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借金100万円を完済した30代男性→住宅ローンの審査を申し込むも大誤算…カード会社から突きつけられた“想定外の罰”

  • 2026.5.13
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

過去に多重債務を経験した、現役商社勤務兼Webライターのたるみくまおです。

ローンの審査に落ちた、クレジットカードの申し込みが通らなかった。そんな経験をお持ちの方は、そんな経験をお持ちの方は少なくないかもしれません。

金融機関は、個人のお金の使い方や返済履歴を「信用情報機関」に記録しています。長期の延滞や債務整理などの記録が載ることを、業界用語で「異動(いどう)」と呼びます。

筆者自身、かつて総額100万円ほどの多重債務に苦しみ、完済してからもなお、この「異動」と向き合い続けた5年間がありました。そこにあったのはお金の話というよりも、社会から認められていないという静かな劣等感だったように思います。

完済した直後に突きつけられた「否決」の二文字

100万円の借金を完済して間もない頃、30代半ばだった筆者は「完済したから大丈夫」と思い切って住宅ローンの仮審査を申し込んでみました。

しかし、返ってきたのは「否決」の連絡。

驚きはありませんでした。借金を抱える前から、携帯料金の滞納や回線停止は当たり前のように繰り返していたのです。自分の金銭感覚がずっとその水準で動いていた以上、金融機関から見て信用に値しない人間として映っていて当然だろう、と妙に納得してしまったことを覚えています。

持ち家の夢は、早々にあきらめました。妻に「家のことは、もう少し先になりそうだ」と伝えたときの、あの息苦しさ。落ち込んだというより、自分のせいで家族の選択肢を一つ奪ってしまった、という自責の念が胸に残っています。

妻の後ろに隠れて、小さくなっていた日々

それからの5年間は、社会的な「不自由さ」を実感する毎日でした。

クレジットカードが作れないため、家電の買い替えでも分割払いが選べません。ネット通販のカード決済は妻の名義。家族で大きな買い物をするたび、自分は妻の後ろに隠れて小さくなっているような感覚が続いたのです。社会の一員として、きちんと立てていない。そんな自覚が、日々静かに積み重なっていきました。

信用情報に載った「異動」の記録は、完済した日から5年が経たないと、自動では消えない仕組みになっています。 延滞を解消した日ではなく、あくまで「完済(契約終了)」が起算点。借金が残り続けている限り、その時計の針は進まないのです。

完済からおよそ5年。ダメもとで1枚のクレジットカードを申し込んでみました。数日後、ポストに届いたのは審査通過の通知。

その瞬間、社会にもう一度自分の居場所を認めてもらえたような気がして、ようやく胸を張って人と向き合える感覚を取り戻しました。

信用情報と向き合うために知っておきたいこと

もし、過去の延滞などで不安を感じているなら、まずは現状を正しく知ることが第一歩です。

  1. 3つの機関を確認する: 日本には「CIC」「JICC」「KSC(全国銀行個人信用情報センター)」という3つの機関があります。それぞれオンラインや郵送で「自分の情報」を開示請求(本人開示)することが可能です。
  2. 「完済」がスタートライン: 延滞の記録は「延滞を解消してから5年」ではなく、多くの場合「解約・完済してから5年」残ります。まずは完済を目指すことが、情報のクリーンアップへの最短ルートです。
  3. クレジットカードは一枚ずつ: 審査に落ちた直後に何枚も申し込むと「申し込みブラック」と呼ばれる状態になり、さらに審査が厳しくなることがあります。期間をあけて慎重に動くことが大切です。

「信用情報の傷」は、確かに重く、長い時間を必要とします。しかし、5年は確かに長いけれど、正しい返済を続けていれば、終わる日は必ずやってきます。

今、かつての私と同じような劣等感の中にいる方がいたら、自分を責めすぎないでください。まずは今の自分にできる返済を一つずつ積み重ねること。その誠実な積み重ねこそが、5年後の新しい自分を支える「本当の信用」になるはずです。


参考資料:

CICに登録されている信用情報は、どれくらいの期間登録されているのですか?(CIC)
登録内容と登録期間(JICC)
全国銀行個人信用情報センター(全国銀行協会)

ライター:たるみくまお
リユース業界での買取窓口業務を経て、現在は技術商社に勤務する現役ビジネスマン兼Webライター。古物商許可証を保有し、ブランド品・高級時計の査定現場で数多くのお客様と向き合ってきた経験を持つ。現職では技術商社の最前線に身を置き、ITをはじめとする幅広い分野の知見を日々積み重ねている。また、過去に借金を抱えた経験から、マネーリテラシーの重要性を痛感し、現在も金融知識の習得を続けている。二次流通市場の裏側から、お金のリアルな話まで、現場で得た実体験をもとに等身大の言葉で発信中。

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