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車2台持ちの40代男性「来客用駐車場もあるから…」マンション入居後、彼を襲った“思わぬ落とし穴”

  • 2026.4.30
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

連休前になると、車での外出や帰省を前提に住まいを見直す方も増えてきます。

「駐車場付きだから安心」「敷地内に停められるなら便利」

そうした理由でマンションを選ぶ方も多いのではないでしょうか。ただ、分譲マンションにおいては、敷地内の駐車場を将来にわたって使い続けられるとは限りません。ここに、大きな落とし穴があります。

今日は「来客用駐車場もあるから大丈夫」と安心して購入した結果、思わぬ形で“駐車場難民”となってしまった40代男性のエピソードをご紹介します。

来客用もあるから“2台分も余裕”…安心して購入した分譲マンション

数年前、私が担当したお客様で、40代の会社員Aさんという方がいらっしゃいました。分譲マンションを購入される際、Aさんが特に重視していたのが「駐車場」です。

車を2台所有していたため、1台は居住者用、もう1台についても「来客用スペースがあるから実質2台分として使えるだろう」と考えていました。本来、来客用駐車場はあくまで一時的な利用を前提とした共用部分であり、居住者が日常的に自家用車を停める用途では使用できません。

しかしAさんは、その点を深く確認しないまま、私にも特に相談や報告をせず「自己判断」で利用する前提で考えていたのです。実際、当時は空き区画もあり、敷地内の駐車場にも余裕があるように見えたため、Aさんも「これなら問題ない」と判断して契約に進みます。

入居が進むにつれて減っていく“空きスペース”

入居当初は、特に問題はありませんでした。敷地内の駐車場にも余裕があり、Aさんも利用できていたのです。ただし、来客用駐車場を日常的に利用することは、本来の運用ルールから外れる不適切な状態であり、あくまで一時的に見過ごされていたに過ぎませんでした。

しかし、半年、1年と時間が経つにつれて状況は変わっていきます。新たな入居者が増え、1世帯で2台所有するケースも重なり、徐々に駐車場の空き区画が減少。

「最近、空きが少なくなってきましたね…」

管理会社からもそんな声が聞かれるようになりました。そしてある時点で、ついに敷地内の駐車場は満車状態に。余裕があるように見えていた駐車場は、限界を迎えていたのです。

総会決議でルール変更…来客用が“入居者用”へ

転機となったのは、管理組合の総会でした。駐車場不足が深刻化したことを受け「来客用駐車場の一部を入居者用として再配分する」という議案が提出され、可決されます。

これは、一部の役員や特定の住民の判断で変更されたものではなく、管理組合の総会において「住民全体の合意」により正式に決定されたルール変更でした。

Aさんも申し込みを行いましたが、まさかの落選でした。これにより、Aさんは敷地内に2台目の車を停められない状況に陥ります。

月2万円の外部駐車場…年間24万円の想定外コスト

結果として、2台目の車は近隣の月極駐車場を契約せざるを得なくなりました。その費用は、月額2万円、年間で24万円にのぼります。

しかし問題は、単なる出費の増加にとどまりませんでした。

  • 自宅から徒歩5分以上離れた場所に駐車
  • 雨の日は荷物の持ち運びが大きな負担
  • 帰宅後にわざわざ車を取りに行く手間とストレス

さらに、1台目は奥様が日常的に使用していたため、Aさん自身の負担はより大きくなります。こうした不便が積み重なり、日常の利便性は大きく低下していきました。

「駐車場があるから選んだのに、これじゃ意味ないじゃないか…」

Aさんは、そう肩を落として話していました。

駐車場は“今空いているか”だけで判断すると失敗する

分譲マンションの駐車場では、将来にわたって同じ条件で使い続けられるとは限りません。

  • 利用ルールの変更
  • 抽選化
  • 用途変更

といった運用の変化は珍しくありません。今回のように、年間24万円の追加コストに加え、日常のストレスという形で負担が積み重なるケースも実際に起きています。

物件選びの際は、次の点を一歩踏み込んで確認してください。

  • 管理規約
  • 総会議事録
  • 駐車場の将来リスク

この確認を怠ると、「駐車場があるから安心」という前提は簡単に崩れ、生活の質そのものに影響します。住まい選びは、“今の条件”ではなく“将来どうなるか”まで見て判断することが欠かせません。

その一手間が、費用負担と生活のストレスを同時に防ぐ分かれ道になります。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。

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