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父の遺産“約3,000万円”を引き継いだ家族→「うちは揉めない」はずが…3兄弟を待ち受けてた“悲惨な結末”【お金のプロは見た】

  • 2026.3.21
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出典元:pghotoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でお金の相談に携わる中川です。

日々さまざまなご家庭の相談に向き合う中で、相続をきっかけに家族関係が変わってしまうケースを見てきました。

「うちは仲がいいから相続でもめることはない」。多くの方がそう考えます。しかし、相続トラブルはどの家庭にも起こり得る問題です。

今回は、遺産総額約3,000万円の相続をきっかけに、兄弟関係が壊れてしまった事例をご紹介します。

遺産3,000万円。争うほどではないはずだった

70代の父親が亡くなり、相続手続きが始まりました。

遺産の内訳は、実家の土地建物が約2,200万円、預貯金が約800万円。合計で約3,000万円です。

相続人は兄弟3人。関係も良好でした。そのため「うちは、もめないだろう」と考えていたそうです。

父は遺言書を残していませんでした。相続について家族で話し合う機会もなかったといいます。

しかし、相続が始まり、実家をどうするかという話になったとき、兄弟関係に変化が出てきます。

実家を巡って生まれた考え方の違い

実家に住んでいたのは長男でした。父と同居し生活を支えてきたため、長男はこう主張します。

「この家は自分が引き継ぎたい」

長男にとって実家は生活の基盤です。売却して現金化するという考えには抵抗がありました。

一方、遠方に住む兄弟は違う考えでした。不動産が遺産の大半を占めています。

「家を長男が取得するなら、その分は公平に調整してほしい」

ここで兄弟間の考え方の違いが表面化します。

不動産がある相続は難しくなる

相続トラブルは、資産額よりも財産の内容に左右されます。特に不動産が含まれる相続は分け方が難しくなります。

預貯金であれば分割できます。しかし不動産は簡単に分けられません。

実家を長男が取得するなら、他の相続人へ代償金を支払うなどの調整が必要になります。ところが、不動産を取得する相続人がまとまった資金を用意できないケースも多いのです。

今回も同様でした。預貯金800万円を分けても、不動産との差は埋まりません。話し合いは平行線になりました。

相続は感情の対立になりやすい

話し合いが長引くと、論点は財産だけではなくなります。

長男は「父の面倒を見てきたのは自分だ」と主張します。兄弟は「相続は公平であるべきだ」と反論します。

こうして議論は次第に感情的な対立へと変わりました。

最終的に遺産分割は法的に整理されましたが、兄弟関係は修復できませんでした。今では連絡を取り合うこともないそうです。

遺産総額は3,000万円。家族関係を壊すには十分な金額でした。

相続でもめないために必要なこと

今回のケースで大きかったのは、父の意思が残されていなかったことです。

遺言書がない場合、被相続人の意思が分からず相続人で遺産分割について話し合うことになります。不動産があると、話し合いはさらに難しくなり、もめごとにつながるケースも少なくありません。

誰に何を残したいのか。実家をどうするのか。生前に意思を整理し、相続人となる人に伝えておくことが重要です。

遺言書の作成や家族での話し合いは、相続トラブルを防ぐ大切な準備になるのです。

「仲が良い家族」こそ準備が必要

相続トラブルは、家族仲の悪い家庭だけで起きるわけではありません。むしろ「うちは大丈夫」と思っていた家庭ほど準備がないまま相続を迎え、トラブルに発展するケースがあります。

相続は突然始まります。もっとも大切なことは、家族間でよく話をすることです。

家族の今後について話をする時間を作ることから始めてみましょう。その話し合いが将来の家族仲を守ることにつながります。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。