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GWを満喫した30代夫妻「何をしても自由だと思った」数日後、ベランダ利用で注意されたワケ【一級建築士は見た】

  • 2026.5.3
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

「自分の家のベランダなんだから、何をしても自由だと思ってました」

そう話すのは、GWに自宅マンションのバルコニーでBBQを楽しんだYさん(30代女性、夫婦・子ども2人の4人暮らし)です。

家族で盛り上がっていましたが、翌日、隣の住人から管理会社にクレームが入りました。「煙と臭いで窓も開けられなかった」と。

数日後、管理組合の理事長からYさんに連絡があり、「バルコニーでの火気使用は管理規約で禁止されています」と注意を受けたといいます。

バルコニーは「自分だけの場所」ではない

意外に知られていませんが、マンションのバルコニーは「専用使用権のある共用部分」です。区分所有者が日常的に使うことは認められていますが、所有権があるわけではなく、使い方には管理規約によるルールがあります。

多くのマンションでは、管理規約の「使用細則」でバルコニーでの火気使用を禁止しています。炭火はもちろん、カセットコンロやガスバーナーも対象になることがあります。

理由は、煙や臭いによる近隣への影響だけではありません。火災リスクが高まることや、消防法・建築基準法上の避難経路(バルコニーには隣戸との隔て板があり、災害時に破って避難する経路になっています)を妨げる危険性もあるのです。

「煙が出なければOK」とも限らない

最近は煙の出にくいBBQコンロやホットプレートも増えており、「煙が出ないなら大丈夫では?」と考える方もいるかもしれません。

しかし、多くの管理規約で禁止されているのは「火気の使用」です。煙が少ないコンロであっても、炭火やガスを使っている時点で「火気」に該当します。つまり、煙の量ではなく、火を使うかどうかが判断基準なのです。

では、火を使わない電気式のホットプレートなら問題ないかというと、そうとも限りません。臭いや油煙が近隣に届けば苦情の原因になりますし、バルコニーに大型の調理器具やテーブルを置くこと自体が、避難経路の確保という観点から問題になる場合もあります。

Yさんが使っていたのは煙が少ないタイプのコンロでしたが、火を使っている以上、管理規約上の「火気使用」に該当し、NGだったのです。

「知らなかった」では済まないこともある

管理規約に違反した場合、最初は注意で済むことが多いですが、繰り返せば理事会で議題に上がり、書面での警告や、場合によっては使用差止めの請求に発展する可能性もあります。

区分所有法第6条では、区分所有者は「区分所有者の共同の利益に反する行為」をしてはならないと定められています。

「自分の家のベランダ」という感覚は自然なものですが、マンションでは自分の行為が隣の住戸にも影響を及ぼすことを意識しておく必要があります。

事前に「使用細則」を確認してみる

管理規約の中でも、バルコニーの使い方に関するルールは「使用細則」という部分に書かれていることが多いです。入居時に配られた書類の中にあるはずですが、読んだことがないという方も少なくないのではないでしょうか。

手元にない場合は、管理会社に問い合わせれば確認できます。GWに自宅でBBQを計画しているなら、その前に一度目を通しておくだけで、思わぬトラブルを避けることができます。

せっかくの連休を気持ちよく過ごすために、「自分の家だから大丈夫」ではなく、「マンションだからこそ確認する」という意識を持つ。その一手間が、ご近所との関係を守ることにもつながるはずです。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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