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GWに家族でBBQをしたら「バキッ」築8年中古住宅で、30代男性を襲った“意外な盲点”【一級建築士は見た】

  • 2026.5.4
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

そう話すのは、築8年の中古戸建てを3年前に購入したSさん(30代男性、夫婦+子ども2人の4人暮らし)です。庭にあったウッドデッキは購入時からそのまま使っていて、見た目には問題がないように見えていたといいます。

前の住人がいつ設置したのか、メンテナンスの履歴も分からないまま使い続けていたウッドデッキ。Sさんのケースは珍しい話ではありません。

表面はきれいでも、中は別

ウッドデッキの劣化は、表面よりも内部から進むことが多いのが厄介なところです。

木材が腐る主な原因は「水」です。雨水が木材の内部に染み込み、風通しの悪い場所で乾きにくい状態が続くと、腐朽菌が繁殖して木材の強度が失われていきます。

とくに床板の裏側や、デッキを支える土台部分(根太)は外から見えにくく、気づかないまま劣化が進んでいるケースが少なくありません。

設置から5年以上経過している天然木のデッキは、一度状態を確認しておくと安心です。放置した腐食はシロアリを呼び込む原因にもなり、最悪の場合、住宅本体にまで被害が及ぶこともあります。

GW前にできる「踏む・聴く・見る・押す」チェック

専門的な道具がなくても、以下の4ステップで大まかな状態は確認できます。所要時間は5分程度です。

・【踏む】体重をかけてゆっくり歩く
デッキの端から端まで、1枚ずつ床板を踏みながら歩いてみてください。沈み込みやフワフワした感触がある箇所は、内部の腐食が進んでいる可能性があります。とくに外壁に近い側や、プランターの下など水が溜まりやすい場所は要注意です。

・【聴く】足音の違いに耳を傾ける
健全な木材は「コンコン」と硬い音がしますが、腐食が進んだ木材は「ボコボコ」と鈍く低い音に変わります。歩いたときに「ギシギシ」「ミシミシ」と鳴る場所は、ビスの緩みや木材のやせ(乾燥による収縮)が進んでいるサインです。

・【見る】しゃがんで表面を観察する
立ったままでは見えにくい変化も、しゃがんで目線を下げると分かることがあります。黒ずみやカビは防腐塗料の効果が切れているサイン。木の繊維が毛羽立っている「ささくれ」は、裸足で歩くとケガにつながります。床板のつなぎ目や木口(こぐち・断面部分)に割れが入っていないかも確認してみてください。

・【押す】手すり、柱をゆすってみる
手すりの上から体重をかけるように押してみてください。ぐらつきがある場合は、柱と床板の接合部が弱くなっています。子どもが寄りかかったり、洗濯物を干すときに体重をかけたりすると、倒壊につながるおそれがあります。根元に近い部分が黒ずんでいたら、地面からの水分で腐食が進んでいる可能性もあります。

「まだ大丈夫そう」が一番危ない

Sさんも「普段から洗濯物を干すのに使っていたので、まさかあんなに中が傷んでいるとは思いませんでした」と振り返ります。

腐食が進んだ木材は、ある日突然強度を失います。とくにBBQのように大人数が同時に乗る場面や、コンロやクーラーボックスなど重い機材を1か所に集中させる場面では、普段よりも大きな荷重がかかります。

子どもが裸足で走り回ることも多いため、ささくれや釘の飛び出しにも注意が必要です。

異常を感じたら、使用を控えて専門家に相談を

チェックの結果、沈み込みやぐらつきがある場合は、GW中の使用は控えたほうが安心です。部分的な板の交換で済むこともあれば、土台からの補修が必要なこともあります。状態の判断に迷ったら、エクステリアの施工業者や建築士に相談してみてください。

せっかくの連休を安心して楽しむためにも、まずは足元の安全確認から。Sさんも「これからは毎年、GW前にデッキの状態を確認するようにします」と話していました。

自宅でのレジャーを楽しむための第一歩は、意外と身近なところにあります。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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