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「まさか隣の家がこうなるとは」築25年中古戸建てを購入した30代夫婦、隣家の“変化”にあぜん【一級建築士は見た】

  • 2026.5.4
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「家の状態は念入りに調べたんです。でも、まさか隣の家がこうなるとは思わなくて…」

そう話すのは、築25年の中古戸建てを購入し、水まわりと内装をフルリフォームしたMさん(女性、30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。

駅から徒歩圏で、閑静な住宅街。物件の状態にも納得して購入を決めました。ところが入居から半年ほどたった頃、隣の空き家が民泊施設として使われ始めたのです。

深夜のキャリーケース音、曜日を問わないゴミ出し

最初に気づいたのは、夜遅くに聞こえるキャリーケースの音でした。続いて、見知らぬ人が入れ替わり出入りするようになり、ゴミの収集日ではない日にゴミが出されていることもあったといいます。

Mさんは「平日の深夜にスーツケースのゴロゴロという音で目が覚めることが何度かあって、最初は何が起きているのか分かりませんでした」と振り返ります。

木造住宅が密集する住宅街では、話し声やキャリーケースの音が想像以上に響くことがあります。ホテルのような防音設備がない一般住宅では、こうした生活音が近隣に伝わりやすいのです。

「隣が何に使われるか」は調べにくい

中古住宅を購入する際、建物の状態や土地の条件は事前に調べることができます。しかし、隣の家が将来どう使われるかまでは、購入時には分かりません。

空き家が増えている地域では、所有者が変わって民泊や賃貸に転用されるケースがあります。とくに2018年施行の住宅宿泊事業法(民泊新法)では、都道府県知事等への届出を行えば年間180日を上限に住宅宿泊事業を営むことができるとされており、住居系の地域でも、住宅宿泊事業法に基づく届出民泊が成り立つ場合があります。

そのため、静かな住宅街でも民泊が始まる可能性があるのです。

トラブルが起きたときにできること

もし隣家の民泊で困りごとが発生した場合、以下の手順で対応を進めてみてください。

・その施設が適法に届出をしているか確認する:
観光庁の「民泊制度ポータルサイト」内の「民泊が行われている周辺にお住まいの方へ」ページで、届出の有無の確認方法や苦情の相談先が案内されています。

・お住まいの地域の条例を確認する:
住宅宿泊事業法第18条では、自治体が条例で区域や期間を制限できると定められています。実際に、多くの自治体が独自の条例で営業日数や営業区域を制限しています。

・行政に相談する:
観光庁の民泊制度ポータルサイトに案内されているコールセンターや自治体窓口に相談する。

「建物の中」だけでなく「建物の外」も見ておく

中古住宅の購入では、建物の劣化状況や耐震性能に注意が向きがちです。もちろんそれらは重要ですが、周辺環境も暮らしの満足度に大きく影響します。購入前に、以下の視点も加えてみてください。

・近隣に空き家や空き地がないか:
将来的に民泊や賃貸に転用される可能性があります。

・用途地域の確認:
その地域にどのような建物や施設が建ちうるのか、ある程度把握できます。

・自治体の民泊関連の条例:
営業制限のルールがあるかどうかで、周辺環境の変わりやすさが異なります。

物件そのものの良さだけで判断するのではなく、周囲の「これから」にも目を向けること。それが、リフォームまでして手に入れた住まいで後悔しにくくするためのポイントです。

参考:
住宅宿泊事業法(民泊新法)とは?(観光庁 民泊制度ポータルサイト)
近隣にお住まいの方(観光庁 民泊制度ポータルサイト)
住宅宿泊事業法(e-Gov法令検索)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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