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ネトフリ“歴代最速”1位、世界的に大ヒット中の話題作「面白くないシーンがない」日本でも大反響の【Netflix配信ドラマ】

  • 2026.6.10

毒殺の刑に処された朝鮮王朝の側室が目を開けると、そこは自分が知る世界とはまったく違う現代の韓国だった…。Netflix非英語シリーズ部門で歴代最速の1位を獲得し、日本ランキングでも1位(2026年5月31日付)を記録した世界中で人気を博している韓国ドラマ『素晴らしき新世界』は、その昔の知識のまま現代へと転生してしまった女性が、たくましく成り上がっていくさまをコミカルに描いた一作だ。

ツンデレ御曹司との恋愛と立身出世の妙、時代ものと財閥もの、韓国ドラマが得意とする要素をこれでもかと詰め込んだ濃密な作りで、SNSでは「面白くないシーンがない、逆にビビる」といった声まで上がっている。

時代劇×財閥もの×シンデレラ×時を超えた愛の“全部のせ”

時は朝鮮時代。平民の出でありながら王の側室にまで上り詰めたカン・ダンシム(イム・ジヨン)は、宮廷の権力争いの結果、無実の罪で処刑され、毒殺の刑で命を落とす。しかし、再び目を開けたダンシムは、現代の無名女優シン・ソリ(イム・ジヨン)の身体に憑依していた。何が何だかわからず、状況を把握しようと動き回る中で、財閥3世のチャ・セゲが乗る車に轢かれそうになるダンシム。彼女を当たり屋と勘違いしたセゲ(ホ・ナムジュン)は、「治療費が必要なら」と名刺を渡してそっけない態度でその場を去っていく。

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(C) photoAC (※画像はイメージです)

その後、本来の自分が“稀代の悪女”として歴史に記録されていることにショックを受けたダンシムは、ソリとしてセゲを頼ることに。資本主義の怪物と世間で恐れられているセゲは、なにかと人の恨みを買っており、命を狙われることも。そんなセゲのピンチを、数々の暗殺をくぐり抜けてきたダンシムが、その経験を活かしてセゲの命を救う。しかし、セゲは犯人とグルなのではないかとダンシムを疑い、追い返してしまう。

ダンシムは、ソリの祖母・オクスンの愛情に触れ、現世で生き抜く決心をする。やがてネットで有名になったダンシムは通販番組で大活躍し、セゲは仕方なく彼女を新ブランドのモデルに起用することになる。

そんな中、セゲの従兄・ムンド(チャン・スンジョ)が現れた瞬間、ダンシムは絶句する。なぜなら彼の顔は、自分を死へと追いやった王そのものだったからだ。そして、セゲの顔もよく見れば、朝鮮王朝時代にダンシムと深い関係にあったチョンホン大君にそっくりだった。物語はここから一気に加速していく。

転生もの、時代劇、現代の財閥もの、シンデレラストーリーに時を超えた愛。要素を並べれば、いずれも韓国ドラマでよくあるネタだが、それらの全部のせでそれぞれの要素が際立っている。

また、朝鮮時代の価値観のままである主人公が、現代社会とのギャップに振り回される様子も滅法面白い。スマホ、通販、SNSなど、ダンシムが初めて触れる現代は、視聴者にとっては当たり前のものだが、彼女のフィルターを通すことで新鮮に感じられ、思わず笑ってしまうシーンが満載だ。

冷酷な資本主義の怪物と称されるセゲのツンデレぶりも好評で、ダンシムによって徐々に変わっていく彼の姿も注目だ。そこに財閥内部の権力争いが絡み、さらにセゲの前世にもダンシムとの関係があったことが示唆されるなど、物語はどんどん広がっていく。盛り込みすぎて散漫になりかねない題材を、ここまで破綻なく転がしていく手腕は見事という他ない。

イム・ジヨンのコメディエンヌぶりと、ホ・ナムジュンの“ギャップ萌え”

カン・ダンシム/シン・ソリを演じるイム・ジヨンは、復讐劇『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』(2022〜2023)の悪役パク・ヨンジンが当たり役となり、一躍国内外で有名となった女優だ。時代劇『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』(2024〜2025)では清廉な主人公クドク役を演じ好評だった。そんな彼女が今回は見事なコメディエンヌぶりを発揮。真面目に昔の側室の価値観のまま現代で行動するそのギャップで視聴者をおおいに笑わせてくれる。

気品ある佇まいから、現代の事物に驚いて目を輝かせたり困惑したり、多彩な表情を見せてくれる。今作は彼女のキャリアにおいても新たな代表作になりそうだ。
そして、本作で本格的なブレイクとなりそうなのが、チャ・セゲを演じるホ・ナムジュンだ。『YOUR HONOR~許されざる判事~』(2024)の悪役としてインパクトを残し、『100番の思い出』(2025)ではキム・ダミ(『梨泰院クラス』)の相手役を務めていたが、本作で本格的に人気に火が付いたようだ。

特に女性視聴者の注目を集めているのは、彼が見せるギャップだ。普段の傲岸不遜ぶりと、ソリのことが気になりすぎるあまりに振り回されてしまう間の抜けた表情。冷酷な財閥御曹司でありながらも、時折見せる無防備さに「かわいい」という声が続出している。

ふたりの掛け合いは、時代と価値観の差からくる衝突と歩み寄りの繰り返しで、回を追うごとに化学反応を増していく。ダンシムは現代を学び、セゲは人間らしさを取り戻していく。

転生という奇抜な設定から始まりながら、本作が描こうとしているのは“もう一度生きること”の意味なのかもしれない。一度死んだ女が、別の身体で、別の時代で、もう一度自分の人生を選び取っていく。その姿が滑稽でありながら胸を打つ。最後にダンシムがどんな“新世界”にたどり着くのか、目が離せない。


出典:ドラマ『素晴らしき新世界』Netflix

ライター:杉本穂高
映画ライター。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。X(旧Twitter):@Hotakasugi

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