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母の葬儀で150万の出費→『受け取ったお金だから使っていい』母の年金で支払おうとするが…後日、50代息子が知った“衝撃の事実”

  • 2026.6.14
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、家計・資産形成・相続など、お金に関するご相談をお受けしている、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

親が亡くなったあと、通帳に年金の入金を見つけると、少し安心する方もいるでしょう。「親に支払われた年金だから、葬儀費用に使っても問題ない」と考えるかもしれません。

しかし、死亡後に入った年金は、すぐに自由なお金と判断できません。年金は、あとから支払われる仕組みです。そのため、本人が亡くなったあとに、口座へ振り込まれることがあります。

大切なのは、入金日ではありません。その年金が、何月分として支払われたものかです。亡くなった月までの年金で、本人がまだ受け取っていなかったものは、一定の遺族が未支給年金として請求できる場合があります。

一方で、手続きが遅れ、本来は受け取れない分まで入っていれば、あとから返還を求められることがあります。

母の口座に入った18万円…安心した後に気づいた確認不足

事例の50代男性会社員のAさんは、80代の母を亡くしました。

母は一人暮らしで、老齢年金を受け取っていました。年金額は月9万円ほどです。振込月には、2か月分として約18万円が母名義の口座に入っていました。

母が亡くなったのは5月下旬です。葬儀費用に約120万円、法要や親族対応に約20万円、病院への支払いに約8万円がかかりました。Aさんは、1か月ほどで150万円近い出費を抱えます。

そのような中、6月に母の通帳を確認すると、年金として約18万円が入っていました。Aさんは「母が受け取るはずだったお金だろう」と思い、支払いの一部に充てられると考えました。

ところが、年金の手続きを調べるうちに、死亡後の入金には確認が必要だと分かったそうです。5月分までであれば、未支給年金として請求できる可能性があります。一方、手続きが遅れ、次の支給で本来受け取れない分が入ると、返還が必要になる場合があります。

Aさんが最初に見るべきだったのは、入金額ではありません。「その18万円が何月分なのか」という点でした。

※なお、この事例は説明のための一例です。実際の年金額や支給状況は、各ケースによって異なります。

死亡後の入金は「全部使える」とも「全部返す」とも限らない

公的年金は、通常、偶数月に支払われます。その際、前の2か月分がまとめて入金されます。たとえば、6月の支給であれば、一般的には4月分と5月分です。そのため、5月下旬に亡くなった人の口座へ6月に年金が入っても、それだけで全額返還とはなりません。4月分と5月分であれば、亡くなった月までの年金にあたるためです。

このような、本人が生前に受け取れなかった年金は、一定の遺族が未支給年金として請求できる場合があります。

ただし、死亡後の入金をすべて同じ扱いにするのは危険です。手続きが遅れ、亡くなった月を超える分まで支払われた場合、その部分は本来受け取れない年金として扱われます。

Aさんの母の年金を月9万円とすると、1か月分が多く入れば、後日9万円の返還を求められる可能性があります。つまり、死亡後の年金は、単純に判断できません。

「入金されたから使える」「死亡後だからすべて返す」と、決めつけないようにしましょう。まず確認すべきなのは、支給対象となった月です。

未支給年金を請求できるのは、亡くなった人と生計を同じくしていた遺族です。対象には、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、その他3親等内の親族が含まれます。別居していた子どもが請求する場合は、生計を同じくしていたかを確認されることがあります。

また、日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合、年金受給権者死亡届は原則として省略できます。ただし、未支給年金を受け取るには、別途、必要書類をそろえて請求する必要があります。

返還通知を避けるための備え

死亡後の年金は、通帳残高だけで判断しないことが重要です。月9万円でも、2か月分なら18万円です。

葬儀や医療費の支払いが続く時期には、ありがたい入金に見えるかもしれません。しかし、その中に本来受け取れない分が含まれていれば、後から返還が必要になる可能性があります。

家族が確認したいのは、親が受け取っていた年金の種類、振込先、振込月、対象月、未支給年金を請求できる人、返還が必要な金額の有無です。

生前から、年金証書や年金振込通知書の保管場所を共有しておくと、死亡後の確認が進めやすくなります。親の通帳に年金が入っていると、安心したくなるものです。しかし、死亡後の年金は、入金の有無だけでは判断できません。まずは「何月分の年金なのか」を確認すること。これが、返還通知や手続きの混乱を防ぐための大切な一歩です。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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