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「無理なく復帰しよう」育休明けに時短で勤務→数年後、“ねんきん定期便”を見て絶句…30代女性が見落としてた“思わぬ盲点”

  • 2026.4.3
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!社会労務士の加藤あゆみです。

育休明けに「まずは時短で無理なく復帰しよう」と選択する方は、今やめずらしくありません。

相談の場でも「ねんきん定期便を見て、時短期間だけ受給見込み額の積み上がりが鈍っているのに気づいた」という声を聞くことがあります。毎月の家計と育児に向き合いながら、将来の年金まで考える余裕はなかった——というのが多くの方の本音でしょう。

実は「申出一枚」で防げた損失だったと後から知ったとき、どれほど悔しいことか。知っているかどうかだけで、老後に受け取る年金額が変わってくるのです。

今回は、ある30代女性会社員Aさん(仮名)のケースをご紹介します。

「申出一枚」で、時短前の年金水準を守れる

Aさんが第一子の育休から復帰し、時短勤務で働き続けて数年が経った頃のことです。

ねんきん定期便を何気なく確認したところ、復帰後の数年間だけ、年金見込み額の積み上がりが目に見えて鈍っていました。給与が下がった分、厚生年金保険料の計算ベースとなる標準報酬月額も下がっていたからです。「時短にするとそうなることは知っていたけれど、防ぐ方法があるとは思っていなかった」と話してくれました。

後から「養育期間標準報酬月額の特例措置」という制度の存在を知ったとき、複雑な表情を浮かべていたのが印象的でした。「会社からは一度も案内されなかった」と。

時短勤務をすると給与が下がり、それに伴って標準報酬月額も下がります。厚生年金はこの標準報酬月額をもとに将来の受給額を計算するため、時短期間が長いほど老後の年金額への影響が大きくなります。

そこで使えるのが「養育期間標準報酬月額の特例措置」です。3歳未満の子どもを養育するために標準報酬月額が下がった場合、時短前の標準報酬月額で年金額を計算してもらえる制度で、厚生年金保険法第26条に基づいています。申出は会社経由で日本年金機構へ提出します。

重要なのは、この申出は自分から動かないと適用されない、という点です。会社に案内義務はなく、知らないまま時短期間を終えてしまう方が少なくありません。なお申出は遡って適用できる場合もありますが、時効(2年)があるため、早めの手続きが肝心です。

復帰のタイミングで、一度確認を

時短復帰は、仕事と育児を両立するための大切な選択です。その選択が、知らないうちに老後の年金を削っていたとしたら——そうならないためにも、育休復帰の前後に「養育期間の特例申出をしたか」を一度確認しておきましょう。会社の人事担当者や社会保険労務士に問い合わせるだけでも、状況が変わることがあります。

制度は知っている人が得をする——そういう側面があることを、ぜひ覚えておいてほしいと思います。

※この記事は2026年3月時点の法令・制度に基づいています。
※個別の状況については、社会保険労務士や年金事務所にご相談ください。

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