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「もう乗るのが面倒」駐車場代を年12万払う30代男性…朝の通勤時間を襲った“想定外の落とし穴”

  • 2026.4.30
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

分譲マンションの駐車場には、主に平置きと機械式の2種類があります。平置きは出し入れがスムーズで使いやすい一方、機械式は防犯性が高く、敷地を有効活用できる点が特徴です。

ただし、機械式は構造上、入出庫に時間がかかるため、使い勝手には大きな差が出ることがあります。実際には、朝夕の通勤時間帯に待ち時間が発生しやすく、日常的なストレスにつながるケースも少なくありません。

今日は、「機械式駐車場だから防犯面は安心」と思って購入したものの、毎日の入出庫待ちに苦しみ、結果的に車を使わなくなってしまった30代男性のエピソードをご紹介します。

機械式駐車場なら安心…そう思って購入したAさん

今から3年ほど前のことです。マンション購入のご相談に来られたのは30代前半の会社員Aさん。市内の分譲マンションを検討する中で、「車を所有しているため駐車場付きが必須条件」とはっきりとしたご希望をお持ちでした。

候補に挙がった物件には、敷地内に機械式駐車場(パレットが上下左右に動く立体駐車設備)が設置されており、外部から見えにくい構造であることから、防犯面でも安心できる点が評価ポイントになりました。

「屋外でも車が直接見えない構造ですし、防犯面でも安心ですよね。多少不便でも問題ないです」

Aさんはそう話し、駐車場が確保されていることを決め手に購入を決断されました。しかし、このとき見落としていた“あるポイント”が、後に大きな誤算へとつながっていきます。

朝の通勤時間…まさかの“10分待ち”が日常に

入居後まもなく、Aさんは想定していなかった現実に直面します。平日の朝、出勤前に車を出そうとしたところ、すでに数台が順番待ちの状態。

このタイプの機械式駐車場は1台あたりの入出庫に約2〜3分かかるため、前に3台並んでいれば、それだけで約10分のロスになります。

さらに夕方の帰宅時間帯も同様で「仕事で疲れて帰ってきているのに、ここでも待たされるのか…」という状況が日常的に続くようになりました。

ある日、Aさんはこうこぼしていました。

「毎日だと結構きついですね…。時間が読めないのが一番ストレスです」

出発時間が読めず、予定通りに動けない日が増加。結果として、遅刻ギリギリになることもあり、生活リズムそのものに影響が出始めていました。

車を使わなくなり…駐車場代だけ払う生活へ

数ヶ月後、Aさんの生活は大きく変わりました。

  • 通勤は電車に切り替え
  • 休日も車を使う回数が激減
  • 結果、月額10,000円の駐車場代だけが固定費として残る

「もう、乗るのが面倒なんですよね…」

最終的には、年間約12万円の駐車場代を払いながら、ほとんど車を使わない状態になってしまいました。本来であれば、生活を便利にするための車が「使わないのにお金だけかかる存在」へと変わってしまったのです。

さらに、使わない状態が続くことでバッテリーが上がってしまったり、車検・保険といった維持費も無駄になったりと、目に見えない形で出費とストレスが積み重なっていきました。

本来確認すべきだったポイント

このケースで致命的だったのは「駐車場があるかどうか」しか見ていなかったことです。本来、現場で必ず確認すべきなのは、“実際にストレスなく駐車場を使えるかどうか”という一点に尽きます。

その判断材料として重要になるのが、次の点です。

  • 平日朝・夕方の入出庫待ち時間
  • 駐車場台数に対する住戸数のバランス

特に機械式駐車場は「1台あたりの回転時間×利用戸数」で実態が決まります。見た目やスペックだけでは判断できず、実際の利用状況によって“使えるかどうか”が大きく変わる設備です。

だからこそ、管理会社に「ピーク時はどれくらい待ちますか?」と一言確認するだけで、このリスクはほぼ回避できます。この一手間を惜しまなければ、“使えない駐車場”を選んでしまう失敗は防げたケースでした。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。

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