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「出産中に寝てたの?」25時間の難産だった私のベッドで爆睡する夫。16年後、娘の一言で夫の顔色が真っ赤に

  • 2026.6.17

分娩台で過ごした25時間

初めての出産は、まる一日がかりだった。分娩台に乗っていた時間は、25時間。

陣痛の波に何度ものまれ、最後は意識が遠のくほどだった。

「もう少し、もう少しですよ」

助産師さんに励まされながら、ありったけの力を振り絞った。やっと終わって、ふらつく足で自分の病室へ戻ったとき、私はもう立っているのもやっとだった。

早く横になりたい。その一心で、引き戸を開けた。

ベッドに、人が寝ていた。

(出産中に寝てたの?)

仕事帰りに来ていた夫が、私のベッドでスヤスヤと眠っていたのだ。気持ちよさそうな寝息まで聞こえてくる。

私の気配で、夫がうっすら目を開けた。

「おつかれさま」

それだけだった。夫は横になったまま、ベッドを譲る素振りも見せない。

「……ねえ、そこ、私の」

「ん? ああ、ちょっと疲れててさ」

16年後、食卓で暴かれた失態

結局あの日、私は丸椅子で一晩を明かした。

腹は立ったけれど、抗う気力も残っていなかった。

それから16年。あのときお腹にいた娘は、すっかり生意気な高校生になった。

ある夜の食卓で、ふと思い出して、私はその話を持ち出した。

「あんたを産んだ日、パパね、私のベッドで爆睡してたのよ」

娘の箸が止まった。そして、信じられないという顔で父親を見る。

「は? パパ最低! ありえないんだけど!」

娘の声が、リビングに響き渡った。夫の顔がみるみる赤くなっていく。

「いや、あれはな……仕事で疲れてて……」

「ママ25時間も頑張ったんでしょ? なのに寝てたの?」

夫はしどろもどろになり、言いかけては口をつぐむ。グラスに伸ばした手が、行き場をなくして宙で止まっていた。

「えっと、その、若かったから……」

言い訳のどれもが、娘の前ではまるで通用しない。夫はとうとう目を伏せて、味噌汁の椀を見つめるしかなくなった。

普段は娘に強気なのに、このときばかりは小さくなって黙り込んでいた。

16年分の利子つき

その日以来、「パパのベッド事件」は我が家の鉄板ネタになった。何かにつけて娘が持ち出すので、夫はもう逃げられない。

「またその話?」と言いながらも、夫の声には観念の色がにじむ。

面白いのは、ここからだ。結婚記念日が近づくと、夫は誰に言われるでもなく、率先して家事をやり始める。

皿を洗い、洗濯物をたたみ、私を座らせてお茶まで淹れる。

「今日くらい、ゆっくりしてていいよ」

あの日ベッドを譲らなかった人とは、もう別人だ。娘が横でニヤニヤしながら言う。

「パパ、16年分の利子つきだもんね」

夫は苦笑いで頭をかくばかり。

あのときモヤモヤした記憶は、今ではすっかり一家の笑い話に変わっていた。一生擦られる失態を一つ持っている夫は、たぶん我が家でいちばん腰が低い。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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