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「今決めれば数十万円引き」結婚式場の【即日成約特典】でカップルが大喧嘩!元プランナーが出した“折衷案”とは…?

  • 2026.3.9
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちはyukimaruです。

「結婚式場見学に行ったら、その場で契約を迫られて困った…」。そんな声が聞かれることもある、ウェディング業界の『即日成約』という慣習。長年プランナーとして現場にいた私自身の経験をもとに、その背景と実情、そして新郎新婦が後悔しないためにできることをお伝えします。

とはいえ、なかなか改善できていないウェディング営業は、業界全体の大きな課題といえるのかもしれません。

【即日成約】とは?

【即日成約】とは、初めてその会場に訪れて、その日中に契約、申し込みをすることです。

気に入って契約する...当たり前のように感じますが、しかしその裏で、一部の式場では「即日成約」を重視するあまり、結果的に新郎新婦が「強引だ」と感じてしまう営業や長時間の交渉が行われ、問題視されるケースがあるのも事実です。

もちろん、お客様の同意なく契約することは不可能なため、その場ではお客様も納得してサインをしていますが、帰宅して冷静に考えると、何かおかしいと感じる。

式場側としては、気に入っていただいたなら、もちろん自式場でお手伝いしたい思いになるため、決断していただくよう促すことは必然のこと。しかし、中には、営業ノルマから必死にご成約をいただこうとする式場があるとも言われています。

また、【即日成約特典】として、今決めていただいたら〇十万円の値引きなどの大幅な割引特典があります。

どの式場でもやっていることとはいえ、結婚式は高額です。そのため、新郎新婦が「明日になるとこの特典は使えないし、担当者も同席しているから決めなきゃ……」と焦りを感じてしまうような営業手法も問題視されています。

【即日成約】の提案がきっかけで、新郎新婦の喧嘩が勃発!

今回出会った新郎新婦は、最初の時点で「たくさんの会場を見て回って決めたい」という要望がありました。

年齢が近いこともあり、私と新郎新婦様はすぐに打ち解け、早い段階で「あなたにプランナーをお願いしたいです」と言ってくださいました。

会場を見学した時には、感動で涙を流され、試食、ドレス試着をして満足感で溢れていました。

お2人の結婚式の希望日程は3月。3月は気候が良く、ブライダルの人気シーズンです。日程をチェックすると、実際に空いていたのは午後の一か所。

それをお伝えすると、新郎様は「他の式場も見なきゃ…」と、新婦様は「どうしよう、日程も空いていないし…」と、それぞれのお気持ちを口にされました。

プランナーとしては、とても素敵なお2人だったため、一緒に結婚式を作り上げたい気持ちはやまやまでしたが「とにかく見積りを出しますね」と提案。

どのお客様にも【当日成約特典】は提案するため、決めなくても一応説明はします。

一通り説明すると、新婦様は「もうここで決めたい‼」とおっしゃいました。

新郎様は驚いて「いくつか他の会場も見るんでしょ?冷静に決めようよ、一生に一度のことだよ?」と。

お2人は朝の9:00に来館したのですが、この時点でお昼の12:00。私も「この特典は一日有効ですから、とにかく一度昼食にでも出かけてお2人でお話して、お電話一本いただけますか?」と提案しました。

しかし新婦様が「先ほど試食したから、おなか一杯。今、式場から出たら、その間に日程が埋まってしまうかもしれない」と意志が固い様子。

一旦私は席を外し、数分後戻ると、お2人の話し合いは平行線のまま、むしろ喧嘩が勃発していました。

一度折衷案として、「他の会場を本日中に見てまわって、話し合った上で戻って来られるでも問題ないございません」とお伝えするとお2人は会場を後にされました。

そして戻って来られたときにはクタクタの様子で、すでに夕方の18時を回っていました。

新婦様は「いくつ回ってもここでしたい思いは変わりませんでした。でも喧嘩した状態で結婚式場を決めたくない気持ちもあります」

新郎様は「僕もいくつか回って、この会場で良いと思いました。でも、両親にもちゃんと相談したいので、割引特典は諦めて日程も考え直してまた連絡したいと思います」

とおっしゃり、帰宅されていくとき、新婦様の目にはうっすら涙がありました。

このとき、プランナーとして成約まで後押ししていれば新婦様は涙を流さなかったのではないか、しかしそれでは新郎様のお気持ちを無下にしてしまう……など、多くのことを考えさせられました。

後日談…当日成約はウェディング業界全体の課題

数週間後、このお2人が来館され、日程を5月に移動され、見積も当時より高いお値段でしたが、

「この会場が忘れられなかったこと、そしてなによりあなたに結婚式を任せたいと思ったから」と当式場で決めてくださいました。

とても嬉しい瞬間です。

私には2つ想いがよぎりました。

結局、当式場で決めてくださったのなら、あのときもっと後押ししていれば、ご希望の日程で少しでも割引を適用した状態でお手伝いできたのかもしれない……。その一方で、お2人が心から納得して決められたのだから、これでよかったのだという想いもありました。

こういう当日成約を提案する流れは、一時期よくネットニュースなどで非難の声が上がっていました。

確かに一理あるのですが、お2人の希望日程が人気の日だと空いていないこと、すぐに埋まることも本当であり、当日成約特典はほとんどの式場が提示します。

その上で、ご縁あって出会ったお2人の結婚式をぜひ自分の手でお手伝いしたいという想いから強くお勧めすることが、結果として強引な営業という印象を与えてしまうのも事実です。

まさに表裏一体なのです。

しかし、ニュースで取り上げられるほど問題視され、悲しい想いをしている新郎新婦様がいるという現状は、業界全体で向き合うべき課題だと私は感じています。


ライター:ゆきまる

大学卒業後、フリーターを経てウェディングトップの大手の会社に入社。ウェディングプランナーを10年経験し、その後、支配人を5年、エリアマネージャーとして全国の店舗の管理活動を行う。現在は、Webライターとして活動。ウェディングプランナーから培った「人をう気持ち」を大切に、コラム記事からSEO記事まで幅広く執筆中。


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