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かつて人気者だった兄が地味になってしまった理由とは? 正反対の双子兄弟が織りなす、ややこしくて愛おしい物語が遂に完結!『されどふたご』【書評】

  • 2026.5.27

【漫画】本編を読む

『されどふたご』(西公平/KADOKAWA)は、正反対の性格を持つ双子の男子高校生の物語。互いを大切に思いながらも、噛み合わないふたりのこじれた姿を描いたコメディだ。

主人公は双子の兄・大地と弟・空。地味でさえない大地と、社交的でモテる空は、同じ顔を持ちながら正反対の生活を送っていた。かつて、大地の方が社交的で人気者だったのだが、今では見る影もないために、空はそんな大地の姿を見るたびにモヤモヤしていた。それは大地を嫌っているのではなく、彼が「モテない」のが嫌だからで、「兄の魅力を周囲に知らしめたい」という空の強い思いが物語を動かしていくのだ。

最終巻となる第3巻では、大地があえて「地味」に生きている理由がついに明らかになる。夏休みになり、空は流行りの服をあげたり、女性に人気のカフェのクーポンをあげたりするなど、パッとしない大地を輝かせるための行動を起こす。そして無理やり誘い出した夏祭りで、空は大地がこの生き方を選んだ理由を初めて聞かされる。

それは小5の3学期。当時の大地はまだ人気者で、逆に空はパッとしない存在だった。そんなある日、ひとりの女子生徒がふたりのクラスに転入してくる。空は彼女のことが好きになり、仲良くなりたいと大地に相談すると、大地は奥手だった空のために彼女と積極的に交流していく。だがその行動がある事件を起こし、そして空から放たれた意外な一言が大地を大きく変えたのだった。夏祭りでその過去を初めて知った空は――。

双子という近すぎる存在だから見えないことがあり、大切に思うから言えないことがある。互いを思いやる気持ちは同じでも、素直になれない「ややこしさ」が本作の魅力だ。少しだけその「ややこしさ」を解消できたふたりのその後を、ぜひ本書を手にとって見届けてほしい。

文=ゆくり

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