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GWのDIYで壁に穴を開けた30代夫婦 「パチッ」と音がして…その後、数万円の修理費を払う羽目になった誤算

  • 2026.5.3
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「動画を見ながらやったので、うまくいくと思ってたんですが…」

そう話すのは、GWの連休を使ってリビングの壁にDIYで飾り棚を取り付けたOさん(30代夫婦2人暮らし)です。壁にドリルでネジ穴を開けたところ、一瞬「パチッ」と小さな音がして、その直後にリビングのコンセントが使えなくなりました。

慌てて分電盤を確認すると、ブレーカーが落ちていました。ネジが壁の中を通っていた電気配線を傷つけてしまったのです。結局、連休明けに電気工事業者を呼ぶことになり、壁の一部を開口して配線を修復しました。費用は数万円かかったといいます。

壁の向こう側には、見えないものが通っている

壁の表面は石膏ボードやクロスで覆われているため、中に何があるか外からは分かりません。しかし、壁の中には電気配線や給排水管が通っているほか、建物を支える構造材(柱や筋かい)が隠れていることがあります。

位置を把握せずにネジやビスを打ち込むと、配線を傷つけてショートや漏電を起こしたり、給排水管に穴を開けて漏水させたりするおそれがあります。筋かいを傷つけた場合は、建物の耐震性能に影響することもあります。

SNSや動画サイトでは手軽にできるDIYとして紹介されていますが、「壁に穴を開ける」という行為は、実は建物の安全性に関わる作業なのです。

とくに注意したい「3つの場所」

壁に穴を開ける際に、とくにリスクが高いのは次の3箇所です。

・コンセントやスイッチの周辺:
電気配線が集中しているため、近くにネジを打つと配線に当たる確率が高くなります。コンセントの真上・真下・真横は避けるのが基本です。

・キッチン・浴室まわりの壁:
給排水管が壁の中を通っていることが多く、穴を開けると水漏れにつながるおそれがあります。とくに2階の水まわり直下の1階天井付近は要注意です。

・窓の上下:
窓の上には「まぐさ」、下には「窓台」と呼ばれる構造材が入っています。これらの構造材にネジを打つこと自体は問題ない場合もありますが、構造材の位置を把握しておかないと、筋かいなど重要な部材を傷つけるリスクがあります。

「やっていいDIY」と「やめておくべきDIY」の境界線

壁にフックや棚を取り付けること自体が危険なわけではありません。大切なのは、「壁の中に何があるか」を事前に確認することです。

ホームセンターで数千円で購入できる「下地センサー」を使えば、壁の裏にある柱や間柱の位置をある程度把握できます。配線の位置については、分電盤の配置からどの方向に線が向かっているかを予測するだけでも参考になります。

一方で、以下のような場合は、DIYではなく専門業者への依頼をおすすめします。

・壁に大きな開口を設ける作業(棚の埋め込み、ニッチなど)
・配線や配管があると分かっている場所への施工
・構造壁(耐力壁)かどうか判断できない場合

「自分でできそう」と「自分でやっていい」は違います。GWの連休はDIYに挑戦したくなる時期ですが、壁に穴を開ける前に、まず壁の向こう側を想像してみること。それが、取り返しのつかない失敗を防ぐ第一歩です。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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