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「しょせんはミニバンだろう」元整備士が渋々選んだトヨタ車に、予想を“良い意味で”裏切られたワケ

  • 2026.7.30
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出典:トヨタ自動車株式会社

今回は、長年スポーツカーを乗り継ぎ、スバル車を愛してきた車好きの男性が、家族のためにミニバンへの乗り換えを決断したエピソードをご紹介します。本当はスバルを降りたくなかったと語る彼が選んだのは、トヨタのヴォクシー ZS "G's バージョンEDGE"でした。“妥協”の末の選択のはずが、この車は彼に、人生のステージに応じた新しい車の楽しみ方を教えてくれたそうです。

父親としての葛藤と、車への愛情の変化についてお話を伺いました。

スバルを降りたくなかった。父になるための苦渋の決断

今回お話を伺った男性・Aさんは、若い頃から走りの良い車を何台も乗り継ぎ、一時は整備士として働いていたこともあるほどの車好きです。「自分にとって車とは、単なる移動のための道具ではなく、人生の多くの時間を共に過ごしてきた大切な相棒のような存在でした」と、Aさんは言います。

そんなAさんが当時愛車として選んでいたのが、スバルの「レガシィ アウトバック」でした。スバル車ならではの走りの安心感や独特の雰囲気を心から気に入っており、当時は本当にこの車から離れたくなかったそうです。ご自身の趣味や好みが詰まった特別な一台だったからこそ、乗り換えを考えること自体が彼にとっては苦しい選択だったといいます。

しかし、お子さんが生まれ、成長していくにつれて、状況は少しずつ変わっていきます。チャイルドシートを装着し、家族全員が安全かつ無理なく乗れる環境を最優先に考えたとき、どうしてもミニバンへの乗り換えという現実に直面することになります。

車好きとしての自分を手放さなければならないような、そんな寂しさや葛藤を抱えていたそうです。

家族を大切に思う気持ちと、自分の趣味を守りたい気持ちの間で揺れ動く様子は、多くの方が経験する人生の転換期を象徴しているように感じます。

最後の意地。普通のミニバンは選ばない

家族のためにミニバンに乗るしかないと頭では理解しつつも、どうしても車好きとしてのアイデンティティを完全に捨てきれなかったそうです。そこでAさんが白羽の矢を立てたのが、当時街中で見かけることの少なかったヴォクシー ZS "G's バージョンEDGE"でした。ごく普通のミニバンでは終われないという、彼のささやかな抵抗だったのかもしれません。

単なる実用性だけでなく、専用チューニングが施された特別感のある車を選ぶことで、親としての責任を果たしつつも、自分はまだ走りをあきらめていないという小さな意地を満たすことができたといいます。当時は少し見栄を張っているような気分だったと振り返るAさんの言葉からは、不器用ながらも家族と自分の両方を大切にしたいという真摯な気持ちが伝わってきます。

妥協とこだわりが入り交じったその選択は、結果的にAさん自身の心を救うことになったそうです。それは、自分の趣味と家族のための実用性との間で、どのように折り合いをつけるかという、一つの理想的な形といえるかもしれません。

予想外の裏切り。ヴォクシー G'sが見せた走りの片鱗

そうして少しの意地とともに迎え入れたヴォクシー G'sでしたが、実際に運転し始めると、Aさんの予想は良い意味で裏切られることになります。「しょせんはミニバンだろう」と高をくくっていたにもかかわらず、ガチッとしたボディ剛性の高さや、コーナーへ入る時の気持ちよさに驚かされたそうです。

もちろん、過去に乗ってきたスポーツカーのような、ダイレクトで過激な刺激はありません。しかし、家族を乗せて安全に走れる安心感と、運転席で密かに感じるドライビングの楽しさが見事に両立していたといいます。家族車なのに走りが楽しいというこの思いがけない発見が、Aさんがこの車を心から受け入れていく大きな転機となりました。

妥協で選んだはずの車が、いつの間にか運転席に座るのを楽しみにさせてくれる存在へと変わっていったのです。車を操る喜びは、ボディの形状が変わっても決して失われるわけではないのだと、この車が教えてくれたといいます。

バフ掛けの日々。いつしか大切な愛車になっていた

車への愛情は、運転することだけにとどまりません。休日に大きなボディを自分でバフ掛けし、丁寧にコーティングを施していた思い出を、Aさんは嬉しそうに語ってくれました。ミニバンは面積が広く、洗車や手入れは想像以上に大変な作業です。だからこそ、時間をかけてピカピカに仕上がったヴォクシー G'sを見ると、言葉にできないほどの喜びが込み上げてきたそうです。

「大きなボディを磨き上げるのは骨の折れる作業ですが、自分の手できれいになっていく車を眺めていると、妥協で選んだはずのミニバンが、不思議と自分にとって特別な愛車へと変わっていくのを感じました」と、Aさんは言います。手をかければかけるほど愛着が深まっていくのは、どんな車であっても同じなのかもしれません。

魚を捕まえに行きたい。息子が教えてくれた新しい楽しみ方

現在は新しい趣味に取り組む時間が増え、休日の過ごし方も少しずつ変わり、純粋に走りを楽しむ時間は以前より減ったそうです。それでも、これまでに車に費やしてきた時間やお金、そして車を通じて得た多くの出会いは、決して無駄ではなかったとAさんは振り返ります。

そんなAさんですが、最近、息子さんに免許を取ったら何をしたいかと尋ねてみたそうです。休日に車を磨き、運転を楽しむ自分の背中を見て育ってきた息子さんも、きっと車を操る楽しさに興味を持ってくれているのではないかという、父親としてのささやかな期待がありました。

しかし、息子さんから返ってきたのは、「自分で魚を捕まえに行きたい」という意外な答えでした。「走りの良さや車の性能を追い求めた自分とは少し違いましたが、それもまた車があるからこその素晴らしい楽しみ方なのだと気づかされました」と、Aさんは言います。

ヴォクシー G'sは、Aさんにとって走りをあきらめた証拠ではありませんでした。むしろ、家族とともに人生の次のステージへ進んだことを教えてくれる、特別な一台だったと感じているそうです。

車の楽しみ方は、世代を超えて形を変えながら受け継がれていくのかもしれません。そんな温かい気づきを与えてくれた車との出会いは、彼にとって一生の財産になっているはずです。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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