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「新NISAにまとめよう」240万円積み立てた旧NISAを売却→6ヶ月後、40代男性を直撃した“想定外の事実”【お金のプロは見た】

  • 2026.6.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計や資産形成のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、2024年に新NISAが始まったタイミングで「口座をすっきりさせたい」と旧つみたてNISAを全額売却し、新NISAで買い直した40代会社員Hさんの体験談です。よかれと思っての整理が、本来活かせた非課税期間を自ら手放す結果になっていました。

「2024年は新NISAに一本化しよう」と決めた朝

Hさんは40代前半の会社員。奥さまと中学生のお子さん1人と暮らす3人家族です。

つみたてNISAを始めたのは2018年。職場の同僚から「老後資金は早く積み立て始めた方がよい」と聞き、月3.3万円ずつ全世界株式の投資信託を買い続けてきました。6年間で約240万円を積み立て、評価額はそれなりに育っていたそうです。

2024年、新しいNISAがスタートするニュースを目にして、Hさんはこう考えました。

「口座が2つあると分かりにくい。新NISAにまとめよう」

じっくり調べたわけではありません。「制度が変わるなら整理した方がよさそう」という直感に近い判断で、1月の早い時期に旧つみたてNISAの投資信託をすべて売却。その資金で、新NISAの「つみたて投資枠」で同じ投資信託を買い直したそうです。

売却から半年後、雑誌で目にした「ある記事」

半年ほど経った夏、通勤途中に手に取ったマネー誌で、こんな見出しを見かけたといいます。「旧NISAは売らずに保有継続。新NISAとは別枠で動かせる」。

Hさんは思わず吊革をつかんだまま、その記事を最後まで読み込んだそうです。

そこで初めて知ったのは、旧つみたてNISAは売却しなくても、各年の購入分を最長20年にわたって非課税で保有できる仕組みだということ。新NISAとは別枠で扱われ、両方を併存させても問題ない設計でした。

「2018年に買った分は2037年末まで、2023年に買った分は2042年末まで非課税で持ち続けられたんです。私は、その非課税期間を自分から手放してしまったわけです」

旧NISAは2024年以降の新規買付こそできませんが、すでに購入してある分は売却せずに保有し続けることができたのです。

「売却益が出たから損していない」とは限らない

Hさんは慌てて取引履歴を確認しました。

売却時点で含み益は出ていたものの、NISA口座のため売却益は非課税のまま手元に入り、その資金を新NISAで再投資しています。表面的には「損していない」ように見えます。

しかし、本来であればその含み益部分は2037〜2042年まで非課税で運用を続けられた資金でした。新NISAで買い直した分は新NISAの非課税期間(無期限)で運用できますが、新NISAには年間の非課税投資枠(つみたて120万円・成長240万円)と生涯1,800万円の上限があります。

「旧NISAをそのまま持ち続けていれば、新NISAの非課税枠は別枠で丸ごと使えていたはず。実質的に、非課税で運用できる総額が小さくなったということなんですね」

「整理する=得」とは限らない

新NISAと旧NISA(つみたて/一般)は、別枠で併存できる仕組みです。旧NISAでの新規買付はできませんが、保有している分は非課税期間が終わるまで売らずに持ち続けられます。

これからNISAを見直そうとされている方は、売却の前に、ご自身の旧NISA口座にある資産の「購入年」と「非課税期間の終了時期」をご確認ください。証券会社のマイページや取引報告書で、それぞれの年に買った分が何年まで非課税で保有できるかを確認できます。

整理のために売却することと、非課税期間を活かして保有を続けることは別物です。「よかれと思って」の判断ほど、一度立ち止まって仕組みを確認する。その一手間が、よりお得に資産運用をするポイントになります。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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