1. トップ
  2. 恋愛
  3. 「the TRUE DIARY show」第8回:漫画家・冬野梅子

「the TRUE DIARY show」第8回:漫画家・冬野梅子

  • 2026.5.3
冬野梅子のイラスト

2月19日(木)

目覚めてからベッドに入ったまま2時間、結局昼までSNSを巡回した。うつ伏せでスマホをいじって無駄に目と腰を疲れさせた。今日はせっかく仕事がないのに。

アンナミラーズに行ってみようかな、と思ってたものの午後のロードショーの『エクスペンダブルズ3』を8割くらい見続けてしまった。往年のアクション映画好きの富豪が趣味でプロデュースした、みたいな出演者(スタローン、ジェイソン・ステイサム、アントニオ・バンデラスなど)である。

一作目の監督は主演もしているスタローンらしい。これにまだ若いグレン・パウエルが出てるのは、まさに青田買いでは。

夕方は用事があったので重い腰を上げて出かけ、夜は出先の赤坂で韓国冷麺を食べた。寝る前にエプスタインのドキュメンタリーを見て就寝。

2月20日(金)

だらだらしてたら出かけるのが2時近くになってしまった。なんとなくアンナミラーズに行ってみたけど3時には半分くらい売り切れていた。なんで行ったんだろう。

最近どこに行けば楽しいのかが分からない。きっと蔵前とか清澄白河、台東区のどこかが楽しいんだと思う。というか、好奇心と面倒くささで面倒が勝って行き慣れた町に行って少し退屈する、という中年らしい失敗をしている気がする。

中年の危機はいろんなことがめんどくさくなって不満を持つループにハマることなのかもしれない。夜はネームをやらないといけない。

2月21日(土)

いつもそうだけど、金曜日にネームをやり始めようと思っていても、金曜日は結局朝4時まで起きて何もしていない。今日も夕方からネームをやるつもりが30分ほど昼寝して夜中になってしまった。最近如実に血糖値の影響を感じる。

2月22日(日)

昨日もラーメンを食べたのに、昨日のラーメンがイマイチだったので別のラーメン屋に行った。だめだろ。2日続けてラーメンはなんかだめな気がする。

だらだらとネームをやるものの今日のノルマの2割もできなかった。脳は負担がかかることを回避しようとする、とどこかで聞いたことがあるが、ネームを描く作業を毎回毎回脳が拒否していて困る。

2月23日(月)

近所のカレー屋でビリヤニを食べた。あまりに多くて少し残してしまったが、この店のビリヤニを食べると1日お腹が空かないので晩御飯を作らずに済み、きっとネームに集中できる、という算段もある。

今日中にネームを終わらせたい。が、深夜の時点で半分もできていない。また朝までコースか。

2月24日(火)

結局朝6時までかかっても終わらず、一旦寝て昼に再開。月曜日中に終わらせたかったのに、ネームから逃げたくてエプスタインについて調べて時間を溶かしてしまったせいだ。午後にはどうにかネームを出せた。

背景を入れてもらった原稿をチェックしてこれも提出。そのあと確定申告を少しだけやって、夕方は用事があったので外出した。

外出ついでに居酒屋に寄って牡蠣(かき)や山菜の天ぷらを食べ、別の店に移動してパスタも食べた。ほとんど何も食べていなかったからといって食べ過ぎたので、軽くお腹が痛いまま寝た。

2月25日(水)

ネームを少し直してペン入れ。無事ペン入れに辿り着いて嬉しい。ここまでくれば7割終わったも同然という気分。ペン入れのいいところは時間さえあれば絶対に終わるという点。とにかくやれば終わる。とにかく描けば進む。

一方、ネームは終わりが見えないのでつらい。どれだけ座って考えようが、散歩しようがお茶を飲もうが関係ない。ネームを描く唯一の方法は「無理矢理描く」しか、まだ私は知らない。

最初は脳がネームを拒否しているが、この苦しみから逃れたいという気持ちが勝った時、そして締め切りまであとがないという状況、それが重なってやっと、とにかく描けば終わる。描けば終わる!終わらせる!というネームの苦しみから逃げたい欲だけで突き進む。今回も結局そうだった。

雨で出かけたくないけど予約していたジムに行って、少し仕事をして夜はトークイベントを見に行った。イベント前に何か食べようと、またラーメンを食べてしまった。帰ったら今日のノルマ分の残り2ページのペン入れを終わらせて就寝。

profile

冬野梅子(漫画家)

ふゆの・うめこ/2019年、「マッチングアプリで会った人だろ!」で「清野とおるエッセイ漫画大賞」期待賞を受賞。現在、日々の理不尽を内に秘め暮らす女性が社内の性被害問題をきっかけに変貌していく、『復讐が足りない』を連載中。

元記事で読む
の記事をもっとみる