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「年収128万円に着地できそう」年末シフト調節した40代主婦→“扶養に収まった”はずが…数ヶ月後、健保から届いた“1通の通知”

  • 2026.5.17
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「今年も時給が上がったから、年末は少しシフトを減らさないと。なんとか年収128万円に着地できそう。これで今年も夫の扶養内にギリギリ収まったわ!」

スーパーでパートとして働く45歳の主婦。彼女にとって「130万円未満」は、社会保険料を払わずに済むための絶対の鉄則でした。

職場仲間と「働きすぎると損だよね」と笑い合いながら、綿密にシフト調整をしていたつもりでした。しかし、この「古い常識」が、数ヶ月後に悲劇を引き起こします。

突然の通知。「9万円」の遡及請求という悪夢

翌年の春、夫の健保組合から「昨年10月にさかのぼって扶養を削除した」との通知が届きました。さらにパート先からも、目を疑う請求書が渡されます。

「遡及加入の手続きを行いました。会社が立て替えた過去半年分の保険料、約9万円を一括で支払ってください」

「年収130万を超えていないのに、どうして!?」 慌てて確認すると、無慈悲な事実が告げられました。

「2024年10月の法改正で、月額賃金が8.8万円(年収換算約106万円)を超えた方は、従業員数51人以上の職場では強制加入になったんです。年金事務所の調査で未加入が発覚したため、遡って徴収せざるを得ません」

せっかくシフトを削ってまで守ったはずの家計から、一気に約9万円もの現金が強制的に奪い取られるという事態になったのです。

なぜ「130万円の壁」は壊れたのか?

「130万円未満なら絶対に扶養」という常識は、すでに過去のものです。

現在、以下の4条件を満たすと、本人の意思に関わらず社会保険への加入が義務化されています。

  1. 週の所定労働時間が20時間以上
  2. 月額賃金が8.8万円以上(基本給など。残業代・交通費は含まず)
  3. 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
  4. 学生ではない

さらに注目すべきは、現在厚生労働省の部会で議論されているさらなる制度改正の動きです。

早ければ2026年10月にも、現在「51人以上」とされている企業規模の要件や、月額8.8万円という賃金要件そのものを撤廃しようという検討が本格化しています。これが実現すれば、「週20時間以上」働く短時間労働者のほぼすべてが、年収に関わらず社会保険の対象となる可能性があります。

制度改正を知って、正しく対策

今の時代、制度改正を知らないことは、ダイレクトに「家計への損失」に直結します。

もはや「壁」を考慮して、働き方をセーブし続けることは不可能な段階に入っています。

まずは今の自分の「雇用契約上の労働時間」と「月額賃金」を正確に把握してください。そして、制度改正を見据え、壁を気にして手取りを減らすのではなく、壁を大きく超えて「自分の力で社会保険料を払ってもお釣りがくるくらい稼ぐ」方向にシフトチェンジしていくことこそが、最も賢い家計防衛術なのです。


※社会保険の加入要件や扶養の判定基準は、職場の規模や契約内容、健康保険組合の規定によって細かく異なります。自身の具体的な状況については、勤務先の総務担当者や夫の勤務先の健保組合へ必ず確認してください。

執筆・監修:金融の毒出し先生

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