1. トップ
  2. 大切なペット(ニンゲン)に怪我をさせてしまった… 深く悔やむ飼い主の魔人。命を預かる覚悟、生き物を飼う責任に共感必至の“異世界飼育コミック”【書評】

大切なペット(ニンゲン)に怪我をさせてしまった… 深く悔やむ飼い主の魔人。命を預かる覚悟、生き物を飼う責任に共感必至の“異世界飼育コミック”【書評】

  • 2026.6.12

【漫画】本編を読む

ペットを飼うのには、命を守る責任がいる。『ニンゲンの飼い方』(ぴえ太/KADOKAWA)は、魔獣や魔人だけが住む世界に現れた「ニンゲン」と、それを飼うことにした異形の飼い主との関係を描く異色のコミック。安易な気持ちだけでは生き物を飼うことはできないことを、失敗を通して突きつけてくる作品でもある。

飼い主の不注意によって、野生の魔獣に襲われて怪我を負ってしまったニンゲン。病院の先生によれば、幸いにも傷は浅く、脳にも問題はないようだ。飼い主は青年に怪我をさせてしまったことを深く悔やみ、「申し訳ないことをしてしまった」と自己嫌悪に陥る。そんな飼い主に、医師は「申し訳ないと思うならこの出来事は最初で最後にしましょう。この子のためにね」と言葉をかけるのだ。

飼い主になるのには責任が伴う。もちろんこの異形の飼い主だって、強い覚悟を持ってニンゲンを飼い始めたつもりだった。「最期まで面倒を見たい」とさえ言っていたのだ。だけれども、自分の油断によって、ニンゲンを危険に晒したことで、初めて「生き物を飼う」ということの重みを理解した。そして、私たちもまた、この場面をただのファンタジーとして笑うことはできない。犬や猫、鳥、小動物など、どんな生き物であっても、人間にとっては些細なことが、その命を脅かす危険につながる。かわいがることと、守ることは同じではない。生き物を飼うとは、相手の弱さを知り、危険を想像し、二度と同じ失敗を繰り返さないように向き合い続けること。このマンガは、人間が“飼われる側”になるという意外な設定を通して、そのことを教えてくれる。

文=アサトーミナミ

元記事で読む
の記事をもっとみる