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【ホラー】「うっま!」若者がハマる行列店で取材記者が見た“謎の肉”の正体…読者の心を食欲ごと凍らせるホラー漫画【作者に聞く】

  • 2026.4.14

最近SNSで話題を集めているテイクアウトショップがある。串に刺さった3つのミートボールに、「おにくの魔法、かけちゃうぞ」という軽やかなキャッチコピー。280円という手ごろな価格も相まって、若者を中心に人気を集めていた。しかし、その店には“ただの映えグルメ”では済まされない、不穏なうわさがあった。今回紹介するのは、三ノ輪ブン子(@minowabunko)さんが描くホラー漫画『ただのうわさです』第1話だ。

美味しい!ひと口でハマる“魔法の肉”に潜む違和感

物語は、ニュースサイトの記者バイトに受かった主人公が、話題の店を取材するところから始まる。「さあ、これであなたも魔法使い★」と渡された肉の串を口に運んだ瞬間、その味に思わず目を見開く。中からとろりと流れ出る赤いソースと、これまでにない新食感の肉。そのうまさは抗いがたく、思わず「うっま!」と声が漏れてしまうほどだ。

だが、あまりにもおいしすぎるものには、どこか裏がある。記者はその秘密を探ろうと取材を申し込むが、当然のように断られてしまう。それでも諦めきれず、店の周囲をうろつくうちに、偶然“見てはいけないもの”を知ってしまう。そこから物語は、一気に嫌な気配を濃くしていく。

1980年代の都市伝説はSNSの現代でどう変わる?

本作について三ノ輪さんは、「『ただのうわさです』は都市伝説を扱った連載漫画となります」と説明する。第1話の題材になっているのは、1980年代にまことしやかに語られていた“ファストフード店”をめぐる都市伝説だという。それを現代のSNS時代に置き換え、より身近で、より現実味のある恐怖として再構成した。

さらに、「漫画の最後に、その都市伝説についての解説も付けていますので、ぜひ読んでみてくださいね」ともコメント。読後に「うわさ」の背景まで知ることで、ただのフィクションでは終わらない後味の悪さがじわじわと残る構成になっている。

「メリーさんの電話」や「死体洗いのバイト」も現代版に

『ただのうわさです』では、このエピソード以外にも、「死体洗いのバイト」や「メリーさんの電話」「タクシーの幽霊」など、昔から語られてきた都市伝説が取り上げられているという。三ノ輪さんは「どれも現代版の都市伝説として描いており、短編読み切りでいろいろな話が登場するので各話で違う角度からお楽しみいただけるかなと思います」と話す。

聞いたことのある“あの話”が、スマホやSNS、現代の空気をまとって目の前に差し出される。その距離の近さこそが、このシリーズのいやらしい怖さでもある。昔話のように聞いていたはずの怪談が、いつの間にか「今、自分の生活圏でも起きそうな話」に変わっているのだ。

口にした“それ”の正体を知ったとき、もう遅い

作中で記者が知ってしまった秘密は、あまりにも最悪だった。直後に目にするのは、「ヤバー!おいしー!」と無邪気にミートボールを頬張る女の子たちの姿。そして自分の胃の中に入ってしまった“もの”を想像した瞬間、彼女はその場で吐き出してしまう。

この展開の怖さは、幽霊や怪物のようなわかりやすい恐怖ではない。自分が「おいしい」と感じてしまったこと、夢中で口にしてしまったこと、その事実ごと恐怖に変わってしまうところにある。おぞましいのに、どこか現実にありそうで、だからこそ逃げ場がない。

何気なく見かけた話題のグルメ、行列のできる人気店、SNSでバズっている“おいしいもの”。その裏側にあるかもしれない“うわさ”を思い出したくない人ほど、本作はきっと刺さるはずだ。

取材協力:三ノ輪ブン子(@minowabunko)

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