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「老後資金を増やしたい」貯金500万円を投資に回し…→お金のプロが見た、40代以降が陥りがちな“たった1つの判断ミス”

  • 2026.3.22
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出典元:phootAC(※画像はイメージです)

「老後資金の準備に出遅れたかもしれない」と焦りを感じ、新NISAを始める40代が増えています。

非課税メリットを活かして効率よく資産を増やしたいと思う一方で、「相場が下落して資産が減ってしまった」「話題の銘柄を買ったけれど、これで本当に大丈夫?」と不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

なぜ、老後資金を目的に始めたはずの投資で大きな失敗をしてしまうのでしょうか?そして、それを防ぐためにはどうすればよいのか。

今回は、40代が陥りがちな新NISAの落とし穴と正しい対策について、金融機関勤務の現役マネージャーであり1級ファイナンシャル・プランニング技能士の中川佳人さんに詳しく解説していただきました。

なぜ40代は新NISAで「大きな失敗」をしてしまうのか?

---老後資金を目的に新NISAを始めた40代が、大きな失敗をしてしまう背景にはどのような理由があるのでしょうか?

中川 佳人さん:

「老後資金を目的に新NISAを始めた40代が大きな失敗をしてしまう背景として多いのは、『自分のリスク許容度を実際よりも高く見積もってしまうこと』です。投資には値動きがあることを頭では理解していても、資産が大きく目減りすると強い不安を感じてしまいます。

直近10年ほどは、株式市場が好調に推移してきたため、「投資をすれば自然と資産が増える」という印象を持っている方も少なくありません。しかし実際の市場では、大きな暴落が起きることもあり、場合によっては資産が半分近くまで減少するケースもあります。このような下落局面を想定せずに投資を始めると、価格が下がった瞬間に不安になり、慌てて売却してしまうのです。

例えば、貯蓄500万円を持つ投資初心者が、老後資金を増やしたいという思いから一度に500万円すべてを投資に回してしまうケースです。その後に相場が大きく下落すると、資産が大幅に減少したことに耐えられず、損失を確定させてしまいます。市場の回復を待てばよい局面でも、精神的に耐えられず売却してしまうのです。

投資を始める際は、自分が思っているよりもリスク許容度は高くないことを意識しておきましょう。まずは少額から投資を始め、値動きに慣れながら徐々に資産配分を調整していくことが、失敗を防ぎやすい方法と言えます。」

「老後への焦り」が招く、新NISAでやりがちなNG行動とは

---老後資金に焦りを感じる40代が、新NISAでついやってしまいがちな行動とその注意点について教えてください。

中川 佳人さん:

「老後資金に焦る40代が新NISAでやりがちな行動として注意したいのは、短期間で資産を増やそうとしてハイリスクな銘柄に集中投資してしまうことです。

40代になると「老後までの時間があまりないのでは」と不安を感じる方も多くなります。しかし、60代の退職を考えれば、まだ20年前後の時間があります。資産形成において20年という期間は決して短くありません。長期で運用できる時間があるからこそ、過度にリスクを取らなくても資産形成は可能になるのです。

焦りから知識が十分でないまま投資を始めてしまうと、SNSやインターネットで話題になっている銘柄を参考にし、リスクの高い投資を行ってしまいます。特定のテーマ株や個別株に集中して投資すると、うまくいけば大きく増える可能性もありますが、反対に大きく値下がりする可能性も高くなります。結果的に、資産を大きく減らし投資をやめてしまう方も少なくありません。

資産を育てるためには、広く分散された投資信託などを活用し、時間をかけて積み上げていく方法が一般的です。新NISAは購入した資産を生涯非課税で保有できる制度です。焦って短期的な利益を狙うよりも、広く分散された優良な投資信託を長く保有することが、結果的に安定した資産形成につながります。焦らず、投資の基礎を勉強することから始めてみましょう。」

失敗を防ぐために、最初に見直すべき「資産配分」の視点

---40代が新NISAでの失敗を防ぎ、長く投資を続けるためには、まず何を見直すべきでしょうか?

中川 佳人さん:

「40代が新NISAでの失敗を防ぐために最初に見直していただきたいのは、『大きな下落が起きても持ち続けられる資産配分になっているか』という視点です。投資では値上がりだけでなく、大きく値下がりする局面も想定しておく必要があります。

株式市場は長期的には成長してきましたが、短期的には大きな変動を伴います。過去には金融危機などの影響で、株価が大きく下落したケースもありました。例えば2008年のリーマン・ショックでは、世界の株式市場が大幅に下落し、多くの投資家が資産の大幅な減少を経験しました。このような局面でも慌てずに保有し続けられるかどうかが、長期投資では重要になります。

そのため資産配分を考える際には、「仮に投資資金が半分程度まで下がったとしても持ち続けられるか」という視点で見直してみるとよいでしょう。もし精神的に耐えられないと感じる場合は、現金の割合を増やしたりするなど調整する必要があります。

リスク許容度は、多くの方が思っているよりも高くない傾向にあります。自分がどの程度の値動きなら受け入れられるのかを確認し、その範囲で投資を行うことが大切です。自分のリスク許容度を知るためにも、まずは少額の積立から始めてみるとよいでしょう。」

焦らず少額から!自分のペースで老後資金を育てよう

「老後までの時間がない」という40代特有の焦りは、時として自分に合わないハイリスクな投資や、下落局面での慌てた売却といった失敗を引き起こしてしまいます。

しかし専門家の解説にもあった通り、退職までにはまだ20年近い運用期間が残されています。まずは「資産が半分になっても耐えられるか」という視点で手元の資産配分を見直し、自分の本当のリスク許容度を知ることが大切です。

これから投資を始める方や不安を感じている方は、明日からでも「少額からの積立」と「広く分散された投資信託の長期保有」を意識してみてください。一歩ずつ着実に、未来の自分を支える老後資金を育てていきましょう。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。