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「老後資金になる」“生命保険金2,000万”を用意した夫→死後、60代妻が確認すると…保険会社が明かした“予想外の事実”に絶句

  • 2026.6.4
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。

生命保険は、万が一のときに家族を支える大切な備えです。しかし、保険金額だけを見て安心するのは危険です。契約者、被保険者、受取人の関係によって、死亡保険金にかかる税金は変わります。

また、受取人の設定を見直していないと、「家族のために残したはずのお金」が想定と違う人に渡ることもあります。今回は、生命保険金2,000万円を老後資金として準備していた夫婦が、受取人の設定ミスで困惑した事例を見ていきます。

「妻の生活費のはず」が長男の口座へ

60代のAさん夫婦は、老後資金として預貯金2,500万円、自宅評価額3,000万円、生命保険金2,000万円を準備していました。

夫は65歳で退職し、夫婦の年金収入は月約24万円でした。

一方で、生活費は月約25万円、固定資産税や医療費などの予備費は年間50万円ほど見込んでいました。夫婦は「年金だけでは少し不安だが、生命保険金2,000万円があれば妻の老後資金になる」と考えていたのです。

夫は会社員時代に生命保険へ加入し、保険料は月1万8,000円ほどを夫自身が支払っていました。夫婦の認識では、夫に万が一のことがあれば、死亡保険金2,000万円は妻の生活費や介護費に使う予定でした。

ところが、夫の死亡後に保険会社へ確認すると、受取人は妻ではなく長男のままでした。この保険は、長男が生まれた頃に加入した古い契約です。

夫婦は「受取人は妻に変更済み」と思い込んでいましたが、実際には手続きがされていませんでした。長男は「契約上の受取人は自分」と考えます。一方、妻は「毎月の生活費の不足分や、将来の介護費に使うはずだった」と困惑しました。

仮に妻の生活費が年金だけで月1万円不足すると、10年で120万円不足します。さらに介護費や医療費が増えれば、2,000万円の保険金は大きな支えになるはずでした。

死亡保険金は、判例上、原則として受取人固有の財産と考えられています。そのため、通常は遺産分割協議の対象になりません。

※金額や相続全体の状況によっては、相続人間で問題になることもあります。一方で、税務上はみなし相続財産として、相続税の計算に含まれる場合があります。

今回のように、夫が保険料を払い、夫自身が被保険者である場合、死亡保険金は相続税の課税対象に含まれます。法定相続人が妻と子ども2人の計3人なら、死亡保険金の非課税枠は500万円×3人=1,500万円です。死亡保険金2,000万円のうち、他に死亡保険金がない前提では、500万円が相続税の課税価格に含まれる可能性があります。

※ただし、実際に相続税がかかるかは、預貯金や不動産、債務、基礎控除などを合わせて判断します。

今回の問題は、「長男が受け取ったから非課税枠が使えない」ということではありません。長男は法定相続人なので、非課税枠の対象になり得ます。

本当の落とし穴は、妻の生活資金として残すはずだった保険金が、契約上は長男に支払われる形になっていたことです。

2,000万円の保険金、税金は契約の形で変わる

死亡保険金では、保険料負担者、被保険者、受取人の関係が重要です。

たとえば、夫が保険料を払い、夫が被保険者で、妻や子どもが受け取る場合は、原則として相続税の課税対象に含まれます。妻が保険料を払い、夫が被保険者で、妻が受け取る場合は、所得税・住民税の対象になることがあります。妻が保険料を払い、夫が被保険者で、子どもが受け取る場合は、贈与税の対象になることがあります。同じ2,000万円でも、契約の形で税金の種類が変わるのです。

また、死亡保険金の非課税枠は、相続人が受け取った場合に使えます。相続人以外が受け取った死亡保険金には、原則としてこの非課税枠は使えません。内縁の配偶者や孫が受取人の場合、通常は法定相続人ではないため注意が必要です。

※孫が代襲相続人になる場合などは扱いが変わります。

保険を“入ったまま”にしないコツ

生命保険は、入ったまま放置しないことが大切です。結婚、出産、住宅購入、退職、子どもの独立など、家族の状況が変わるたびに確認しましょう。

見るべき点は、保険金額だけではありません。契約者、被保険者、受取人、保険料を誰が払っているかまで確認する必要があります。死亡保険金は、葬儀費用、生活費、納税資金として役立ちます。しかし、設定を誤ると、家族の生活設計や信頼関係に影響します。

「誰に、何のために、いくら残すのか」を明確にすることが、生命保険を使った相続対策の基本です。安心のために入った保険が争いの原因にならないよう、受取人の確認を後回しにしないことが大切です。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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