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"会話の生まれるデザイン”とは? デザイナー、クシェダ・メンサーに注目

  • 2026.3.2
AIKO YANAGIDA

多様なクリエイターが集うロンドン。この地に拠点を構えて、自身のクリエイティビティを世界へと発信するクシェダ・メンサーに話を聞いた。『エル・デコ』12月号より。

ERIK WÅHLSTRÖM

ロンドンで生まれガーナにルーツを持つ、クシェダ・メンサー。大学ではプリントデザインを学び、在学中にテキスタイルやスクリーンプリントを通して「触りたくなるデザイン」への興味を深め、2018年に初の家具コレクション“ミューチュアル(Mutual)”を発表。「人と人との直接的な対話」をテーマにデザインした、遊び心あふれる形状と自由に組み合わせられるモジュラー家具が脚光を浴びた。今年の3daysofdesign(スリーデイズオブデザイン)では、スウェーデンの家具ブランド、「ヘム」と協業し“ミューチュアル”のデザインを発展させた、手のような形の“パルマ プフ”を発表。大きな反響を呼んだ。

<写真>2025年の3daysofdesignで「ヘム」よりローンチした“パルマ プフ”。手のひらのようなアイコニックな形で、会場の話題をさらった。過去に発表した独特のカーブを持った“ミューチュアル”のファミリーをつくるようにしてデザインを発展させた。

OLIVIA RHODES

カラフルで思わず触れたくなる「会話の生まれるデザイン」の追求

「私のデザインは常に『ユーザーの視点』から始まります。まずはその人がどんな感情でどんな空間にいるのかを想像し、フィーリングを形にしていくんです」。

<写真>2019年に「アディダス」とコラボレーションした、再生プラスチックを使用したシーティング。リサイクルフォームや再生PETファブリック等を用い、店舗での社会的な交流を意図した。

SIRUI MA

カラーや質感の選定にはテキスタイル出身の感性が光り、機能だけではなくユニークでパズルのような形が会話や触れ合いを生む、双方向性を持ったデザインが特徴だ。

<写真>イギリスのシューズブランド、「クラークス」のデザートブーツの誕生70周年を記念し、2020年に発表した“デザート ラフト”。自身が思い描く無人島を表現するというプロジェクトだった。

Jake Curtis

「今後は、原点であるプリントデザインも再開したいと思っていて、それから自身のデザインをいかした人が集まれる場所づくりをすることも夢の一つです。普段はクライアントの要望を元にデザインをしていくから、一度は自分だけの空間をつくり上げてみたいですね」

<写真>2023年にイースト・ロンドンにあるワークスペース「ザ ブラック&ホワイトビルディング」のために壁際のソファをデザイン。

SIRUI MA

ロンドンのデザインシーンの魅力を「多文化的で、それぞれの文化をテーブルに持ち寄れること」と表し、誰もが生活の中でデザインを楽しめるようにしたいと語るメンサー。軽やかさと芯の強さを備えた1人の女性デザイナーがつくり出す、新たなデザインに注目し続けたい。

クシェダ・メンサー
1991年、南ロンドン生まれのガーナ系イギリス人デザイナー。ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションでプリント&サーフェスデザイン卒業後、代表作となる「ミューチュア(Mutual)」コレクションを2018年ミラノサローネのサローネサテリテで発表。

Photo&Text:AIKO YANAGIDA

Hearst Owned

『エル・デコ』2025年12月号



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