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育休を取得した30代女性→「税金の負担も軽くなる」はずが…ある日、自宅に届いた“1通の納付書”に「なぜこんなに…」

  • 2026.6.2
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。

産休や育休の時期に入ると、毎月の収入は大きく変わることがあります。会社からの給与が減ったり、支給がなくなったりするため、「税金の負担も軽くなるはず」と考える方もいるのではないでしょうか。

しかし、住民税は今の収入ではなく、前年の所得をもとに計算されます。そのため、育休中で収入が減っている時期に、前年の所得に対する住民税の支払いが発生する場合があります。

今回は、育休中の住民税を見落とし、家計に負担を感じた30代女性の事例をもとに、出産前に確認しておきたいポイントを解説します。

「育休中なのに税金が重い」思わぬ納付書に戸惑ったケース

30代のAさんは、会社員として働きながら第1子を出産しました。

出産前の年収は約420万円で、毎月の手取りは約25万〜26万円でした。会社員時代は、住民税が毎月の給与から約1万5,000円ずつ差し引かれていました。そのため、Aさん自身は住民税を「自分で払っている」という感覚があまりなかったそうです。

出産後、Aさんは育休に入り、会社からの給与は原則として支給されなくなりました。育児休業給付金を受け取れるため、生活費は何とかなると考えていましたが、実際には出費が次々と重なります。ベビーカーに約6万円、チャイルドシートに約5万円、ベビーベッドや布団に約4万円、肌着やおむつなどの消耗品に約3万円。出産前後の育児用品だけで、合計約20万円を使いました。

さらに、復職後は時短勤務を予定していました。フルタイム時代の手取りは約25万〜26万円でしたが、時短勤務後は月22万円前後になる見込みです。

そんな中、自宅に住民税の納付書が届きました。金額は一例ですが、年額で約18万円。納付書では、1回あたり約4万5,000円を4回に分けて支払う形になっていました。

Aさんは「育休中で収入が少ないのに、なぜこんなに住民税を払うのか」と驚きます。確認すると、その住民税は育児休業給付金に対するものではなく、前年の所得をもとに計算されたものでした。給与から差し引くことができない期間だったため、普通徴収に切り替わり、自治体から届く納付書などで自分で納付する形になっていたのです。

育児休業給付金が非課税でも住民税が消えるわけではない

育休中の住民税で注意したい点は、「今の収入」と「税金の計算対象になる所得」がずれることです。

育児休業給付金は非課税とされています。そのため、育児休業給付金そのものに所得税や住民税がかかるわけではありません。

ただし、前年に給与収入があり、課税対象となる所得がある場合、その所得に対する住民税を育休中に支払うことがあります。ここを混同すると、「育休中だから住民税もかからないはず」と誤解しやすくなります。

住民税は、原則として前年1月から12月までの所得をもとに計算されます。たとえば、2025年に働いて得た所得に対する住民税は、2026年度の住民税として支払う流れです。会社員の場合、通常は6月から翌年5月までの12回に分けて、毎月の給与から住民税が差し引かれます。毎月1万5,000円なら、1年間で18万円です。

しかし、育休中で給与がない場合、給与から差し引くことができないケースがあります。その場合、普通徴収に切り替わり、自治体から届く納付書などで支払う形になることがあります。会社によっては、本人が会社へ振り込む形や、復職後の給与で調整する形など、対応が異なる場合もあります。

そのため、育休前に勤務先へ確認しておくことが大切です。毎月1万5,000円なら何とか払えていた金額でも、1回で4万円台の納付書が届くと、家計への負担感は大きくなります。

つまり、育休中の家計では、収入は減っているのに、住民税だけは前年の働いていた時期の所得をもとに請求されることがあるのです。

FP視点で見る出産前に準備したいお金の見通し

育休中の住民税は「突然の出費」ではなく、あらかじめ見込んでおきたい支出です。特に出産前の年にフルタイムで働いていた方は、翌年の住民税が一定額発生する可能性があります。

育休に入る前に、会社の給与明細や住民税決定通知書を確認し、年間でどのくらいの住民税を払っているか見ておくと安心です。たとえば、毎月1万2,000円の住民税が給与から差し引かれていれば、年間では14万4,000円です。毎月1万8,000円なら、年間では21万6,000円になります。

出産準備費として20万〜30万円を用意していても、そこに住民税が15万〜20万円ほど重なると、想定より家計が苦しくなることがあります。出産前には、出産準備費や育児用品だけでなく、育休中に支払う可能性がある住民税も含めて、資金を分けておくことが大切です。

確認しておきたいポイントは、次の通りです。

  • 前年の所得に対する住民税がいくらあるか
  • 毎月の給与からいくら住民税が差し引かれていたか
  • 年間の住民税額が家計にどのくらい影響するか
  • 育休中も給与から差し引かれるのか
  • 普通徴収に切り替わる可能性があるか
  • 納付書払いの場合、1回あたり何万円になるのか
  • 育休中の生活費とは別に税金用の資金を残しているか
  • 復職後に時短勤務となる場合、手取りが月何万円減るか

育休中は、収入が減る一方で、子どもにかかる支出は増えやすい時期です。その中で住民税の納付が重なると、家計の余裕が一気に小さくなることがあります。

大切なのは、「育休中は税金が軽くなる」と決めつけないことです。前年所得で決まる住民税の仕組みを理解し、出産前から納付時期と金額を確認しておくことで、育休中の家計不安を減らしやすくなります。


※本記事に記載されている年収、手取り額、住民税額などの数値は、一般的な控除条件をもとに算出した一例であり、実際の金額は個人の家族構成(配偶者控除・扶養控除の有無)、各種所得控除(ふるさと納税、iDeCo、医療費控除など)、およびお住まいの自治体によって異なります。

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