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「かえって身体に負担をかける」管理栄養士が警告。間違った『熱中症対策』になってるかも…注意すべき“ポイント”とは?

  • 2026.7.31
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

スポーツジムの管理栄養士として、栄養面からダイエットや健康維持のサポートをしている工藤まりえです。

毎年、夏になると気をつけなければいけない熱中症。熱中症対策としての水分・塩分補給を、生活環境や個人の体質を無視して行ってしまうと、かえって身体に負担をかけてしまうことがあります。

熱中症対策として「塩分補給」を過剰に行う親・祖父母世代に対し、30〜40代がどのように声をかけ、ケアすべきか。管理栄養士の視点から解説します。 

その熱中症対策、本当に今の生活に合っていますか? 

「熱中症が怖いから、毎日経口補水液を飲んでいるの」

そう話すのは私の祖母です。祖母は祖父と二人暮らしで、夏場もほとんど冷房の効いた室内で過ごしています。

「家の中でも熱中症になるってテレビで言っていたから」と、脱水を心配し、経口補水液をこまめに飲むことを習慣にしているそうです。

一方の祖父は、「熱中症には梅干しだ!」と信じています。血圧の薬を服用しているにもかかわらず、毎朝欠かさず梅干しを食べるのが日課です。

もちろん、どちらも健康を守りたいという気持ちから始まった行動です。しかし、管理栄養士の視点で見ると、二人の対策は現在の生活環境や身体状況と少しミスマッチに感じます。

テレビやCMでは、「塩分補給が大切」「経口補水液がおすすめ」といった情報をよく目にします。実際、炎天下での作業やスポーツなどで大量の汗をかく場合には、水分とともに塩分を補給することが重要です。

しかし、冷房の効いた室内で過ごす時間が長く、汗をほとんどかいていない人にも同じ対策が必要とは限りません。熱中症対策で本当に大切なのは、話題の方法を取り入れることではなく、その人の生活環境や健康状態に合った対策を選ぶことなのです。

経口補水液も梅干しも、「摂れば安心」ではない 

祖母が習慣にしている経口補水液は、熱中症対策として紹介されることが多い飲み物です。しかし、実は日常的な水分補給のために作られたものではありません。

経口補水液は、下痢や嘔吐、発熱、大量発汗などによって脱水状態になった際に、水分と電解質を効率よく補給するための飲料です。そのため、水や麦茶と比べるとナトリウムや糖分が多く含まれています。

もちろん、夏場の脱水予防に役立つ場面もありますが、冷房の効いた室内で過ごし、食事もしっかり摂れている人が日常的に飲み続ける必要性は高くありません。むしろ、知らないうちに塩分や糖分を過剰に摂取してしまう可能性や、腎臓に負担になってしまう可能性もあります。

一方、祖父が信じている「梅干しを食べれば熱中症にならない」という考え方も注意が必要です。

梅干しには塩分が含まれているため、汗をたくさんかいた際の塩分補給には役立ちます。しかし、梅干しそのものに熱中症を防ぐ特別な効果があるわけではありません。水分補給がおろそかになれば、梅干しを食べていても熱中症は起こります。

さらに、高血圧の治療中で塩分制限を意識している人の場合は話が別です。熱中症予防のつもりで塩分を積極的に摂り続けることが、かえって血圧管理の妨げになることもあります。

「経口補水液を飲んでいるから大丈夫」「梅干しを食べているから安心」。熱中症対策に必要なのは特定の食品や飲料ではなく、水分補給、室温管理、適度な休息といった基本的な対策を組み合わせることなのです。

「間違い」を指摘するより、一緒に見直すことが大切

親や祖父母の健康が気になると、「それはやりすぎだよ」「その方法は間違っているよ」と言いたくなることがあります。しかし、本人は健康のためを思って続けているため、正面から否定すると反発を招いてしまうことも少なくありません。

実際、私も祖母に「経口補水液を飲みすぎでは?」と伝えたことがあります。すると返ってきたのは、「でも熱中症になるほうが怖いから」という言葉でした。

話を聞くと、祖母は最近お手洗いの回数が増えて困っているとのこと。そこで、冷房の効いた室内で過ごす日はいつも通りお茶や水を中心にし、冷房をつけていても汗ばむ日や体調が優れない日、外出時には経口補水液を活用するなど、場面に応じて使い分けるよう提案しました。

また祖父には、「梅干しが悪いわけではないけれど、血圧のことも考えたいね」と話し、食べ過ぎに気をつけてもらうことに。あわせて、水分補給や室温管理も熱中症予防には欠かせないことを伝えました。

熱中症対策は、「経口補水液を飲む」「塩分を摂る」といった単純なものではありません。気温や活動量、持病の有無、生活環境によって必要な対策は変わります。

だからこそ、親世代や祖父母世代の熱中症対策に不安を感じたら、「やめさせる」のではなく、「今の生活に合っているかな?」と一緒に見直してみましょう。家族だからこそできる声かけが、無理のない熱中症予防につながるはずです。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。

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