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「相続税対策はバッチリ」子どもに“毎年100万円”の贈与を続けた70代母→10年後、銀行窓口で告げられた事実に“青ざめたワケ”

  • 2026.7.2
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「毎年110万円以内で贈与すれば相続税対策になる」そう思って長年贈与を続けてきたのに、2024年の法改正でこれからの計画が大きく変わってしまった──そんな話を窓口でお聞きしました。今回は、10年間コツコツ贈与を続けてきた60代女性Aさんが直面した、生前贈与の落とし穴をご紹介します。

「毎年100万円ずつ贈与すれば、相続税対策はバッチリのはず!」

10年前から、子どもへの相続税対策として毎年100万円を贈与してきたAさん。

贈与税の基礎控除(年間110万円)以内に抑えることで、贈与税をかけずに子どもに資産を移してきました。毎年贈与のたびに贈与契約書を作成し、「定期贈与」とみなされないよう気をつけながら続けてきました。

「10年間で1,000万円を子どもに移せた。これで相続税の負担がかなり減るはず」とAさんは安心していました。
しかしある日、相続の相談のために銀行の窓口を訪れたAさん。担当者から思わぬ言葉をかけられました。

「2024年の法改正で、生前贈与の持ち戻し期間が変わっているんです」
「2024年の税制改正により、生前贈与の相続財産への持ち戻し期間が、従来の3年以内から7年以内に延長されています。詳しくは税理士にご相談いただくことをおすすめしますが、Aさんの今後の贈与計画に影響が出る可能性があります」と担当者。

「え、3年が7年になったんですか?」とAさん。「それって私の贈与にどう影響するんですか?」と不安な表情を見せました。

「これからの贈与は、7年長生きしないと節税にならない…?」

後日、税理士に相談したAさん。改正の詳しい仕組みを説明してもらいました。

これまでの贈与(2023年まで)
相続開始前「3年以内」の贈与が相続財産に加算

これからの贈与(2024年以降)
相続開始前「7年以内」の贈与が相続財産に加算
(※延長された4年分については合計100万円を控除)

「2023年までの贈与分がさかのぼって7年ルールになるわけではありません。しかし2024年以降に行う贈与は、将来相続が起きた際に最大7年前の贈与まで相続財産に足し戻されます(Aさんのケースでは、100万円×7年-100万円控除=実質最大600万円の計算になります)」と税理士。

「つまり、これから先は贈与してから7年以上長生きしないと、節税効果が薄れてしまうんですね…」とAさん。

「10年間コツコツやってきましたが、これからの計画が狂ってしまいました。もっと早く、まとまった額を贈与しておけばよかった」と肩を落としていました。

税理士からは「改正後も生前贈与は有効な対策ですが、やり方の見直しが必要です。例えば、同じく2024年に改正された『相続時精算課税制度』を活用する方法があります。

この制度に新たに年間110万円の基礎控除が創設され、しかもこの110万円枠は亡くなる直前の贈与であっても『持ち戻しの対象外(加算されない)』となりました。状況に応じて、暦年贈与からこちらへ切り替えるのが有効です」とアドバイスを受けました。

生前贈与は、法改正を踏まえた長期的な計画が大切

では、同じ状況を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。
生前贈与を活用した相続税対策を検討している方は、以下の点を確認しておくことをおすすめします。

・2024年1月以降の贈与から、相続財産への持ち戻し期間が3年以内から7年以内に段階的に延長される
・ただし延長された4年分(相続開始前4〜7年前の贈与)については、合計100万円が控除される
・2023年以前の贈与分がさかのぼって7年に延長されるわけではない
・毎年同じ金額・同じ時期の贈与は「定期贈与」とみなされる可能性があるため、毎年贈与契約書を作成し、金額や時期を変えるなどの工夫が重要
・2024年から「相続時精算課税制度」に新設された年間110万円の基礎控除枠は、持ち戻しの対象にならないため、新たな選択肢として有効
・相続税対策は法改正の影響を受けやすいため、定期的に税理士に相談して計画を見直すことをおすすめする

「毎年110万円以内の贈与で安心」という考え方だけでは、今後の法改正リスクに対応できない可能性があります。相続税対策についてお悩みの方は、ぜひ早めに税理士や窓口へご相談ください。


参考:
贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)(国税庁)

執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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