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「空いてる部屋あるだろ。今すぐ泊まれるようにしてくれ」予約なしで満室のホテルに押しかけた家族。だが、責任者の対応で状況が一変

  • 2026.8.5

満室のロビーに響いた声

昨年、海沿いの景色が評判のホテルに宿泊したときのことです。

チェックインの列で待っていると、少し前にいた家族連れが、フロントの女性に詰め寄っていました。

「空いてる部屋あるだろ。今すぐ泊まれるようにしてくれ」

声を荒らげていたのは、小学生くらいの子どもと、まだ幼い子どもを連れた父親でした。

隣にいた母親も、いら立った様子で口を挟みます。

「本当に一部屋も空いていないんですか。そんなことあります?」

会話を聞くかぎり、家族は予約をせずにホテルを訪れたようでした。

ところが、その日は連休中でした。

ロビーには大きな荷物を持った宿泊客が次々と到着し、チェックインの列も長く伸びています。

フロントの女性は、落ち着いた声で説明しました。

「申し訳ございません。本日はすべてのお部屋にご予約をいただいております」

しかし、父親は納得しません。

「そんなわけないだろ。急な客のために、一部屋くらい残してあるはずだ」

「子どももいるんですよ。ここから別のホテルを探せというんですか」

両親の声が大きくなるにつれ、子どもたちは不安そうに顔を見合わせていました。

並んでいた宿泊客も、気まずそうに視線をそらしています。

責任者が確認した結果

フロントの女性は言い返すことなく、もう一度謝罪しました。

「念のため、現在のお部屋の状況を責任者に確認いたします。少々お待ちいただけますでしょうか」

女性は家族をカウンターの端へ案内し、奥にいた責任者へ声をかけました。

数分後、スーツ姿の男性が現れます。

「お待たせいたしました。責任者の者です。改めて確認いたしましたが、本日は満室で、清掃中のお部屋やキャンセルが出たお部屋もございません」

父親は、まだ不満そうな表情を浮かべていました。

「でも、ここまで来たんだぞ。何とかするのがホテルの仕事だろ」

責任者は表情を変えず、静かに続けました。

「お部屋をご用意することはできません。ただ、近隣の宿泊施設でしたら、こちらで空室を確認することは可能です」

そして、周囲の宿泊施設に数件電話をかけてくれました。

しばらくして、一軒だけ車で二十分ほど離れたホテルに、空室があることが分かったのです。

「こちらのホテルでしたら、現在一室空いているとのことです。ただし、お部屋が埋まる可能性があるため、ご希望でしたら早めのご連絡をおすすめします」

責任者は、ホテルの名前と電話番号を書いた紙を差し出しました。

これ以上ここで交渉しても、部屋が用意されることはない。父親も、ようやく理解したようでした。

「……分かりました」

先ほどまでの勢いは消え、父親は紙を受け取ります。

母親も小さく頭を下げ、二人は子どもたちを連れてロビーを出ていきました。

家族が去ると、止まっていたチェックインの列が再び動き始めました。

私の順番が来ると、最初に対応していたフロントの女性は、何事もなかったかのように笑顔を見せます。

「お待たせして申し訳ございません。いらっしゃいませ」

無理な要求をきっぱりと断りながら、代わりの宿まで探す。

声を荒らげず、最後まで冷静に対応していた姿が、強く印象に残りました。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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