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「高い保険料を払い続けることに」お金のプロが警告。自動車保険で“払い損”になっている…見落としがちな“落とし穴”

  • 2026.3.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

毎年送られてくる自動車保険の更新案内。なんとなく「今のままでいいか」と、前回と同じ内容で契約を続けていませんか?

実はその「とりあえず更新」、気づかないうちに高い保険料を払い続ける“払い損”の原因になっているかもしれません。

「なぜか保険料が安くならない」「今の車の価値に補償が見合っているのか不安」と感じている方も多いはず。そこで今回は、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の中川佳人さんに、車両保険で損をしてしまう理由と、保険料を適正化するための具体的な見直しのコツを解説していただきました。

なぜ高い保険料を払い続けてしまうの?

---ずっと同じ内容で車両保険を更新しているのですが、なぜか保険料が高いままです。なぜ、このようなことが起きるのでしょうか?

中川 佳人さん:

「車両保険を見直さずに高い保険料を払い続けてしまう大きな理由は、『契約内容と実際の利用状況とのミスマッチ』が起きていることです。車の時価額の低下だけでなく、補償範囲や契約条件が現在の生活環境に合っていないケースは少なくありません。

特に多いのが、補償範囲の違いを十分に理解しないまま契約を継続しているケースです。
車両保険には、単独事故や当て逃げまで補償する『一般型』と、補償範囲を限定した『エコノミー型』があります。一般型は安心感がある一方で保険料が高くなるため、運転頻度や駐車環境によっては補償内容が過剰になっていることもあります。

また、免責金額(事故時に自己負担する金額)の設定も見落とされがちなポイントです。免責金額を0円に設定すると事故時の負担は減りますが、その分保険料は高くなります。ある程度の自己負担を受け入れられる家庭であれば、免責金額を設定することで保険料を抑えられる場合があります。
さらに、運転者の範囲や年齢条件も重要です。例えば、子どもが独立して若い家族が運転しなくなったにもかかわらず、年齢条件を広いままにしていると、必要以上の保険料を払い続けている可能性があります。

車両保険は契約当時の条件のまま更新されることが多いため、生活環境や車の利用状況が変わるほど補償内容とのズレが生じやすくなります。更新のタイミングで補償範囲、免責金額、運転者条件を一度見直すだけでも、保険料の負担を適正化できるケースは少なくありません。家計とのバランスを取りながら最適な補償内容を考えることが大切です。」

見直さないと「払い損」になるって本当?

---車の価値は年々下がると聞きますが、購入時のままの補償内容を続けていると、具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか?

中川 佳人さん:

「購入時から補償内容を見直さずに車両保険を継続していると、実際の車の価値と保険料のバランスが合わなくなり、結果として払い損になってしまうケースがあります。特に注意したいのは、車の価値が大きく下がった後も、購入当初と同じような補償内容を維持している場合です。

自動車の価値は年数が経つにつれて下がります。一般的に新車から数年で時価額は大きく低下するため、古い車に対してフルカバーの車両保険をつけ続けていると、万が一事故が起きても受け取れる保険金はそれほど大きくないケースもあります。例えば、車の時価額が50万円程度まで下がっているのに、年間数万円の車両保険料を払い続けていると、長期的には支払った保険料の方が多くなる可能性もあるのです。

修理費用とのバランスも重要です。軽微な事故の場合、修理費が免責金額に近い水準であれば、保険を使うとかえって翌年以降の保険料が上がることもあります。その結果、保険を使わず自己負担で修理するケースも少なくありません。このような状況では、そもそも車両保険を付け続けるべきかを検討する余地があります。

通勤で毎日車を使う家庭や、駐車環境によって事故リスクが高い場合などは、一定の補償を維持することで安心感があります。ただし、払い損になるケースが存在するのも事実です。車の年式や現在の価値、家計の状況などを踏まえて補償内容を見直すことで、保険料の払い過ぎを防ぐことにつながります。」

見直しの第一歩!どこをチェックすべき?

---いざ見直そうと思っても、何から手をつければいいのか迷ってしまいます。まず確認すべきポイントを教えてください。

中川 佳人さん:

「車両保険を見直す際に最初に行っていただきたいのは、手元の保険証券を見て『現在の車両保険金額』と『補償タイプ』を確認することです。車両保険金額とは、事故の際に支払われる上限額であり、基本的には車の時価額を基準に設定されています。車両保険金額が現在の車の価値と大きくかけ離れていないかを確認することが、見直しの第一歩になります。

次に確認したいのが、補償タイプです。一般型なのか、補償範囲を限定したエコノミー型なのかによって保険料は大きく変わります。単独事故や当て逃げまで補償する必要があるのか、それとも車同士の事故など一定のケースに限定しても問題ないのかを考えてみるとよいでしょう。

さらに、免責金額の設定もチェックしておきたいポイントです。免責金額が0円の場合は保険料が高くなる傾向があり、一定額の自己負担を設定することで保険料を抑えられます。また、運転者の年齢条件や範囲も見直しの余地があります。家族構成が変わり若い運転者がいない場合は、条件を絞ることで保険料が下がる可能性があります。

『車両保険金額』『補償タイプ』『免責金額』『運転者条件』の4つを確認するだけでも、保険内容の過不足が見えてきます。更新の案内が届いたタイミングは見直しの良い機会です。補償の内容を理解したうえで自分の生活に合った形に調整することで、無理なく保険料の負担を抑えることにつながります。」

更新のタイミングが最適!無理のない保険料へ見直そう

車両保険の「払い損」を防ぐためには、車の価値や生活環境の変化に合わせて補償内容をアップデートしていくことが不可欠です。

まずは手元の保険証券を取り出し、「車両保険金額」「補償タイプ」「免責金額」「運転者条件」の4つのポイントをチェックしてみましょう。これらを確認し、現在の車の状況や家計と照らし合わせるだけで、必要以上の支払いを抑えられる可能性があります。

次回の更新案内が届いた時は、ただそのまま継続するのではなく、自分にとって最適な補償内容を考える絶好のチャンスです。ぜひ、今日からできる見直しを始めてみてはいかがでしょうか。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。