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「先に取っちゃえばいいよ」朝食バイキングで割り込みする客。だが、他の客の正論で状況が一変

  • 2026.8.5
「先に取っちゃえばいいよ」朝食バイキングで割り込みする客。だが、他の客の正論で状況が一変

朝食会場の行列で

夏の休みに、家族そろって山あいの温泉旅館へ一泊しました。

日ごろの忙しさを忘れ、みんなでのんびり過ごす、ささやかなごほうびの旅でした。

朝、楽しみにしていた朝食バイキングの会場へ向かうと、入り口にはもう列ができていました。

私たちの前には、五組ほどの宿泊客が静かに順番を待っています。

みんな、湯上がりのゆったりとした表情で、行儀よく順番を守って並んでいます。

私も家族と小声で今日の予定を話しながら、自分たちの番が来るのをのんびりと待っていました。

ところが、あとから来た家族連れが、その列の様子など目に入らないという風に、するりと前のほうへ入り込んだのです。

聞こえないふり

後ろに並んでいた男性が、遠慮がちに声をかけました。

「みんな、並んでるんですけど」

けれど、その家族はまるで聞こえないかのように、そちらを見ようともしません。

それどころか、連れの一人がこう言い放ちました。

「先に取っちゃえばいいよ」

そう言うなり、さも当然のように、大皿の料理へ次々と手を伸ばし始めます。

近くにいたスタッフもその場ではとくに注意をせず、周りで待つ人たちも、気まずそうに黙って見ているほかありませんでした。

順番を守って待っていた側が、なぜか損をしている。そんな理不尽さに、列全体が重たい空気に包まれていきました。

後ろの客の一言

その時でした。列のなかほどで待っていた年配の男性が、見かねたように一歩前へ出たのです。

その光景を、もう見過ごせなかったのでしょう。

声を荒げるでもなく、けれどはっきりとした口調で、その家族へ告げました。

「みなさん並んでいますよ。最後尾はあちらです」

凛とした一言に、会場の空気がふっと変わりました。割り込んだ家族は、ばつが悪そうに顔を見合わせています。

やがて、一人また一人と、ばらばらに列の最後尾へと歩いていきました。

あれほど重く気まずかった行列の空気が、その背中を見送るうちに、すっと晴れていくのが分かりました。

誰かが怒鳴ったわけでも、責め立てたわけでもありません。

並んでいる人たちのために、まっすぐな言葉が一つあっただけ。私は温かい気持ちで、その背中を見送りました。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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