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4,000万の新築一戸建てを購入→担当者の提案で“ボーナス払い”を選択…7年後、30代夫婦に届いた“1通の書面”に青ざめたワケ

  • 2026.6.3
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「予算オーバーだけど、この4,000万円のマイホームはどうしても諦めたくないな……」

30代の会社員夫婦。新築一戸建ての購入を前に、毎月のローン返済額をどう抑えるか頭を悩ませていました。そこで、不動産屋の営業マンからこう提案されます。

「それなら、ボーナス払いを併用しましょう!毎月の返済は今のアパートの家賃より安い『8万円』に抑えて、残りは夏と冬のボーナス月に30万円ずつ支払う形にすれば、無理なくゆとりを持った生活ができますよ」

「毎月の給料から10万円以上引かれるのはキツいけど、ボーナスならまとまって入るから余裕だね。これなら賢くマイホームが手に入る!」これは、家族の幸せと家計の安定を考えた、良かれと思った行動でした。しかしこの瞬間、彼らは7年後に家計を破綻させる「致命的なリスク」を自ら抱え込んでしまったのです。

半年後の我が家に届いた『3,200万円一括返済』の督促状

ローンを組んで7年後。

夫婦には子供も生まれ、教育費や食費で毎月の家計はギリギリの自転車操業になっていました。

そこへ、追い打ちをかけるような大打撃が襲います。夫の会社の業績が急激に悪化し、あてにしていた冬のボーナスが「一律支給ゼロ」になってしまったのです。

ボーナス月に口座から引き落とされる金額は、いつもの8万円にボーナス加算の30万円を足した「計38万円」。口座の残高は完全にショートし、引き落としはかかりませんでした。

「次のボーナスや、毎月の給料から少しずつ削って穴埋めすれば大丈夫だろう……」

そんな見通しは、すぐに打ち砕かれます。毎月の8万円を返すのが精一杯で、遅れた30万円の穴埋めなんてできるはずがありません。銀行からの電話や催促の手紙を、恐怖から無視し続けてしまった夫婦。

そして滞納が始まってから半年が経った頃、保証会社から、それまでの督促状とは明らかに色の違う、1通の書面が届きます。そこには、目を疑うような文面が印字されていました。

『貴殿はローンの返済を長期間怠ったため、本日をもって「期限の利益」を喪失しました。つきましては、当社会社が銀行へ代位弁済いたしましたので、住宅ローンの残金約3,200万円と遅延損害金を含め、指定期日までの一括返済を請求いたします』

「期限の利益の喪失」は、分割で返済してもいいという権利を失ったという、銀行からの最終宣告です。3,200万円という大金を今すぐ一括で払えるわけがありません。

子供と一生暮らすはずだったマイホームは、「競売」にかけられ、強制的に手放さざるを得ないという結末を迎えてしまいました。

なぜボーナス払いが提案されやすいのか

なぜ、これほどリスクの高い「ボーナス払い」が、購入現場では頻繁に提案されるのでしょうか。信金や共済の現場で15年、数え切れないほどの融資や家計のリアルを見てきた私から、その構造的な背景をお話しします。

売り手側の心理として、「目の前の契約をスムーズに成立させたい」という思いが働きやすいのは事実です。

「毎月の返済が12万円です」と言うと、顧客は「高すぎて買えない」と諦めてしまうかもしれません。だから、ボーナス払いという仕組みを使って「毎月8万円(今の家賃並み)ですよ!」と見せることで、購入への心理的ハードルを下げようとするケースがあるのです。

しかし、金融の実務を知る人間から言わせれば、「会社のボーナス」なんて景気や業績次第で一瞬で変動する、不確定なものです。何十年先まで満額支給される保証はどこにもありません。そんな不安定な要素を、人生で一番大きな買い物の「固定の返済計画」に組み込んでしまうのは、非常に危うい選択と言わざるを得ません。

ローンは「毎月の給料だけ」で返すべき

住宅ローンを組むときの鉄則は、ボーナス払いは原則『なし』にする。毎月の給料の手取り額だけで、余裕を持って返せる金額しか借りない、これだけです。

もし、どうしてもボーナス払いを併用しないと買えないような物件なら、それはそもそも「今の家計に合っていない家」である可能性が高いのです。

「ボーナスが出たら貯蓄に回し、余裕があるときに繰り上げ返済に使う」というスタンスなら正解ですが、あらかじめ毎年の返済スケジュールに組み込んでしまうのはリスクしかありません。

「毎月の支払いが安くなりますよ」という目先の数字に惑わされず、最悪のシナリオを常に想定して、したたかに家計を守ること。これこそが、15年現場を見てきた私からお伝えしたい、本当のマイホーム防衛術です。

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