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「傘が差せない…」配達員が語る、雨の日に荷物を濡らさないための“裏の努力”に「晴れの日の何倍も苦労」

  • 2026.6.14
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

皆さまこんにちは。元宅配員のmiakoです。

ネット通販が日常に溶け込んできた昨今、「頼めばすぐ届く」という便利さが当たり前になりつつありますよね。
宅配便は今やライフラインのひとつになりつつあります。

その便利さを支えているのが、365日休むことなく走り続ける宅配員たちです。
晴れの日も雨の日も、天候が不安定な日であっても、多くの宅配員が荷物を届けるために走っています。

6月といえば、梅雨に台風にと、雨で天候が崩れやすい時期。
実は、雨の日の配達は晴れの日とはまったく異なる苦労があります。

今回は、宅配員が雨の日にどんな工夫をしながら荷物を守っているのか、現場の実情をお伝えします。

雨の日の配達は、晴れの日の何倍もの苦労がある

雨の日というだけで、配達現場にはさまざまなリスクが重なります。

足元が滑りやすくなるため、転倒のリスクが増します。車の運転中は交通事故のリスクも上がります。
そして何より気を遣うのが、荷物が濡れてしまうことです。

荷物が濡れれば、中身の品質が損なわれる恐れがあります。

荷物の外箱は主にダンボールです。中にはラップのようなもので箱を巻いて発送してくださるお客様もいらっしゃいますが、そのような荷物はごくわずかです。

なかには「精密機械」「水濡厳禁」と書かれた箱もあり、取り扱いにはより一層の慎重さが求められます。

そして、雨だからといって、その日の荷物の量が減るわけではありません。
よほどのことがない限り、どんな天候であっても宅配員は変わらず走り続けます。

傘が持てない。宅配員が濡れる理由

雨の日の配達で、宅配員にとってひとつの大きな悩みがあります。それは、傘がさせないということです。

小さな荷物であれば、時には傘をさせるかもしれませんが、大体が両手で抱えるサイズの荷物
そして、傘をさしたり閉じたりするのは、意外にも手間だったりします。

荷物の大きさによっては、両手は荷物でふさがります。
車から玄関まで屋根伝いに行けるお宅ばかりではないため、荷物を守ろうとすれば、宅配員自身は雨の中を傘を差さずに歩くことになります。

そのため、ずぶ濡れになりながら玄関先に現れる宅配員の姿に、対応に出てきてくださったお客様がぎょっとされることも、決して珍しくはありませんでした。

雨の日、私がやっていた工夫

荷物を少しでも濡らさないよう、宅配員はそれぞれに工夫をしながら配達しています。
私自身が実践していた方法をいくつかご紹介します。

まず、自分の装備から。
雨合羽のような、撥水コートのジャケットを着て体を濡らさない工夫をし、タオルもいつもより多めに持参していました。
身だしなみと同じで、雨合羽を着ているかどうかで、お客様が受ける印象も変わるように感じていました。

ただし、雨用の上着などは宅配員それぞれが各自で身につけやすいものを着ている場合があります。
制服ではないのでは?と思われるかもしれませんが、それよりも身を守ることを大切にしています。

忘れられないのが、雨漏りする配送車での出来事です。
かなり昔のことですが、年季の入った古い配送車を使っていた時期がありました。

雨の日にはドアの隙間から雨漏りし、荷物を載せる前から荷台が濡れてしまっているような状態でした。
荷台は板が敷かれていて、水が染みこむとなかなか乾きません。
もちろん走行中も雨漏りは続きます。当時はその車両を使わないという判断はされず、荷物を守るのは宅配員の裁量に任されていました。

そこで活躍したのが、レジャーシートです。普段は自宅で眠っているレジャーシートを、雨除けにと活用していました。
荷物の下に敷いたり、上にかぶせたりすることで、荷物に雨水が落ちて濡れたり、湿った荷台に触れるのをある程度防ぐことができました。

また、車内での荷物の置き方にも工夫が必要です。通常はドアに近い場所に荷物を置くことがあっても、雨の日は開閉のたびに雨が降り込んでくるリスクがあります。そのため、濡らしてはいけない荷物はなるべく奥に置くようにしていました。それでも、避けられずに少し濡れてしまうことは何度もありました。

さらに、お届けの際には「風呂敷」をよく活用していました。

本来は冷蔵品や冷凍品を外気に触れさせないための一時的な保冷用のもので、1m×1mほどの大きさのものです。
小さな箱であれば完全に包み込んでお届けでき、大きな箱でも天面と自分の体に触れない側面3面を覆うことができれば、ある程度の雨は凌ぐことができました。

置き配・宅配ボックスも「荷物を守るため」変更することがある

雨の日には、お客様から指定いただいた配達方法を変更せざるを得ないケースもあります。

置き配指定があっても、雨の日は荷物の品質を損なう可能性が高いため、対面配達に切り替えることが多くなります。
また、宅配ボックスに雨水が溜まっていたり、ボックス自体がひどく濡れていたりする場合は、そのまま配達できずに持ち戻ることもあります。
その際、不在票には「荒天のため」などと理由を記入しています。

ご自身の指定どおりに届かず、困惑されるお客様もいらっしゃいます。
しかしこれは、すべて荷物を守るための判断です。

宅配員は荷物の中身を見ることはできません。
だからこそ、最善の対応をとろうとしているのです。

それでも届かないこともある。お客様へのお願い

雨脚があまりにも強い日には、パソコンや精密機器、書籍など濡れては困る荷物については、お客様にお電話をして天気予報を確認しながら配達日を変更するなどご相談させていただくこともありました。

無理に届けて商品が壊れてしまうことを避けるためです。

事情を察して快く承諾してくださるお客様も多く、そのたびにありがたい気持ちでいっぱいになりました。

一方で、「箱がずぶ濡れのまま届いた」「中まで濡れていた」という声がカスタマーセンターに届くこともあります。
対応の方法は宅配員それぞれの判断に委ねられており、同じ工夫をしているわけではありません。

私がやっていた対策を同僚に共有しても、取り入れるかどうかは各自次第でした。

ただ、どの宅配員にも共通する思いがあります。できるだけ濡らさず、お客様に満足して受け取っていただきたいという気持ちです。

雨の日はどんなに配慮しようとしても、対応しきれないことがあります。
そのことを少しでもご理解いただけると、現場で働く宅配員たちにとって、大きな支えになります。

雨の日も、土砂降りの日も、宅配便は走ります。
お客様の元へ荷物を届けるために、今日もどこかで宅配員が雨の中を歩いています。

これからも、宅配員とお客様が互いに思いやりを持って関わり合える関係が続いていくことを、そして宅配業界で働く人たちが少しでも働きやすい環境で活躍できる未来を、心から願っています。



ライター:miako
宅配ドライバーとして10年以上勤務した経験を生かし、現場で出会った人々の温かさや、働く中で積み重ねてきた"宅配のリアル"を、経験者ならではの視点で綴っています。
荷物と一緒に交わされてきた小さなエピソードを、今は文章としてお届けしています。


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