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〈小田原移住〉 イメージと逆!地方に住んで驚きだったこと。それでも、田舎暮らしを極めたい #暮らしの選択肢

  • 2026.5.26

今回お話を伺ったのは、2021年に、東京都小金井から、小田原へ移住された、きまま暮らしのパレットさん。夫と娘3人で暮らす小田原での生活。地方暮らしだから、また古民家だからこその悩みもあるし、「東京って、いいな」と思うこともあるけれど、それでもこれからも地方暮らしがいい、そう語ります。きまま暮らしのパレットさんの #暮らしの選択肢に迫ります。

〈移住者プロフィール〉きまま暮らしのパレット

Webデザイナー。

「自然を感じながら日々の暮らしを豊かにしたい」そんな想いで、2021年1月に、海と山に囲まれた街、小田原へ移住。夫と3人の娘(6歳、3歳、1歳)と築57年の古民家暮らし。

YouTube: @kimama_palette

Instagram: @kimama_palette

地方に暮らせば安くなると思っていたのに...意外とかかるコストとは?

東京都心での移動は、公共交通機関の方が便利な場合が多い。また、維持費や駐車場代もかかってしまう。だから、東京在住で車を持たないという人も少なくはない。小田原に移住した、きまま暮らしのパレットさんも例外ではなく、東京に住んでいた頃は、ペーパードライバーだった。一方で、小田原では、最寄り駅まで、自転車で20分の場所に住まいを構えているため、車の運転は必須。また、現在は長女と次女が車で数十分の所にある小学校と幼稚園に通っているため、送り迎えのために日常的に運転をしている。

「地方では車は必須という話は聞いていましたが、本当でした。最初は、色々なところにぶつかりそうになったりして、大変でした(笑)ただ、慣れたら、車ってめちゃめちゃ便利なんだと思いました」

車に乗るのが楽しくなってくると行動範囲も広がり、さらに暮らしが充実した。一方で、昨今のガソリン代の高騰は悩みの種の一つ。また、冬場は石油ストーブを使っているため、灯油代の値上げもシビアだ。そもそも、石油ストーブを使いはじめたのは、古民家ならではの理由から。古民家の冬は厳しいという話を耳にしていたものの、引っ越した初日からその極寒具合に思わず半べそをかいた。雨戸が木戸のため、隙間があり、エアコンでは全然部屋の中が温まらない。そのため、石油ストーブを買いに走った。加えて、古民家では都市ガスが配管されていない地域が多く、きまま暮らしのパレットさんの住まいも、プロパンガス。プロパンガスは都市ガスより単価が高く、冬場は給湯や暖房で都市ガスの1.5〜2倍程度になることも。

 

「引っ越したのが1月だったということもあると思いますが、東京で都市ガスだった時は月3,000円ぐらいだったのが、こちらに来たら最初15,000円くらいの請求がきて、さすがに驚きました。地方に住んだら全体的に生活費が安くなると思っていたのですが、東京よりもお金がかかることもあるということが分かり、それは意外でしたね」

一方で、家賃を含めて、東京に住んでいた頃よりも、安価になった生活費のカテゴリーも。中でも、食費は断然、小田原の方が抑えられている。

「東京にいた頃から、なるべくオーガニックの食材などを選んでいたのですが、東京ってそういった食材がめちゃくちゃ高いじゃないですか。限られた場所でしか売っていなかったりするし。今は、自然農法をやっている農家さんにお願いして、直接食材を届けてもらっているんです。価格もスーパーの食材と変わらないくらいのお値段で提供していただけて、手軽にそういったものを手にすることができるのは嬉しいですね」

 

「東京っていいな」と思うこともあるけれど、田舎暮らしを極めたい

ガソリン代、灯油代、プロパンガス代の意外なコスト高の他に、小田原での暮らしで想像していなかったのは、「カビ問題」だった。古民家は、梅雨の季節になると湿気が問題になることが多い。

「梅雨から夏にかけては、本当にカビやすいです。竹ザルとか、家具も気づいたら、カビてしまいます。自然の中だから息づいてるものなんだと思うんですけど、湿気が多いのは好きじゃないですね(笑)部屋干しもできないんですよ」

 

また、メンテナンスが適宜必要だということも、古民家ならではの手間を食うことの一つ。

「古民家って、すごく豪華な作りだと思うんです。全部が自然素材でできているので、すごくおしゃれ。だけど、自然素材ゆえに、剥がれちゃったりとか、朽ちていきやすいので、メンテナンスが必要になってきます。私たちはそういうのが好きなので、楽しんでやっていますが、それを大変だと感じる人もいるのではないかな」

自然素材でできているからこそ、カビ問題は発生するし、メンテナンスが頻繁に必要になる。現代的な住宅ではなかなか出くわさない問題も多いが、それでも古民家を選択したのは正解だったという。特に、小さい子どもがいるご家庭は古民家から受けられる恩恵は大きいのではないか、と気まま暮らしのパレットさんは考える。現代的な住宅は、真っ平らな造りの家も少なくない。だけど、古民家は、段差が随所にあるので、危険を自分で防止できるようになる。発達の段階の小さい子どもには、とてもいいのではないか、と感じてるという。そして、何よりも、家の中で気持ちよく過ごせるというのは大きい。森林の中にいなくても木材に囲まれた空間にいるので、とにかく心地よい。

 

また、自然豊かな地方での暮らしについても、満ち足りているという。

「今の暮らしで良いと思うのは、自然の中にいつでも遊びに行けるところですね。家の外を一歩出たら、田んぼが広がっているんです。ちょっと歩いていったところからは、富士山も見えるし。また、車を30分ほど飛ばしたら、丹沢までいけるんです。そこまで行けば、大自然の中に身を委ねることができる。そういうのは、本当に最高ですね」

そんな地方暮らしを謳歌しているきまま暮らしのパレットさんだが、「東京って、いいな」と思うことも。中でも、おしゃれなお店や、美味しいお店、面白いものがたくさん集まっているという点において。平日、毎日東京に通勤している夫の話を聞いていると、なおさらその想いが強くなる。

一方で、恋しくなる、またいつか住みたい、とは思わない。特に、大自然の中でのびのびと育っている3人姉妹の姿を見ていると、そう感じるようだ。

実は、今年の夏を目処に、小田原から北上して、さらに山側のエリアに引っ越す予定なんだとか。

「引っ越しをしたら、畑をやりたいと思っているんです。庭も結構広くなるので、季節の果実を植えたりして。それから、鶏を飼いたいなって思っています。子供たちが動物と一緒に育っていくのもいいなと思っています。あとは、周りに鹿とか猪が多くいるので、ゆくゆくは資格をとって、狩猟もしたいと思っているんです。以前、狩猟をしている知り合いの方に、狩猟されたばかりの鹿肉をいただいたことがあって、めちゃくちゃ美味しくてびっくりしたんです。新鮮だったし、食べた時のパワーが違うなって思って。そういったことを通じて、土に触れて自分も暮らしていきたいな、と思っています」

昨年、40歳を迎えた、きままパレットさん。概算すると、「人生はあと半分」そう思うと、やりたいことは全部やりたい。そんなかっこいい母の背中を間近で見る3人の娘が、どのように成長するのかも、楽しみである。

桑子麻衣子

1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。

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