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「使わないなら売ればいい」築30年超の実家を相続→“査定額800万円”のはずが…3年後、50代女性を襲った“想定外の落とし穴”

  • 2026.5.3
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務の現役マネージャーとして、日々さまざまなお金のご相談に向き合っている中川です。

「不動産は持っていればいずれ売れる」
そう考える方は少なくありません。相続した実家についても、「使わないなら売ればいい」と考えがちです。

しかし実際には、思うように売却できないケースも多くあります。今回は、実家が3年経っても売れず、維持費の支払いだけが続いた50代女性の事例をご紹介します。

「売れば現金化できる」はずだった実家

今回ご紹介するのは、50代前半の女性Aさん(仮名)です。地方の実家を相続しました。

Aさんはすでに持ち家があり、実家に住む予定はありませんでした。

「使わないなら売ればいい」

そう考え、不動産会社に査定を依頼。提示価格は約800万円でした。築30年以上でしたが、「十分な価格」と感じたといいます。

数カ月で売れるだろう。Aさんはそう見込んでいました。

内覧は来るが決まらない…見えてきた「売れない理由」

しかし現実は異なりました。

最初は内覧もありましたが、成約には至りません。

主な理由は次の通りです。

  • 最寄り駅まで車で20分以上
  • 生活利便性が低い
  • 建物の老朽化

立地と築年数の影響が大きく、「リフォーム費用が不安」と敬遠されていたのです。

3年経過…売れないまま積み上がる維持コスト

売却活動を続けても状況は変わりませんでした。

その間も費用は発生します。

固定資産税:約8万円
保険料:約2万円
管理費:約5万円

年間約15万円。3年で約45万円の負担です。

「使っていないのにお金だけが出ていく」

Aさんは強い負担を感じるようになりました。

「不動産は売れる」という前提が崩れた瞬間

Aさんが直面したのは、「不動産は必ず売れる」という思い込みでした。

不動産は需要があって初めて価値を持ちます。

立地が悪い
人口が減少している
築年数が古い

これらが重なると、売却は難しくなります。値下げしても買い手がいなければ売買は成立しません。

売却できない場合の選択肢を持つ

Aさんは売却以外の方法も検討しました。

  • 更地にして売却(ただし建物を解体すると固定資産税の軽減措置が外れ、税負担が増える場合があるため注意が必要です)
  • 賃貸として活用
  • 専門業者への相談

いずれも費用負担はありますが、現実的な選択です。

思うように売却できない場合に備えて、他の選択肢もあらかじめ考えておくことが重要です。

相続不動産は「出口」まで考えておく

相続は「取得」で終わりではありません。

活用できるか
売却できるか
維持費はいくらか

このような視点が重要になります。

特に地方の不動産は、今後さらに売却が難しくなる可能性があります。
状況によっては、負担を生み続ける存在にもなるのです。

相続の場面では、「いくらで売れるか」だけでなく、「そもそも売れるのか」「持ち続けるべきか」まで踏み込んで判断することが大切です。

皆さまも、相続不動産に向き合う際は、取得後の出口まで見据えて検討してみてはいかがでしょうか。

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