1. トップ
  2. キャロットケーキ好きはパン屋を目指す! 東京・神奈川で見つけたこだわり5選

キャロットケーキ好きはパン屋を目指す! 東京・神奈川で見つけたこだわり5選

  • 2026.6.9
Hearst Owned

すりおろしたにんじんとスパイスを生地に混ぜて焼き、クリームチーズのフロスティングをトッピングしたキャロットケーキは、2011年「ローズベーカリー」の上陸を機に日本でも人気が爆発し、今や独自の進化を遂げている。

今回は定番のベイクショップではなく、パン屋が手がけるキャロットケーキに注目。生地へのこだわりや職人の技が光る、身近で気取らないスイーツの奥深い世界へご案内。

Photos:HARUNA KAMIHASHI

Haruna Kamihashi

ブラフベーカリー 元町本店/神奈川・横浜

スタンダードな味わいだからこそ、長年愛される逸品

横浜の山手地区がかつて外国人に「ブラフ(崖)」と呼ばれていた歴史にちなみ、その名を冠した「ブラフベーカリー」がオープンして15年を迎える。

横浜を代表する名店として愛される店内には、粉使いの名手である栄徳剛シェフが丹精込めて焼き上げるバゲットやカンパーニュといった食事パンからクリームパン、クロワッサンまで多彩な商品が並ぶ。

なかでもパンに引けを取らないほどの人気なのが、量り売りスタイルの「キャロットケーキ」だ。名古屋のベーカリー「涼太郎」の渡邉涼太郎シェフが「訪れたら必ず買う」と公言するほど、同業者にもファンが多い。

主役のにんじんは生のまますりおろし、準強力粉やオリーブオイル、卵と合わせる。スパイスをあえてシナモンのみに絞るのがこだわりだ。職人の技で混ぜすぎを抑え、軽やかさを生地に含ませる。これを大きな天板に流し込み、気密性の高いオーブンに入れて180℃の低温でじっくり焼き上げることで、蒸しパンのようなふっくらしっとり食感に。仕上げに、クリームチーズとフォンダンを混ぜ合わせた自家製フロスティングを塗って完成。

素材本来の素朴な甘みと風味が前面に出た、ふっくらと優しい食感が口いっぱいに広がる。

Haruna Kamihashi

「ブラフベーカリー」のこだわりをチェック!

スパイス
生地に加えたスパイスはシナモンパウダーのみ。シンプルな構成ながら、その存在感は抜群。ふくよかな香りが、生地の控えめな甘さをぐっと際立たせる。

具材
くるみはローストせず、生のまま加える。大小さまざまなサイズが、口の中でリズムよく弾け、食べ飽きないアクセントを生み出す。また準強力粉を使うのもポイント。にんじんの水分に負けることなく、しっとりしつつも、程よい軽さの食感に仕上がる。

フロスティング
ベースはクリーミーなコクとなめらかな口溶けが特徴の「クラフト フィラデルフィア」のクリームチーズ。バターとシロップ、砂糖で作った自家製フォンダンを合わせ、酸味とコクのバランスが絶妙な特性フロスティングに。約1㎝厚さで、贅沢にたっぷりとトッピング。

「キャロットケーキ」¥400~600(1g=¥3 税込の量り売り)
※横浜高島屋店のみ1個¥651


BLUFF BAKERY(ブラフベーカリー 元町本店)
住所/神奈川県横浜市中区元町2-80-9 モトマチヒルクレスト
営業時間/8:00~17:00※売り切れ次第終了
無休
https://bluffbakery.com/
Instagram/@bluffbaker

Haruna Kamihashi

レカー/東京・代官山

派手さはないけど、五感に訴えるおいしさに感動

パティシエからパン職人へ転身した小出貴大シェフによるデニッシュ専門店。ジャンルを絞ることで完成度を高められるという理由から、専門店という形態を選んだ。

北海道産の小麦粉とバターを贅沢に使い、しっかり焼き込んだデニッシュ生地は、ザクザクと軽快な食感が特徴。職人技が光るその生地をベースに季節のフルーツやクリームを合わせたスイーツ系から、ソーセージやホワイトソースなどを用いたサレ系まで多彩に展開する。

フルーツを使った商品が彩る華やかな店頭で、シンプルながらも大物的なオーラを放っているのが「キャロット」だ。

ザクッ、パリッとした食感のデニッシュ生地の中に、アーモンドクリーム、カスタードクリーム、そしてにんじん、スパイスを加えたフィリングを詰めて焼き上げる。一口食べると、ザクッとした香ばしいデニッシュと、中に忍んだフィリングがほろっと崩れる。この2つの食感の対比が実に鮮烈だ。

「生地単体で味わうのではなく、デニッシュ生地と合わせるために、パウンド生地よりも“飴”に近い感覚に仕上げた」と小出シェフ。その言葉通り、くるみも加わったフィリングはマジパンを彷彿とさせる濃厚さで、食べる人に強い印象を残す。

現在の場所での営業は6月21日までで、移転後営業再開。

Haruna Kamihashi

「レカー」のこだわりをチェック!

スパイス
シナモンパウダーを多めに、カルダモンとナツメグは控えめに配合。シナモンの甘みに続き、カルダモンの清涼感と温かみのある芳醇なナツメグの香りが後を追いかける。シナモンを強めに効かせることで、バターの香りが豊かなデニッシュ生地とも好バランスに。

具材
皮ごとすりおろしたにんじんに、ハーフカットしたくるみをプラス。大粒だからこそのコリッとした食感が心地よい。

フロスティング
塩気とほのかな酸味が特徴の北海道産クリームチーズを使用。丁寧にホイップし、柔らかすぎず固すぎない絶妙な口当たりに仕上げる。滑らかなフロスティングがデニッシュ生地とフィリングを口のなかでひとつにし、見事な調和を生み出す。

「キャロット」¥530

Laekker(レカー)
住所/東京都渋谷区代官山町9-7 サインビューハイツ代官山103
営業時間/10:00~17:00※売り切れ次第終了
定休日/月・火曜、不定休
Instagram/@laekker_daikanyama


Haruna Kamihashi

トロパン トウキョウ/東京・池尻大橋

パン屋ならではの発想が詰まったタルト仕立てのキャロケ

「トロパン トウキョウ」は、カレーパンやクロワッサンといった定番から、素材の組み合わせがユニークな創作系まで、多彩なパンがそろうベーカリー。訪れるたびに新しい発見があり、驚きに満ちた一軒だ。

そんな「トロパン トウキョウ」らしさが凝縮されているのが、タルト仕立ての「キャロットケーキ」。土台のタルトには、クロワッサン作りで余った生地を活用し、まずはタルトだけを長時間低温で空焼き。生地を入れた後もじっくり時間をかけて本焼きすることで、翌日になってもサクサクとした食感に仕上げている。

主役のキャロットケーキには、5種のスパイスを炒って香りを引き出してから配合。にんじんは皮ごとじっくり蒸してから焼いて甘みを凝縮し、細かくすりつぶしたものと食感を残したものを合わせることで、風味と食感に奥行きをもたせている。かぼちゃの種やソーヴィニョンレーズンなど具材も多彩ながら、それぞれが主張しすぎることなく、生地と見事に調和している。

さらに特筆すべきは、層の構成。クロワッサン生地の上に、塩キャラメルとゲランドの塩、ローストしたカカオニブ、くるみを重ね、その上からキャロットケーキ生地を流し込んで焼き上げている。仕上げには、なめらかなフロスティングとレモンピールをトッピング。外側は香ばしく、中は密度がありながらもしっとり。ひと口ごとに異なる表情が広がる。

クロワッサン生地やくるみの香ばしさ、スパイスの余韻、フロスティングの酸味。それぞれが重なり合い、奥行きのある味わいを描き出す。今後は公式オンラインショップで、ひとまわり小さなホールサイズの販売も予定。

Haruna Kamihashi

「トロパン トウキョウ」のこだわりをチェック!

スパイス
シナモンパウダー、セイロンシナモン、カルダモンパウダー、クローブパウダー、ナツメグパウダーの5種。スパイスを炒って生地に加えることで甘みの中に、清涼感が心地良く広がる。

具材
かぼちゃの種、ひまわりの種、オレンジピール、ソーヴィニョンレーズン、ココナッツファインと具材たっぷり。多彩な食感を生みながらもしっとりした生地とのバランスが秀逸だ。

フロスティング
クリームチーズとバターに、オレンジとレモン果汁、カルダモンを加えて爽やかに。季節に応じてバランスを調整しており、現在は酸味をやや強めた夏仕様に仕上げている。トッピングには、みりんに漬けたレモンピールを使用し、やわらかな甘みをプラス。

「キャロットケーキ」¥600

TOLO PAN TOKYO
住所/東京都目黒区東山3-14-3
営業時間/8:00~16:00
※売り切れ次第終了
定休日/火・水曜、不定休
http://tolotokyo.com/
Instagram/@tolopantokyo

Haruna Kamihashi

コンビニエンスストア髙橋/東京・練馬春日町

食べ方アレンジも楽しい! ハイブリットな一品

2020年11月、東京・練馬春日町にオープンした、髙橋諒自さんとネイトさん夫妻が営むベーカリーカフェ。店名の「毎日の暮らしに寄り添うコンビニエンスな存在でありたい」という思い通り、開店直後から多くの人が店を訪れる。

ここで味わいたいのが、にんじんとバナナがひとつになった「キャロットバナナケーキ」だ。のどかな土地柄に合わせ、「バナナを加えた方が親しみやすいのでは」という直感から生まれたハイブリッドな商品は、今や店の人気を牽引する。

一口目の印象はバナナケーキのようで、後からにんじんのやさしい香りが追いかける。にんじんは大きめにすりおろし、バナナはフォークの背で潰して存在感を残した。互いの個性を主張しながらも、生地の中での馴染み具合は見事。

キメの細かい生地は「パンの延長」という髙橋さん。北海道産の小麦粉3種をブレンドし、さらに石臼挽きの地粉を加えることで、独特の心地よい食感と深いうま味を引き出し、土っぽさのあるにんじんと、濃厚なバナナとのバランスを図った。

パウンド型で焼き上げ、たっぷりのフロスティングを塗って冷やし固めた独特のフォルムもインパクト抜群。

しっかり冷やしたケーキに、火であぶった温かいフォークを入れると、ジュッと音が立ちフロスティングが少しとろける。素材の自然な甘みはワインとも相性抜群で、マルドンなどのガリッとした塩を添えて味わえば、おつまみへと大変身する。キャロットケーキの概念を覆すような楽しみ方もまた一興だ。

HARUNA KAMIHASHI

「コンビニエンスストア髙橋」のこだわりをチェック!

スパイス
使用するスパイスは、シナモンパウダー1種類のみという潔さ。それがバナナの濃厚な香りと混じり合うことで、重層的な深みが生まれる。スパイス感が強すぎず弱すぎずの絶妙なバランスが心地よく、次の一口が進む。

具材
砕いたくるみを混ぜることで、生地のところどころでアクセントをプラス。クセのないひまわりオイルを使用することで、くるみの香ばしさも引き立っている。

フロスティング
クリームチーズとバターの分量は2対1。隠し味に塩をひとつまみ加えることで、クリームチーズ本来のミルキーなコクを引き出している。エッジを立たせた“角刈り”のような独特な塗り方も特徴で、一目で「コンビニエンスストアのキャロケ」と分かるアイコニックな見えた目に仕上げている。

「キャロットバナナケーキ」¥400

コンビニエンスストア髙橋
住所/東京都練馬区春日町3-4-4 春日町3丁目第2アパート4号棟
営業時間/11:00~17:00
定休日/火、水曜、不定休
Instagram/@convenience_store_takahashi

Haruna Kamihashi

ブーランジェリー ラニス/東京・下北沢

パティシエ経験の技が光る、ずっしり濃厚キャロケ

東京・下北沢の住宅街にある、パン好きが吸い寄せられるベーカリー。店主の原昇吾さんは、フランスのパティスリーやフレンチレストランでの経験を持ち、10種類以上の小麦粉を巧みに使い分けることから“小麦粉マニア”の異名を持つ。

ニシノカオリを使ったバゲットのおいしさにも定評がある原さんだが、パティシエ経験の技が息づくキャロットケーキにも、思わず唸るこだわりが凝縮されている。

丸くコロンとしたフォルムのキャロットケーキは意外なほどずっしりとした重みがある。その秘密は小麦粉の代わりにアーモンドパウダーを使用していること。さらに小さな型に入れて高温で一気に焼き上げることで火の通りを早め、水分が逃げるのを最小限に抑える。これにより、皮ごとすりおろして加えたにんじんの水分が保たれ、うるおいのある質感に焼き上がる。

具材には、ローストしたくるみとレーズンを加えることで、生地がほどけるような舌触りに。スパイスはシナモンにアニスを合わせることで、甘さのなかにすっとした清涼感と、アニス特有の刺激的な香りがほのかに香る。

雪をかぶったかのような美しいフロスティングは、なめらかな口溶けを追求してバターを多めに配合。軽くレモンの酸味を利かせることで、濃厚でありながらも軽やかな後味を演出している。

Haruna Kamihashi

「ブーランジェリー ラニス」のこだわりをチェック!

スパイス
使用するスパイスは、シナモンとアニスの2種類。アニス特有の、甘く軽やかな芳香と奥行きのあるスパイシーな風味が特徴。この2つが合わさることで、互いが持つエキゾチックな香りを鮮やかに引き立て合い、深みのある余韻を生み出している。

具材
生地に加えたのは、ローストしたくるみとラム酒に付けたレーズン。くるみの香ばしいほろ苦さだけでなく、レーズンからじゅわっとあふれるみずみずしさも心地よいアクセントとして光る。

フロスティング
クリームチーズに粉糖とバターを合わせたフロスティングは、口に入れた瞬間の心地よさを追求した絶妙な配合。なめらかな口溶けを計算してバターを多めにしているのがポイント。さらにレモン果汁で軽やかさをプラスすることで、コク深いクリームのうま味をきれいに引き締めている。

「キャロットケーキ」¥480

boulangerie l’anis(ブーランジェリー・ラニス)

住所/東京都世田谷区代沢3-4-8 RAIROA 1F
営業時間/11:00~17:00
定休日/水、木、金曜、不定休
Instagram/@boulangerie_lanis

Hearst Owned

キャロットケーキ情報をチェック

Hearst Owned
元記事で読む
の記事をもっとみる