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近隣住民「余ったから」→「豆腐、六丁…?」期限間近の余り物を渡してきた。だが、本音を伝えた結果

  • 2026.6.17
近隣住民「余ったから」→「豆腐、六丁…?」期限間近の余り物を渡してきた。だが、本音を伝えた結果

玄関先の重いビニール袋

マンションで一人暮らしをしていた頃の話だ。お盆前のある日、インターホンが鳴った。出てみると、近くの部屋の男性がずっしりしたビニール袋を提げて立っていた。

「余ったから」

「工場が今日で閉まるんで、もらってくれます?」

勢いに押されて受け取ってしまった。ドアを閉めてから中をのぞいて、思わず声が出た。

「豆腐、六丁…?」

しかも一丁ずつ表示を見て、二度見した。

消費期限は、まさかの明日。一人暮らしの冷蔵庫には、すでにお盆用の食材がぎっしり詰まっている。どう考えても、明日までに六丁食べきれるはずがなかった。

「いや、無理でしょ……これ」

豆腐ばかりの献立を三日続けても、まだ余る計算だ。冷蔵庫の扉は、もう隙間なく埋まっている。

結局、ほとんど手をつけられないまま、申し訳ないと思いながら処分した。善意のかたちをした押し付け。私の家が、工場の余りものの行き先にされた気がして、ずっとすっきりしなかった。

二度目の訪問

数日後、またインターホンが鳴った。モニターには、あの男性が袋を提げて映っていた。

「また貰い物の余りものなんだけど」

「よかったら、これも」

差し出された袋を見て、私は今度こそ受け取らなかった。

代わりに、できるだけ笑顔をつくって言った。

「お気持ちは本当に嬉しいんです。でも、私一人なので食べきれなくて」

「次からはどうか、お気遣いなく」

男性の動きが止まった。袋を持つ手が、すっと下がっていく。

「あ……そ、そうか」

「ごめんね、こっちこそ」

そう言うと、彼は袋を引っ込めて、気まずそうに自分の部屋へ戻っていった。

廊下で会えば、ただの挨拶

それ以来、おすそ分けはぴたりと止んだ。あれだけ頻繁だったインターホンが、嘘のように鳴らなくなった。

廊下ですれ違うことは、もちろんある。けれど男性はもう袋を提げてはいない。

「こんにちは」

「ああ、どうも」

軽く会釈を交わすだけの、当たり前のご近所付き合いに戻った。気まずさもなく、むしろ前よりさっぱりしている。

断ったら関係が悪くなるかもしれない。そう怖くて、私はずっと「ありがとうございます」と笑って受け取り続けていた。

けれど引いた線の向こう側で、彼はあっさり引き下がってくれた。拍子抜けするほど、あっけなく。

「あんなに悩んでたのに」

はっきり伝えるまでは、自分の家が善意の形をしたゴミ箱にされている気がして、ずっと胸につかえていた。

ただの線引きで、こんなに肩が軽くなるとは思わなかった。我慢して受け取り続けなくて、本当によかった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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