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老いていく愛犬たちを介護する日々は、彼らと寄り添い直す尊い時間。そしてそれが大切な宝物になる。心にあたたかな余韻を残すコミックエッセイ【書評】

  • 2026.6.12

【漫画】本編を読む

『何度でも言うね、大好きだよ 愛犬グミと銀次郎と過ごした日々』(真希ナルセ/KADOKAWA)は、ダックスフンドのグミと柴犬の銀次郎、2匹の愛犬とともに過ごしたかけがえのない時間を綴ったコミックエッセイ。SNSで大きな共感を呼び書籍化された本作は、その暮らしの楽しさだけでなく、年を重ねた愛犬と向き合う日々の尊さを描いている。

散歩、食事、何気ないしぐさ、寄り添って眠る夜。いつも一緒の生活には、笑ってしまう出来事もあれば、手がかかる瞬間もある。けれど、そのどれもがかけがえのない宝物として描かれていく。犬と暮らしたことのある人なら、「そうそう、こういう時間こそが特別」と共感することだろう。

そして胸を打つのは、シニア犬との暮らしに向き合う場面だ。若い頃のようには走れなくなる。体調も変わる。できないことが少しずつ増えていく。それでも、愛する存在の歩幅に合わせて暮らしを変えていく様子には、若い頃とはまた別の深い愛情が感じられる。「老い」を悲しみだけで描かず、寄り添い直す時間として見つめているのだ。

グミと銀次郎の個性も愛らしい。穏やかな時間の中で見せる表情、ちょっとした癖、家族に向けるまなざし。そのひとつひとつから、「この子たちがいたからこそ生まれた毎日」の尊さが伝わってくる。どんなに手がかかったとしても、一緒にいられることが幸福なのだと気づかせてくれる。

そして、本作はかつて大切な存在と過ごした日々を胸にしまっている人にも深く届く。別れがあるからこそ、今ここにいる時間は愛おしい。「好き」と伝えることに、遅すぎることはないのだ。読み終えたあと、大切な家族のことを考えるはずだ。すでに旅立った存在にも、心の中であらためて「大好きだよ」と伝えたくなるだろう。そんな、あたたかな余韻を残す作品だ。

文=時任邪武郎

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