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「クラス替えってどうやって決まるの?」意外と知らない裏側…元教員が語る『頭を悩ませる』ポイント

  • 2026.3.9
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。元小学校教員で、現在はWebライターをしているみずいろ文具です。

この時期、保護者の方からよく聞かれるのが「クラス替えって、どうやって決まるんですか?」という質問です。
4月に発表されるクラス。子どもにとっては新しい人間関係のスタートですし、親としてもドキドキしますよね。

学級編成の方法は、学校や自治体によってさまざまです。

ここからお話するのは、あくまで私が現場で経験してきた範囲のことですが、「先生たちはこんなふうに頭を悩ませているんだな」と知っていただけたらうれしいです。

クラス替えは“くじ引き”ではない

当たり前ですが、クラス替えは、“くじ引き”のように適当に振り分けているわけではありません。
一番大切なのは、子どもたちが1年間安心して学べるように、クラスのバランスを整えることです。

見ていく情報は、おもに以下の4点です。

  • 学習面の状況(つまずきが偏らないように)
  • 生活面の様子(中心になりやすい子・場を落ち着かせる子など役割の偏り)
  • 人間関係(特定の組み合わせに負担が集中しないように)
  • 配慮や支援が必要な子(支援体制が偏りすぎないように)

これはもちろん、優劣をつけるためではありません。
子どもたちにとって学級が安心できる学びの場になるよう、学級間の偏りを減らすためです。

編成カードを動かして、何度も調整する

具体的には、子ども一人ひとりの情報を“編成カード”にまとめ、机の上で動かしながらクラスを組み立てていました。

最初にやるのは、ざっくりとした“骨組み”づくり。
学習面や支援体制の偏りが出ないように、まず大枠で振り分けます。そこから、

「このクラスは落ち着いた子が多すぎるかも」
「ここは活発な子が固まって、ぶつかりそう」
「この組み合わせは去年かなりこじれたから、距離を取った方が安全かも」

と、生活面・人間関係の観点で微調整を重ねます。

  • このとき困るのは、カードを1枚動かすだけで全体のバランスが崩れ、別のところにしわ寄せが出てしまうことです。

「ああでもない、こうでもない」
現担任たちが意見を出し合いながら、最善を目指して何度も悩みます。
ただでさえ忙しい年度末に、クラス替えはとても負荷の高い仕事でした。

“人数ギリギリ”の場合は、別パターンも用意する

さらにややこしいのが、人数が上限ギリギリのときです。
例えば「35人+35人で2クラス」という状態だと、1人転入生が来ただけで、学級数が増えて3クラスになる可能性があります。

2クラスで考えていても、始業式前の土壇場で3クラスになることも。
だから現場では、最初から

  • 2クラスの場合の編成
  • 3クラスになった場合の編成(予備案)

このように、複数のパターンを作成することもありました。
4月は本当に、何が起きるか分からないのです。

どれだけ考えても「想定外」は起こり得る

ここまで丁寧に組んでも、「これで1年間、トラブルゼロ!」とはなりません。

子どもたちは成長しますし、関係性も日々変わります。
こちらが想像していなかった組み合わせが、意外と相性抜群になることもあれば、逆もあります。

それでも、私たちは最善を尽くして考えます。
「この子が安心して過ごせるように」
「このクラスが崩れないように」
「誰かに負担が集中しないように」

クラス替えの裏側には、そんな“子どもたちへの愛”と“気が遠くなる地道な作業”があります。

もし4月、発表されたクラスにモヤっとしたとしても…
そこにはきっと、先生たちが悩み抜いた跡がある。
そんなふうに思っていただけたらうれしいです。



ライター:みずいろ文具

関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。


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