1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 母の死後、相続税を申告した50代息子→「問題なく受理された」と思いきや…3年後、税務署から届いた“600万の通知”に絶句。

母の死後、相続税を申告した50代息子→「問題なく受理された」と思いきや…3年後、税務署から届いた“600万の通知”に絶句。

  • 2026.6.3
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、お母さまの相続で税理士に依頼して相続税を申告・納付し、「これで一段落」と感じていらした50代Tさんの体験談です。3年後に税務署から税務調査の連絡が入り、申告漏れ財産1,800万円を指摘され、追徴課税600万円を求められた経緯をご紹介します。

「税理士に頼んだから大丈夫」と思っていた

Tさんは50代男性の会社員。70代のお母さまを病気で亡くされ、ご兄弟と相続手続きを進められました。

相続税の申告は、不慣れな手続きが続くため税理士に依頼。提示された財産目録に沿って申告期限の10か月以内に申告と納税を済まされたといいます。

「税理士の先生にお願いしましたし、書類も問題なく受理されました。これで終わったと思っていました」

それから3年近くが経ち、税務署から「相続税についてのお尋ね」という文書が届きました。申告内容に確認したい点があるときなどに送られてくる、税務署からの問い合わせです。

「税務調査というものを意識したことがなく、最初は何かの確認だろうと気軽に考えていたんです」

このお尋ねへの回答を進めるなかで、後日、税務署による実地の税務調査に発展し、申告内容が詳しく確認されることになりました。

申告漏れ財産1,800万円を指摘された3つの項目

実地の税務調査で指摘されたのは、合計で1,800万円規模の申告漏れ財産でした。

一つ目は、お母さまが知人へ貸し付けていた「貸付金」。請求書のような書面は残っていなかったものの、通帳に「同額のお金の動きと利息相当の入金」が継続的にあり、金銭消費貸借として認定されました。

二つ目は、お父さまが生前にご契約された「生命保険の契約者地位」。お父さまが先にお亡くなりになった際にお母さまが契約者を引き継いだまま放置されていて、お母さまが亡くなったタイミングでも相続財産として申告漏れになっていました。

三つ目は、お母さまが海外口座で保有していた「外貨建ての金融資産」。日本国内の取引明細には現れず、当初の財産目録に載っていなかった項目でした。

「税理士の先生が悪いというより、私たち家族側でこれらの情報を共有できていなかったというのが正直なところでした」

「追徴課税600万円」本税+過少申告加算税+延滞税

申告漏れ財産1,800万円について再計算された本税に加えて、過少申告加算税と延滞税が課されました。

過少申告加算税は、追加で納めることになった税額の10〜15%程度が課される税金です。悪質な隠ぺいと認定された場合の重加算税は、期限内に申告した上での過少申告に対するものが35%、期限後も申告していなかった場合に対するものが40%とさらに重くなります。Tさんのケースは隠ぺいの意図は認められなかったものの、過少申告加算税は適用されました。延滞税も法定納期限から計算されるため、3年近い期間の延滞税が請求されました。

Tさんのご家族は元の遺産規模が比較的大きく、相続税の税率が高い区分になっていました。合算された追徴課税は約600万円。

「相続税は申告と納付で終わりだと思い込んでいました。3年経って請求されるなんて、想像していませんでした」

Tさんはそう振り返ります。

申告期限の10か月以内に「財産の確認」を

これから相続を控えている方は、特に以下の二つを確認してください。

一つ目は、税理士に依頼する場合でも、ご家族側で「故人の財産の確認」を行うこと。通帳の入出金、生命保険の契約者・受取人、海外資産の有無を、申告期限の10か月以内に整理しておかれることをおすすめします。

二つ目は、申告後にも「申告漏れになりやすい項目」を再確認しておくこと。貸付金、生命保険の契約者地位、海外資産は税務調査で特に指摘されやすい代表例とされています。

相続税の申告は提出して終わりではなく、後年の調査まで含めて完結するものです。後悔しないように、まずはご家族で相続について話し合うことから始めてみてください。

の記事をもっとみる