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“週4日・1日5時間”パートで働く40代女性→「103万円を超えないように」と調節していたが…ある日、主婦を襲った“想定外の事態”

  • 2026.4.12

42歳・パート勤務

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、社会保険労務士の加藤あゆみです。

「103万円を超えないように調整して働いています」。パート勤務の方から、こうしたお話を伺うことはとても多いです。税金がかからないように、扶養から外れないように。ご自身なりにしっかり考えて働いていらっしゃる方がほとんどです。

ところが最近、103万円以内に抑えていたにもかかわらず、思わぬ形で世帯収入が減ってしまったというご相談が増えています。

103万円を守っていたのに、年間24万円が消えた

42歳女性・パート勤務のBさん(仮名)は、小学生のお子さん2人を育てながら、週4日・1日5時間のパートで働いていました。

年収は約100万円。103万円の壁を意識し、毎年12月になるとシフトを調整して収まるようにしていたそうです。

ところがある日、会社員の夫(45歳)が帰宅してこう言いました。「来年度から、うちの会社の扶養手当が廃止になるらしい」。

夫の会社では、配偶者の年収が103万円以下の場合に月額2万円の扶養手当が支給されていました。年間にすると24万円。Bさんがどれだけ103万円を守っても、会社の制度変更ひとつでこの収入は消えてしまったのです。

「103万円の壁」と「会社の手当」はまったく別の話

ここで整理しておきたいのが、「壁」は一つではないということです。

103万円は所得税の扶養控除ライン、130万円は社会保険の扶養ライン。この2つはよく知られていますが、見落とされがちなのが夫の会社独自の「扶養手当(家族手当)」の支給基準です。

この基準は法律で決まっているわけではなく、会社ごとに自由に設定されています。103万円の会社もあれば、130万円や150万円をラインにしている会社もあり、近年は扶養手当そのものを廃止する企業も増えてきています。

つまり、いくら税金の壁を守っていても、会社の制度変更には対応できないということです。

壁を意識しすぎて、世帯収入が減るケースも

Bさんのケースをもう少し見てみましょう。

扶養手当24万円がなくなった今、Bさんの世帯収入は年間で約24万円のマイナスです。一方、もしBさんが103万円の壁を気にせず年収150万円まで働いた場合、配偶者特別控除は150万円まで満額適用されるため、税負担はほとんど変わりません。

手当がなくなった分を自分の収入で取り戻せる可能性があるのに、「103万円を超えたら損」という思い込みから就業調整を続けてしまう。こうして世帯全体の収入が逆に減ってしまうケースが、実は少なくないのです。

まず確認すべきは「夫の会社の手当基準」

年収の壁を考えるとき、税金や社会保険の制度だけを見ていては不十分です。まず確認していただきたいのは、夫の会社の扶養手当の支給条件と、今後の廃止・変更の予定です。

そのうえで、ご自身の年収をいくらに設定すれば世帯トータルで一番手取りが多くなるかをシミュレーションしてみてください。

「壁を超えない」ことがゴールではなく、「世帯収入を最大化する」ことが本当のゴールです。

気になる方は、お住まいの地域の年金事務所や社労士にご相談いただくのも一つの方法ですよ。


執筆・監修:あゆ実社労士事務所
人材育成・キャリア支援を軸に約10年の実務経験を持つ、社会保険労務士/国家資格キャリアコンサルタント。 IT企業の人事として、新卒・若手育成、研修設計、評価・キャリア支援の仕組みづくりに携わる一方、個人では企業や個人に向けたキャリア相談・人事支援を行っている。 これまでに累計100名以上のキャリア面談を実施し、1on1制度設計や面談シートの設計、育成施策の言語化を支援。 近年は生成AIを活用した業務設計・人事業務の効率化にも注力し、「現場で使えること」を前提にしたAI活用の伴走支援を行っている。

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