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タワマン高層階を即決も「コインランドリー通い…」入居後、30代共働き夫婦を襲った“大誤算”

  • 2026.4.26
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

日当たりの良い家に住めば、洗濯物を外に干したくなるものです。日差しと風で乾いたタオルの感触に、ちょっとした幸せを感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。

だからこそ「眺望のいい高層階マンションなら、洗濯ももっと気持ちよくなるはず」と考えてしまうのも自然な流れです。

ただし、その当たり前の暮らしが、タワーマンションでは成立しないケースがあります。

今日は、高層階で外干しNGだったことでコインランドリー通いを余儀なくされ、生活の質が下がってしまった30代共働き夫婦の実例をご紹介します。

一見すると小さな違和感でも、積み重なると確実に日常をむしばんでいきます。

高層階の開放感に惹かれて購入した30代共働き夫婦

数年前、不動産会社の知人が関わったご夫婦の話です。30代前半の共働き夫婦で、某市の中心地にあるタワーマンションの高層階を購入されました。

決め手になったのは、やはり「眺望」と「開放感」です。リビングから広がる景色に魅力を感じ「ここに住みたい」と即決に近い形で購入を決められました。

内見時も、日当たりの良さや明るさには満足されており、生活に対する不安の声はほとんどありませんでした。むしろ「これだけ条件が揃っていれば問題ないだろう」という安心感の方が強かった印象です。

ただ、このとき一つだけ触れられていないポイントがありました。それが「洗濯環境」です。

外干しができるのか。風の影響はどうか。管理規約に制限はないのか。

日常では当たり前すぎて、あえて確認する発想に至らなかったのです。そして結果的にこのことが、後の生活に大きな影響を与えることになります。

入居後に発覚した「外干し禁止」と強風環境

入居後にご夫婦が改めて目を通したのが、管理規約(マンション内のルールをまとめた書類)でした。そこで初めて、思わぬ事実に気づきます。

  • 高層階は洗濯物の外干し禁止
  • 景観維持および落下防止のため

一見すると納得できる理由ではあるものの、外に干せる前提で暮らしを想像していたご夫婦にとっては、想定外の制約でした。さらに問題だったのは、規約だけではありません。

実際に生活してみて初めて気づいたのが、高層階特有の“強風環境”です。

ベランダに出ると、想像以上の風が吹きつけ、長時間立っていることすら不安を感じるレベルでした。奥様は困惑した様子で、こう話されていました。

「ベランダに出た瞬間、風で身体が持っていかれそうで…洗濯どころじゃないです」

仮に規約がなかったとしても、物干し竿を安定して設置できる環境ではありません。洗濯物を干すどころか、日常的にベランダを使うこと自体が難しい状態でした。

つまりこの時点で「ルールとして禁止されている」「環境としても成立しない」という二重の制約が、はっきりと突きつけられたのです。

浴室乾燥機では追いつかない現実

「でも、タワマンなら浴室乾燥機があるのでは?」

そう思われる方も多いと思います。実際、この物件にも浴室乾燥機は備え付けられていました。

ただし、ここにも見落としがちな落とし穴があります。このご夫婦は共働きで、日々の洗濯量が非常に多い生活スタイルでした。

  • 平日は仕事終わりにまとめて洗濯
  • 休日はシーツやタオルなどを一気に洗う

いわゆる「一度に大量に回す」という使い方です。浴室乾燥機は確かに便利な設備ですが、補助的な乾燥手段として設計されているケースが多く、日常的にフル稼働させる前提ではありません。

具体的には次のような制約があり、洗濯量が多い家庭ほど負担が大きくなります。

  • 一度に干せる量に限界がある
  • 乾燥に3〜4時間かかる
  • 電気代もそれなりにかかる

結果的に毎日のように使うには非効率な状態となり、生活リズムにも影響が出始めました。

ご主人がこう話されていたのが印象的です。

「全部浴室乾燥で回そうとすると、終わるのが夜中になるんですよ…」

設備が整っているから安心、という考え方ではなく、自分たちの生活量に対して足りているかという視点が欠けていたことが、ここで明らかになりました。

コインランドリー生活で年間10万円以上の“見えない出費”

最終的にご夫婦が選んだのは、コインランドリーの利用でした。

  • 週2〜3回通う
  • 1回あたり600〜1,000円
  • 月額:約8,000円前後

年間にすると、約10万円の出費です。さらに問題はお金だけではないこと。

  • 往復の移動時間(片道10分)
  • 待ち時間(30〜60分)
  • 休日の自由時間が削られる

奥様はこう漏らしていました。

「なんでこんな生活になってるんだろうって、毎回思います…」

本来、便利になるはずの住まいが、むしろ生活効率を下げる存在になってしまった瞬間でした。

タワマンは「見えない制約」を必ず確認する

今回のケースから学べるのは、タワーマンションには“見えない制約”が多いという点です。見た目の快適さとは裏腹に、日常生活に影響する制限が潜んでいます。

特に確認すべきポイントは以下の通りです。

  • 洗濯環境(外干し可否・乾燥設備の実用性)
  • 管理規約(禁止事項・細かいルール)
  • 生活動線(洗濯〜乾燥〜収納の流れ)

重要なのは、設備があることが必ずしも快適ではないという視点です。浴室乾燥機があっても容量不足で回らず、結果的にコインランドリー頼みになるケースも珍しくありません。

対策としては、次の3点は最低限押さえておくべきです。

  • 内見時に洗濯の実態を確認する
  • 住民の生活スタイルを聞く
  • 風やベランダ環境を体感する

タワマンは非日常の魅力が強い分、日常の不便が見えにくい住まいです。だからこそ「実際にどう暮らすか」まで具体的に想像することが、後悔を防ぐ最大のポイントになります。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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