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「3ナンバーは税金が高く、5ナンバーは維持費が安い」というイメージの“意外な真相”【車のプロが語る】

  • 2026.7.28
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

街中で見かける車のナンバープレート。
「3ナンバーは税金が高く、5ナンバーは維持費が安い」というイメージをお持ちではありませんか。しかし、現在の制度ではナンバーの数字だけで税金が決まるわけではありません。

本記事では、3ナンバーと5ナンバーの基準や、近年3ナンバー車が増えている理由、維持費の真実について解説します。思い込みを解消し、ご自身の生活に最適な一台を見つけるためのヒントとしてお役立てください。

たった数cmで変わる?3ナンバーと5ナンバーの境界線

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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

街を走る車のナンバープレートには、地名の横に3桁の分類番号が記されています。その最初の数字が3であれば3ナンバー(普通乗用車)、5であれば5ナンバー(小型乗用車)に分類されます。この分類は、道路運送車両法という法律によって車のサイズと排気量で厳密に分けられているのです。

具体的に5ナンバーとして認められるためには、全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.0m以下というボディサイズに収まっている必要があります。それに加えて、ガソリン車などの場合はエンジンの排気量が2.0L以下でなければなりません。これらの条件をすべて満たした車が、5ナンバーを掲げることができます。ただし例外として、ディーゼル車の場合は排気量が2.0Lを超えていても、ボディサイズが上記の基準に収まっていれば5ナンバーに分類されます。

逆にいえば、ガソリン車でこれらの条件を一つでも超えてしまうと、その車は自動的に3ナンバーになってしまいます。全体的に小柄で運転しやすそうな車であっても、デザインの関係で全幅が1.7mをわずか数cm超えているだけで、3ナンバーに分類される仕組みです。かつては大型で高級な車だけが3ナンバーという印象があったかもしれませんが、実際にはとても機械的でシビアな基準によって線引きされていることがわかります。

「3ナンバーは税金が高い」というイメージの真相

少しのサイズの違いで3ナンバーになってしまうと聞くと、税金が高くなってしまうのではないかと心配になるかもしれません。しかし現在の制度では、ナンバープレートの数字だけで税金の額が決まるわけではないのです。

自動車を所有していると、毎年納める自動車税と、車検の際などに納める自動車重量税がかかります。このうち自動車税は、車のボディサイズではなく、主にエンジンの排気量によって税額が細かく分けられています。そのため、排気量1.5Lのエンジンを積んだ車であれば、全幅が狭い5ナンバーであっても、少し広い3ナンバーであっても、同じ排気量の区分となるため自動車税の金額は変わりません。

そしてもう一つの自動車重量税は、その名のとおり車両の重さによって税額が変動する仕組みです。乗用車の場合は、車両重量が0.5トン増えるごとに税額が段階的に上がっていきます。こちらもナンバーの区分が直接関係しているわけではなく、車そのものがどれくらい重いかによって計算されています。

つまり、3ナンバーだからといって必ずしも税金が高いわけではなく、維持費を左右するのは排気量や車両の重さであるといえるのではないでしょうか。

なぜ身近な車まで3ナンバー化しているのか

税金が変わらないのであれば、日本の道路事情に合わせてすべて5ナンバーサイズで作ればよいのではないか、と感じるかもしれません。それにもかかわらず、近年は身近なハッチバックやコンパクトなSUVまでもが、次々と3ナンバー化しているのには理由があります。

その大きな理由の一つとして、衝突安全性能の向上が挙げられます。万が一の事故の際、側面の衝撃から乗員を守るために、現代の車はドアに厚みを持たせたり、骨格を太く頑丈にしたりする工夫が施されています。

さらに、衝突安全性だけでなく、デザインや機能的な面も重要視されています。流麗でダイナミックなスタイリングを実現するためのフェンダーの膨らみや、海外市場のニーズに合わせたゆとりある室内空間の確保なども求められているようです。

しかし、こういった要素をすべて取り入れながら、全幅1.7m以下という5ナンバーサイズに収めるというのはなかなか難しいのが現状です。現代の車が3ナンバーになりやすいのは、決して無駄に大きくしているわけではなく、安全性の向上や豊かなカーライフを追求していった結果であるといえそうです。

税金以外で変わる実用面でのリアルな違い

制度上、税金はナンバーの数字だけで変わらないとはいえ、3ナンバー車を選ぶことで日々の生活における実用面で違いを感じる場面は出てくるかもしれません。

一般的に全幅が広がって3ナンバーになることで、室内空間にゆとりが生まれ、同乗者も快適に過ごしやすくなるという魅力があります。走行時の安定性も高まるため、長距離のドライブなどでは疲れにくく感じるのではないでしょうか。

ただし、3ナンバーだからといって必ずしも車内が広くなっているわけではない点には注意が必要です。たとえば、日産のセレナなどの一部グレードのように、外装のエアロパーツ(空気抵抗を減らしたりデザイン性を高めたりする部品)を装着したことで外寸がわずかに基準を超え、3ナンバーになっている車種も存在します。このようなデザイン重視のケースでは、室内の広さは5ナンバーのグレードと変わらないこともあるため、購入前にしっかりと確認することをおすすめします。

一方で、日常の運転や駐車の場面では少し気を遣う機会が増えるかもしれません。都市部の古い立体駐車場やコインパーキングでは、車幅制限が1.7mから1.8m程度と厳しく設定されていることがあります。また、住宅街の細い路地ですれ違う際などには、少しだけ取り回しに注意が必要になることも考えられます。税金以外の部分で、こうした使い勝手の違いが生じることは念頭に置いておくとよいかもしれません。

ナンバーの数字ではなく自分自身の使い方で選ぶ

これまでの解説を通してお伝えしたかったのは、3ナンバーか5ナンバーかという表面的な分類だけで、車の良し悪しや維持費を判断してしまうのはもったいないということです。

車を選ぶ際に大切にしていただきたいのは、カタログに記載されている排気量や車両重量をしっかりと確認し、ご自身の生活スタイルに合っているかを見極めることです。自宅の駐車スペースに制限がある方や、細い道をよく走る方であれば、やはり全幅が抑えられたコンパクトな車が運転しやすいはずです。反対に、休日に長距離のお出かけを楽しむ機会が多い方であれば、少し全幅の広い車のほうが快適で安心な移動時間を過ごせるかもしれません。

かつてのイメージに縛られず、ご自身がどのように車を使いたいのか、どのような環境で運転するのかという視点を持つことが、長く付き合える愛車に出会うための秘訣といえます。次に車を買い替える機会が訪れた際には、ぜひナンバーの区分にとらわれることなく、ご自身の用途にぴったりの一台を探してみてはいかがでしょうか。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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