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ドクター・フー元主演が「多様性バッシュ」を一蹴した理由

  • 2026.5.3

BBCの人気SF番組『ドクター・フー』で第12代ドクターを演じたピーター・カパルディが、近年のキャスティングをめぐる批判に反論した。初の女性ドクターとなったジョディ・ウィテカーと、初の黒人クィア俳優として主役を務めたンクティ・ガトワへの中傷に対し、元ドクターは「なぜそんなに真剣に受け止めるのかわからない」と率直に語った。(フロントロウ編集部)

「子どもの頃はただのモンスターショーだった」——カパルディの反論

米Varietyのインタビューで、カパルディは「番組は時代を反映しており、それは良いことだ」と語った。しかし同時に、「以前は部屋の隅にあるモンスターショーにすぎなかったのに、あまりに大きく重要になりすぎた」とも指摘し、ウィテカーやガトワへの批判が「行きすぎた多様性」として語られるたびに沸き起こるSNSの反発を、前任ドクターは冷静に突き放している。

じつは『ドクター・フー』は、1963年の放送開始当初から変化を繰り返してきた番組だ。主役が「再生」によって別の人格になる設定そのものが、どんな俳優がドクターを演じても物語が続く仕組みをシリーズに刻んでいる。性別や人種の壁を越えたキャスティングは、シリーズの本質を裏切るものではなく、むしろその哲学の延長線上にあるかもしれない。

初の女性ドクター・初の黒人クィアドクターが受けた中傷の実態

ジョディ・ウィテカーが2017年に初の女性ドクターに抜擢された際、SNS上では批判が噴出した。しかしその反応を上回る激しさで迎えられたのが、2022年のンクティ・ガトワ起用の発表だった。黒人でオープンにクィアな俳優としての起用に対し、人種差別的・同性愛嫌悪的な中傷が相次いだ。

米Deadlineの報道によると、ガトワは2シーズンを終えて降板——在任期間の短さは、シーズン1限りで去ったクリストファー・エクルストンに次ぐ記録だ。ガトワは「体力的にも精神的にも極めて過酷な役だった」と明かしつつ、復帰の可能性は否定しなかった。シーズンフィナーレでは、かつてコンパニオン「ローズ」を演じたビリー・パイパーが次のドクターとして登場した。

「Xはヘイトサイト」——ショーランナーも反論、番組の行方

ショーランナーのラッセル・T・デイヴィスも、オンラインの敵意ある声と本当のファンを明確に区別している。米Varietyの報道では、デイヴィスがX(旧Twitter)を「ヘイトが溢れやすい場所」と表現し、長年のファンによる建設的な意見とSNS上の中傷を同一視しないよう訴えた。

番組を取り巻く環境は、大きな転換期にある。Disney+とBBCの共同制作パートナーシップは2025年10月に解消され、今後は再びBBC単独での制作となる。次のエピソードは2026年クリスマスに放送予定とされている。1963年から60年以上にわたって愛され続けてきた番組が変化を恐れなかった理由——カパルディの言葉の奥に、その答えがあるかもしれない。

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