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「こんな偶然ある?」引き出しのお札→実母から何年も前に渡されたものと同じ折れ目・赤い染みに背筋が凍った

  • 2026.5.14
「こんな偶然ある?」引き出しのお札→実母から何年も前に渡されたものと同じ折れ目・赤い染みに背筋が凍った

久しぶりに片づけた引き出しの中で

私はもともと整理整頓が得意ではない。引き出しの奥に何年分もの細かいものがたまっていても、なかなか手をつけられないでいた。領収書、使いかけのメモ帳、いつのものかわからないポイントカード。そういうものが何層にも重なって、見て見ぬふりをしていた。

ある休日、重い腰を上げてデスクの引き出しを片づけ始めたとき、いちばん奥の隙間から一枚のお札が出てきた。

くしゃくしゃに折れて、長い年月のあいだに色がくすんだ千円札だった。

(いつしまったんだろう)

記憶をたどっても、まったく思い出せない。引き出しにお金を入れた覚えもなかった。

広げてみると、お札の右上あたりに薄い赤みがかった染みがついていた。

インクのような、それとも何かが染み込んだような、小さな染み。折れ目も独特で、三角に折り込まれた跡が二ヶ所ほど残っていた。汚れているわけではなく、ただ使い古されたふうの、古い時間の匂いがするお札だった。

(見たことあるような気がする。)

なんとなく手の中に持ったまま、しばらく考えていた。そのとき、ふいに古い記憶が浮かび上がってきた。

「こんな偶然ある?」

数年前、実母が「いざというときのために持っていなさい」と言いながら、財布にお金を入れてくれたことがある。

珍しく感傷的な表情だったのが記憶に残っていた。そのときのお札にも、同じような赤い染みがついていた。折れ目もあった。独特の三角の跡が、二ヶ所。

(同じだ。)

手が止まった。記憶の中のお札と今手にしているお札を、何度も見比べた。

染みの位置。折れ目の形。くすんだ色合い。どこを見ても、まるで同じだった。

でも、そんなことはあり得ない。

実母にもらったお札はずっと財布に入れていたし、使ったのか失くしたのか、すでに手元にはない。この引き出しの中に入れた記憶もまったくなかった。

「こんな偶然ある?」

誰かに言いたくて、でも言葉にすると馬鹿みたいだと思って、一人でしばらくそのお札を持ったまま固まっていた。何年も前に別れを告げたはずのものが、ひっそりと手元に戻ってきたような、説明のつかない感覚。

偶然なのはわかっている。世の中には似たような染みや折れ目のお札はいくつもあるはずで、私がたまたまそこに気がついただけの話だ。

実母も今も元気で、何か不思議なことが起きたわけでもない。

それでも背筋がすっと冷えた。時間の流れの外側から、過去の記憶がそっと引き出しに忍び込んでいたような、説明のつかない感覚は今でも消えない。

あのお札は今でも、引き出しの中に大切にしまってある。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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