に集中できないほどの状態になってしまいます。

また、エンジンを止めてエアコンが停止した直後から、車内の温度は急激に上がり始めます。同じテストのなかで、エンジン停止からわずか30分で車内温度は約45度まで急上昇することが確認されています。このような危険な状態から一刻も早く抜け出すためには、どのような行動をとるのがよいのでしょうか。

納得!いきなりエアコン全開(内気循環)が非効率な理由

早く涼しくなりたいという思いから、乗車直後にすべての窓を閉め、エアコンを「内気循環」の最大風量に設定する方は多いかもしれません。できるだけ冷たい空気を逃がさないようにするための行動ですが、実はこの方法は非効率だといわれています。

炎天下に駐車した直後の車内は50度を超えていることがめずらしくなく、外の気温(たとえば35度)よりも大幅に高くなっています。この状態で最初から内気循環にしてしまうと、車内にたまった50度以上の非常に熱い空気を、エアコンへ繰り返し通して冷やすことになってしまいます。

そこで大切なのが、「冷やす前に、まずは熱を捨てる」という考え方です。エアコンの力だけで高温の空気を少しずつ冷やそうとするよりも、窓を開けて35度の外の空気と入れ替えてしまったほうが、圧倒的に早く温度を下げられると考えられます。つまり、車内が外より暑い間は、外の空気を取り込んだほうが有利にはたらくのです。

JAFや自動車メーカーも推奨する「効率的な冷却」手順

それでは、具体的にどのような手順を踏めばよいのでしょうか。JAFのテストによると、もっとも早く車内温度を下げられた手順は以下のとおりです。

まず、乗車したらすべての窓を全開にします。次に、エアコンの温度を一番低く(Lo)設定し、外の空気を取り込む「外気導入」モードにします。そして、窓を開けたままの状態で約2分間走行します。走り出すことで、車内にこもっていた熱い空気が一気に外へ押し出されます。

車内の熱気が抜けたらすべての窓を閉め、このタイミングでエアコンを「内気循環」モードへ切り替えます。すでに冷え始めた空気を車内で循環させて繰り返し冷却できるため、ここから一気に車内を冷やすことができます。この手順を用いたJAFのテストでは、55度だった車内温度が、5分後には28度まで下がったと報告されています。

もし、駐車場所の都合などですぐに走り出せない場合は、助手席側の窓を開けてから、運転席のドアを5回ほど開閉する方法もあります。これだけでも熱気をある程度外へ逃がす効果が期待できるため、状況に合わせて試してみてはいかがでしょうか。

サンシェードの過信と、冷えたあとの「CO2」問題

理にかなった手順で車内を冷やせるようになっても、注意しておきたいポイントがいくつかあります。

まず、夏の暑さ対策としてサンシェードを使用している場合でも、効果を過信しないことが大切です。サンシェードは直射日光を遮るため、ダッシュボードの表面温度の上昇を抑える効果は期待できますが、車内空間全体の温度を安全に保てるわけではありません。窓を数cm開けていても、車内は45度まで上がってしまうことが確認されています。

また、車内の空気が冷えても、シートベルトの金具やチャイルドシートの表面などは熱いままのことがあります。子どもを乗せる前には、必ず保護者の方が手で触って温度を確認することが必要です。

さらに、車内が十分に冷えたあとも気をつけたいポイントがあります。涼しさを保つために内気循環のまま長時間走行を続けると、車内の二酸化炭素濃度が最大6,770ppmまで上昇し、乗員が眠気や軽い頭痛を感じやすくなるというデータもあります。車内が適温になったあとは、外気導入モードやエアコンのオート設定を活用して、定期的に換気を行うことをおすすめします。

命と愛車を守るために。車内に残してはいけないもの

最後に、車内を早く冷やす方法を知っていても、人やペットを車内に残してよい理由には決してならないことを心に留めておいてください。

「少しの時間だから」「窓を少し開けているから」「エアコンをつけているから」といった理由で、子どもやご高齢の方、ペットを車内に残すことは、生命に関わる大変危険な行為です。エアコンを作動させたままでも、突然のシステム停止や誤操作などが起こる可能性も否定できません。

また、人やペットだけでなく、車内に置き忘れてはいけない物もあります。スマートフォンの充電などに使うモバイルバッテリーをはじめとするリチウムイオン電池搭載製品は、高温の車内に放置すると、電池の劣化や膨張だけでなく、発煙や発火につながるおそれがあります。最近では携帯型の扇風機なども普及しているため、降車する際は忘れずに持ち出すよう気をつけてください。

夏の車内をできるだけ早く快適にするためには、ただエアコンを強めるのではなく「窓全開・外気導入で走り出し、熱気が抜けたら内気循環」という最初の手順がポイントになります。この理屈を覚えていただき、安全で快適な夏のドライブを楽しんでいただけますと幸いです。


参考:
エアコン停止15分で危険指数が最高レベル到達!?JAFテストでわかった車内熱中症の防止方法を徹底解説(一般社団法人日本自動車連盟)
夏の駐車時、車内温度を最も早く下げる方法は?(JAFユーザーテスト)(一般社団法人日本自動車連盟)
真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)(一般社団法人日本自動車連盟)



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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