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エメラルド・フェネル監督、新作映画『嵐が丘』で大胆な原作改変をした理由

  • 2026.2.27
映画『嵐が丘』は2月27日より日本公開。
WUTHERING HEIGHTS - Margot Robbie, Jacob Elordi, 2026. 映画『嵐が丘』は2月27日より日本公開。

1847年にエミリー・ブロンテが発表したベストセラー小説を、エメラルド・フェネル監督が映画化した『嵐が丘』。原題には『“Wuthering Hights”』と引用符が付けられた本作は、原作と大きく異なる点が指摘されている。そもそもフェネル監督は、原作をそのまま映画化するのではなく、「原作に対する自分の反応や解釈と、原作から得た感情を紡ぐ映画を作る」ことを意図していたそうだ。

「笑ってしまいますが、私の記憶には、実際に書かれていた内容とそうでないものが混じっていたんです」と『Entertainment Weekly』のインタビューで明かした。「私の願望がかなり入っていて、覚えていないキャラクターもいたし、ごちゃまぜになったキャラクターもいました」

「ほかの映画化作品やケイト・ブッシュの楽曲、バルテュスのリトグラフ、また現代のイラストを見ても、キャシーとヒースクリフに焦点を当てる傾向があります。長い原作の中で、最後に登場する描写だからだと思います」

こうした理由から、フェネルは原作小説の前半部分、キャサリンとヒースクリフの出会いから別れに焦点を当てることにしたそうだ。その結果、原作の語り手であるロックウッドや嫉妬深く復讐心に燃えたキャサリンの兄ヒンドリーといった登場人物をカットし、ほかのキャラクターに要素を融合させることで、物語に息づかせたという。特にキャサリンの父にヒンドリーの要素を加えたことで、キャサリンとヒースクリフの関係性を際立たせたと語る。

WUTHERING HEIGHTS - Margot Robbie, Jacob Elordi, 2026.

「原作には不穏で複雑、難解で暗い部分があり、おそらく映画にも表れています。だからこそ、これがラブストーリーなのか、いまだに議論が絶えないのです。もちろん私は、ラブストーリーだと心から信じていますし、これほど長く愛され続ける所以だと思います。口当たりの良い健全なラブストーリーとは言いませんが、それでも多くの恋愛と同じく非常に力強い物語です」

登場人物のスリム化に加え、映画の結末となるシーンにも変更が加えられたが、フェネル監督は、キャサリンとヒースクリフのロマンスに相応しいラストだと胸を張る。「始まったところで終わり、終わったところから始まった。それが愛というものであり、原作に描かれていることですよね。愛とは永遠であって巡りめぐるもの、だから終わりがない。たとえひどく悲しくて悲惨な終わりを迎えても、それが本当の終わりではない。原作からまさに感じることです。愛とは人間の感情の深層にあり、思慮深く、身体的なものに留まらないということを描いています。ですから私にとって、これが正しい終わり方だと感じたのだと思います」

Text: Tae Terai

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