1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 台風で“雨どい”が破損→「保険を使うと面倒」15万円で自費修理するが…1年後、50代夫婦を待ち受けていた“想定外の事実”

台風で“雨どい”が破損→「保険を使うと面倒」15万円で自費修理するが…1年後、50代夫婦を待ち受けていた“想定外の事実”

  • 2026.6.3
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計や保険のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、台風で雨どいが破損し屋根材も一部めくれたものの、「保険を使うと面倒だし、等級も気になる」と自費で15万円かけて修理した50代戸建て夫婦Jさんの体験談です。後から、火災保険の補償対象だったかもしれないと知った驚きをご紹介します。

「保険を使うほどの被害じゃない」と判断

Jさんは50代後半の会社員。奥さまと独立されたお子さん2人の4人家族で、ご夫婦は20年ほど前に建てた戸建てに住んでおられます。

ある秋、近隣を通過した台風で、ご自宅の雨どいが破損し、屋根材も一部めくれてしまいました。窓ガラスが割れるような大きな被害ではなく、雨漏りも今のところありません。

「保険を使うほどの被害ではないし、保険を使うと等級が下がって翌年の保険料が上がる気がする。それなら自分たちで直した方が早い」

Jさんご夫婦は地元の工務店に見積もりを依頼。雨どいの交換と屋根材の補修で約15万円の見積もりが出て、預貯金から支払い、工事は1週間ほどで完了したそうです。

1年後、近所の方との立ち話で気づいた事実

事態が動いたのは、それから1年ほど経った頃でした。

回覧板を渡しに来た近所の方が、世間話の中でこう話されたそうです。

「去年の台風で、うちも雨どいがやられたんですが、火災保険の風災補償で見てもらえました。築20年の戸建てでも対象になるんですよ」

Jさんは思わず聞き返したといいます。「保険を使ったから、翌年の保険料は上がりましたか?」

「いえ、火災保険は自動車保険と違って、請求しても保険料が上がる仕組みではないと、保険会社の方が説明してくださいました。等級制度もありませんし、必要なときには使ってよいんだそうです」

その夜のうちに、Jさんは加入していた火災保険の証券を引っ張り出して読み込んだそうです。「補償の対象に『風災・雪災・水災』としっかり書いてありました。雨どいの破損も屋根材の損傷も、台風被害なら本来は風災補償の対象だったかもしれない、ということが分かったんです」

保険会社に電話して、初めて知った「時効」の考え方

Jさんは週末に保険会社のお客様センターに電話を入れました。

「保険金請求権の時効は、原則として3年とされています。1年前の台風被害でしたら、被害の発生日や原因、修理内容などを示す資料があれば、これから請求のご相談に乗ることが可能です」

工務店からもらった見積書と請求書、台風当日にスマートフォンで撮った写真、屋根の修理後の写真などをかき集めて保険会社に提出。鑑定人による調査を経て、結果的に風災として保険金の一部を受け取ることができたそうです。

ただし、修理時にあわせて行った経年劣化部分の補修や、写真が不足していた部分は補償対象外と判断され、支払い額は修理費15万円のすべてではなく、その一部にとどまりました。

「保険は使わないのが正解」とは限らない

火災保険は風災・雪災・水災といった自然災害補償を含む商品が一般的です。請求しても保険料は上がらない設計が多く、自動車保険とは仕組みが異なります。

これからご自宅に被害があった際は、まず「火災保険の対象かもしれない」と保険会社のお客様センターに連絡してみてください。発生日・原因・場所が分かる写真や見積書を残しておけば、後日の請求もスムーズです。

すでに自費で修理された方も、被害から原則3年以内なら請求の相談ができるケースがあります。なお火災保険の補償内容や自己負担額の有無は契約商品ごとに異なり、古い契約には「フランチャイズ条項」(一定額未満の損害は対象外)があるケースもあるため、ご自身の契約は約款と証券でご確認ください。

毎年の保険料をお支払いになっている以上、必要な時は請求する。契約内容の把握が家計を守ることにつながります。


※火災保険の補償範囲や「免責金額(自己負担額)」の設定は、ご契約の保険会社やプランによって異なります。すべての台風被害で一律に保険金が支払われるわけではありません。
※「火災保険を使って無料で修理できる」と勧誘し、高額な解約手数料を請求する悪質な住宅修理業者のトラブルが多発しています。保険金の請求は、必ずご自身で直接保険会社または代理店へご相談ください。

の記事をもっとみる