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「去年と同じ金額で問題ない」ふるさと納税で“7万円”寄付→翌年6月、40代男性が住民税通知を見て“驚いたワケ”【お金のプロが解説】

  • 2026.6.2
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。

ふるさと納税は、返礼品を受け取りながら所得税や翌年度の個人住民税の控除を受けられる制度として、多くの人に利用されています。毎年同じように寄附している人の中には、「去年と同じ金額なら今年も大丈夫」と考えている方もいるかもしれません。

しかし、ふるさと納税の控除上限は毎年同じとは限りません。年収、家族構成、医療費控除や住宅ローン控除などの状況によって変わります。

特に、転職、育休、時短勤務、退職などで年収が下がった年は注意が必要です。前年と同じ感覚で寄附をすると、翌年の住民税通知を見て「思ったほど控除されていない」と気づくことがあります。

今回は、年収の変動によってふるさと納税の控除上限が変わり、想定外の負担につながった事例をもとに、寄附前に確認したいポイントを解説します。

「去年と同じ寄附額」で起きた住民税の誤算

ふるさと納税は、自治体に寄附をすると、一定の限度額まで所得税や翌年度の個人住民税から控除される仕組みです。控除上限内であれば、寄附額から2,000円を差し引いた分について、所得税や翌年度の住民税で控除を受けられます。

ただし、この控除上限は毎年同じではありません。年収が変われば、所得税や住民税の金額も変わります。

その結果、ふるさと納税で控除できる金額も変わることがあります。

前年と同じ7万円を寄附した40代会社員のケース

40代男性会社員のAさんは、当時の前年の年収が約650万円でした。

配偶者はパート勤務で、子どもは中学生1人です。前年はふるさと納税を7万円行い、返礼品として米、肉、日用品などを選んだそうです。翌年の住民税通知を見ても大きな違和感はなく、「7万円くらいなら自分は大丈夫」と考えていました。そこでAさんは、今年も同じように7万円を寄附しました。

ところが、その年は転職の影響で賞与が減り、年収は約520万円まで下がりました。さらに、家族の通院が重なり、年間の医療費が約35万円になりました。

Aさんは医療費控除も受ける予定でした。本人としては、「医療費控除も使う予定だし、ふるさと納税の控除も受けられるだろう」と考えていたそうです。

しかし、翌年6月に届いた住民税決定通知書を見ると、想定していたほど住民税が下がっていません。確認すると、前年より年収が約130万円下がったことで、ふるさと納税の控除上限も下がっていました。さらに、医療費控除によって課税所得や住民税の所得割額が変わり、ふるさと納税の控除上限に影響していた可能性もありました。

Aさんは「去年と同じ金額なら問題ない」と思っていました。しかし実際には、その年の収入や控除の状況に合わせて、寄附額を見直す必要があったのです。

上限額は「去年」ではなく「寄附した年」で決まる

ふるさと納税の注意点は、上限額を「前年の実績」ではなく、「寄附した年の所得見込み」で考える必要がある点です。

前年の年収が650万円でも、今年の年収が520万円になるなら、前年と同じ寄附額が適切とは限りません。転職で賞与が減った年、育休で給与が少ない年、時短勤務に切り替えた年、退職して無収入期間がある年は特に注意が必要です。

また、医療費控除や住宅ローン控除など、ほかの控除を受ける場合も確認が必要です。これらの控除によって所得税や住民税の計算が変わるため、ふるさと納税の控除上限に影響することがあります。

住宅ローン控除とふるさと納税は併用できます。ただし、住宅ローン控除1年目などで確定申告をする場合は、ワンストップ特例の申請をしていても、ふるさと納税分を確定申告に含める必要があります。

また、所得税や住民税の金額によって、最終的な控除のされ方が変わることがあります。そのため、「併用できるから必ず満額控除される」と考えるのは危険です。

ワンストップ特例でも上限超えは防げない

ワンストップ特例は、条件を満たせば確定申告をしなくても、本来所得税から控除される分も含め、翌年度の住民税からまとめて控除を受けられる仕組みです。

ただし、ワンストップ特例を使えば必ず安心、というわけではありません。控除上限を超えた寄附をした場合、その超えた部分まで自己負担2,000円で済むわけではありません。ワンストップ特例は、上限額そのものを増やす制度ではないからです。

また、医療費控除を受けるために確定申告をする場合は、ワンストップ特例の申請をしていても、そのままでは完結しません。確定申告をするなら、ふるさと納税分もあわせて申告する必要があります。申告を忘れると、本来受けられるはずの控除が反映されない可能性があります。

FPが見る「寄附前に確認すべき落とし穴」

ふるさと納税は、返礼品を選ぶ前に上限額を確認することが大切です。特に年収が変わる年は、前年と同じ金額で判断しないほうが安全です。

転職・育休・退職・時短勤務・医療費控除・住宅ローン控除がある年は、寄附前に年収見込みをもとに試算しましょう。

住民税を減らすつもりが負担を増やさないよう、寄附する年の状況に合わせて判断することが大切です。


※本記事に登場する事例は、年収の変動や医療費控除の併用がふるさと納税の上限額に与える影響を説明するための試算例です。実際の控除上限額は、お住まいの地域(自治体)や社会保険料控除、その他の各種控除の適用状況によって細かく異なります。
※ふるさと納税の正確な控除上限額(限度額)を知りたい場合は、その年の「源泉徴収票」や「確定申告書」などを用意のうえ、お住まいの市区町村の住民税担当窓口や税理士、または各ポータルサイトのシミュレーション機能などでご確認ください。
※住宅ローン控除や医療費控除などを併用する場合、所得税と住民税のどちらからどのように控除されるかによって、実質的な自己負担額(2,000円)に影響が出る場合があります。
※個別の税務判断や確定申告の手続きにあたっては、必ず最寄りの税務署または税理士などの専門家にご相談ください。

執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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