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「1件10万円と言われたのに…」不動産の“紹介ビジネス”を始めた30代男性の末路

  • 2026.5.5
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

不動産業界には「紹介料」という仕組みがあります。知人や友人を不動産会社に紹介し、その方が契約に至った場合に報酬が支払われる仕組みです。

特に不動産のように金額が大きい分野では「1件で数万円〜10万円」という話も珍しくありません。大きな手間もなく副収入になるのであれば、魅力的に感じてしまうのも無理はありません。

しかしその考えが、お金の面で大きな誤算につながるケースもあります。

今日は「紹介するだけ」のはずだった副収入が、結果的に不満と後悔だけを残すことになった、30代男性の実体験をご紹介します。

「1件10万円」と言われ、軽い気持ちで始めた紹介ビジネス

これは、私が数年前に関わった30代男性Aさんの話です。Aさんは会社員として働く傍ら、副収入を得たいと考えていました。

ある日、知人の不動産会社の営業担当からこう言われます。

「お客さん紹介してくれたら、1件10万円出しますよ」

特別な資格も不要、営業も不要。

「紹介するだけならリスクはない」と考えたAさんは、友人や知人に声をかけ始めました。最初の1件は、実際に約10万円の紹介料が支払われます。Aさんは「これは稼げる」と確信。

しかし、ここから状況が変わっていきます。

2件目以降は「1万円」「3万円」…説明と違う現実

2件目、3件目と紹介が続いたものの、支払われた金額は想定より大きく下がりました。

  • 2件目:3万円
  • 3件目:1万円

Aさんは不安になり、営業担当に確認します。

「最初は10万円って話でしたよね?」

すると返ってきたのは、曖昧な説明でした。

「物件によって違うんですよ」
「仲介手数料(不動産会社が受け取る報酬)の割合次第です」

しかし、そうした説明は事前には一切ありませんでした。さらに問題だったのは、紹介料の基準が毎回変わることです。

  • ある案件は高額
  • ある案件は数千円

明確なルールがないため、Aさんは完全に受け身の立場になっていました。

契約なしでは交渉もできない…主導権を握られた現実

Aさんは不信感を抱き、条件の見直しを求めようとしました。しかし、ここで致命的な問題に気づきます。

「契約書が一切ない」

口約束だけで始めてしまったため、次のような重要な条件が曖昧なままでした。

  • 報酬の計算方法
  • 支払い条件
  • 最低保証額

当然、交渉の根拠はありません。

「最初は10万円と言われた」と主張しても、それを証明する手段がないのです。そしてAさんは、こう告げられます。

「この条件で納得できないのであれば、今後の紹介は控えていただいて構いません」

副収入を得るための行動は、次のような問題やリスクだけを残しました。

  • 納得できない報酬
  • 不透明な条件
  • 関係悪化のリスク

そして最終的に、Aさんの手元に残ったのは“後悔”だけでした。

紹介ビジネスで絶対に外してはいけないポイント

不動産業界における紹介ビジネスは、金額が大きく、仕組みも複雑です。そのため、他の分野以上に注意が必要です。

今回のケースで本来必要だったのは、次の2点です。

  • 顧客紹介契約(業務委託契約)の締結
  • 報酬条件の明文化(割合・最低額・支払時期)

この2つがあるだけで、今回のようなトラブルはほぼ防げます。

副収入は確かに魅力的です。しかし、リスクを理解せずに始めてしまうと「思っていたより稼げなかった」では済まないケースもあります。

不動産に関わる紹介は「契約」してから始める。これが最低限のルールです。その一手間が、後悔する未来を確実に防ぎます。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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