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老後資金のため3000万円貯金「これで十分暮らしていける」はずだったが…→数年後、70代夫婦が直面した“想定外の大誤算”

  • 2026.3.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務の現役マネージャーとして、日々さまざまなお金のご相談に向き合っている中川です。

「老後資金は3,000万円あれば安心」
そう考える方は少なくありません。住宅ローンを完済し、年金も受け取り、さらにまとまった貯蓄があれば老後の生活は安定するように見えます。

しかし、老後の家計は計画通りいかないことも多くあります。年齢とともに医療費や出費が増え、気づけば貯蓄を取り崩す生活になっているケースも少なくありません。

今回は、「年金と貯蓄があれば大丈夫」と考えていた70代夫婦が、老後家計の現実に直面した事例をご紹介します。

老後資金3,000万円。安心できるはずだった夫婦の家計

今回ご紹介するのは、70代前半のAさんご夫婦です。

夫は会社員として長年働き、退職後は年金生活に入りました。子どもは独立し、住宅ローンも完済しています。

老後に備えて準備していた金融資産は約3,000万円。夫婦の年金収入は月22万円ほどでした。

「贅沢をしなければ、年金と貯蓄で十分暮らしていける」

Aさんご夫婦はそう考えていたそうです。実際、退職直後の数年間は大きな不安を感じることはありませんでした。

医療費と生活費がじわじわ家計を圧迫

しかし、年齢を重ねるにつれて状況は少しずつ変わっていきました。夫は高血圧や糖尿病で通院が必要になり、妻もひざの痛みで定期的に病院に通うようになります。

診察代や薬代は1回あたり数千円でも、通院が増えると月の医療費は想像以上に増えていきます。

さらに近年は、食費や光熱費の上昇も家計に影響しました。以前と同じ生活をしているつもりでも、支出は少しずつ増えていきます。

大きな贅沢をしているわけではありません。それでも毎月の支出は、確実に増えていきました。

月22万円の年金では足りない月も

Aさんご夫婦の年金収入は月22万円ほどでした。持ち家のため家賃負担はありませんが、実際の生活費は月24万〜26万円ほどかかる月も出てきます。

不足分は預貯金から補っていました。毎月の赤字は数万円程度ですが、年間で見ると数十万円の取り崩しになります。

「大きな出費はしていないのに、貯蓄が少しずつ減っている」

そう感じるようになったといいます。

「3,000万円ある」ではなく「毎年いくら減るか」

老後資金の相談で多いのが、「資産額」には意識が向いていても、「毎年いくら減っているか」を把握していないケースです。

Aさんご夫婦も、貯蓄があるという安心感を持っていました。しかし実際には、生活費の不足や臨時支出によって、資産は少しずつ減り続けていました。

毎年50万円減る状態が続けば、10年で500万円減ることになります。老後生活が20年以上続く可能性を考えると、決して小さな金額ではありません。

老後家計は「今の支出」だけでは判断できない

老後のお金を考えるとき、多くの人は現在の生活費だけを基準にします。しかし本当に重要なのは、これから増える可能性がある支出です。

年齢が上がるほど医療費は増えやすくなります。さらに介護費用や住宅修繕費など、将来発生する可能性のある支出もあります。

「住宅ローンが終わったから安心」「年金があるから大丈夫」と考えていても、支出は少しずつ増えていくものです。

老後の生活を安定させるためにも、余裕を持った計画を立てるようにしてください。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。